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 Tokinashi-Zohshi 
Illustrated by Midori Tohno

 

       

コンテンツ

概   要

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

「これは私とメイドさんの、実に何でもない日常生活です」
「これは私とダンナ様の、実に何でもない普通のお話です」

「おはようございます、ダンナ様」
「ダンナ様、お茶が入りました」
「いいお天気ですね、ダンナ様」
「ダンナ様ぁ? ぐすんっ……」

 いち

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

「なんでも外国の偉い博士が発明した洗剤なのだそうです」
メイドさんがいつになく、ワクワクして子どものような瞳をさせていた。
「今までの量よりちょっとで綺麗にぴかぴかになるそうなんですよ」

「ダンナ様……?」
「ダンナ様、小包が届きました」
「ダンナ様、うふふっ」

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

私はちょっとそっぽを向いて目を閉じました。
ダンナ様はシュンとなられています。
こっそり片目を開けてご様子を見てから、ふぅと小さく溜め息をついて言いました。
「わかりました、ダンナ様。その代わり、他のお料理は全部召し上がって下さい」

「ダンナ様?! どちらですかぁ?」
「……メイドさん、これは……」
「ダンナ様、雨ですね」

「ダンナ様ぁ〜、んっく☆ んっく!」

 さん

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

星明かりと微かな光の中でもダンナ様の優しいお顔がわかります。
「夕涼みにはもう随分遅いと思うのですが……はい。ご一緒させていただきます」
星々の、かすかな瞬きは宇宙のリズムを刻み、ささやき掛けているようです。

「ダンナ様…………パンダでもお飼いになるのですか?」
「すぐお替わりを用意いたします、ダンナ様」
「あっ、んんっ、ああダンナ様」
「メイドさん、どうされました? こんな夜更けに」
「ダンナ様、月へ行けたらいいと思いませんか」
「ダンナ様ー!  逃げて下さーい」

 し

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

「メイドさんの寝ているお顔を初めて拝見しました」
 いつものつぶらな瞳を閉じてとっても無防備なお顔のメイドさん。
 メイドさんが私に寄り添って眠っている事がなんだかとても嬉しく思えました。
 しばらくメイドさんを見つめていながら、いつしか私もまた心地よい揺れにウトウトしたようでした。

「ダンナ様、あと3つ先ですね」
「……(ダンナサマ)…………」
「メイドさん、突然ですが……

「ダンナ様のお好きな音ってどんな音ですか?」
「メイドさん、どんなお話なんですか?」
「あの……ダンナ様……」

 メイドさんとダンナ様の
実に何でもない
ふつーの生活のひとこま

「メイドさんの寝ているお顔を初めて拝見しました」
いつものつぶらな瞳を閉じてとっても無防備なお顔のメイドさん。  メイドさんが私に寄り添って眠っている事がなんだかとても嬉しく思えました。
 しばらくメイドさんを見つめていながら、いつしか私もまた心地よい揺れにウトウトしたようでした。
ダンナ様、お豆の用意ができました
「ダンナ様! かわいいでしょう?」
「ダンナ様! チョコレートはお好きでしたね?」

「ダンナ様、何か面白い記事でも載っているのですか?」
「失礼します。ダンナ様、お茶をお持ちいたしました」

ろく

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