1.トレジャー初の続編はいかに
本作は、これまで続編を作らなかったトレジャーが、初めて続編に挑戦したゲームです。
しかし、正直言って前作の続編とするにはシステムが違いすぎています。
その違いについて、列挙してみることにします。
●操作編
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ラインがなくなり、画面奥・手前は自在に移動できるようになった
紹介にもあるとおり、前作では3ラインあってボタンでライン移動したのですが、本作ではラインを廃し、上下で自由に移動できるようになりました。
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ジャンプが↑ではなくAボタンになった
前作ではライン制なのでジャンプは↑で行いましたが、本作はAボタンになりました。
全体に言えることですが、前作は「ストリートファイターII」などの格闘ゲームの操作になっていましたが、本作は「ファイナルファイト」などの格闘アクションゲーム(ベルトスクロールアクションゲーム)の操作になりました。
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攻撃が1ボタンになった
前作ではセガサターンでボタンが多かったためか、攻撃が弱と強の2ボタンありましたが、本作ではボタンが少なくなったため1ボタンです。
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「投げ」が難しくなった。
前作では相手に近づいて強攻撃を押せば、投げを行うことができました。
本作では「投げ」は→←Bで行うことができるようですが、簡単には出せず、殆どが打撃中心の展開になってしまいます。
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「反撃」がなくなった
前作では背後の敵の攻撃を食らったときに攻撃ボタンを押すと、無敵状態になって周囲の敵に攻撃を加えられるのですが、それもなくなりました。
前作では初心者でも攻撃ボタン連打でそれなりに戦えたのですが、本作はそんなことをしてもすぐに敵の連続攻撃を食らってしまいます。
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カウンターが追加された
反撃がなくなったせいか、タイミングよく防御すると敵の動きを止めたり、飛び道具を跳ね返す「カウンター」
が追加されました。
敵を止めた後は攻撃のチャンスですが、硬直が解けた後に攻撃を食らわないように注意。
飛び道具を跳ね返すと撃った敵に向かって飛んでいき、ほとんどの場合ダメージを与えられます。
これだけでも勝てる敵も存在するほど、重要なアクションです。
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魔法の発動が変わった
前作では魔法はZボタンで発動しました。
本作ではRボタンでガードしている間にBボタンで発動します。
バリアを張って魔法を放出する様はまるで「エスプレイド」や「エスプガルーダ」みたいです。
また、魔法の選択も変わりました。
前作では一回押した後に選択して決定するか、対応するコマンドを入れて選択することができましたが、本作ではLボタンによって使用していない間でも選択するようになりました。
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ダッシュや二段ジャンプがなくなり、空中ダッシュが追加された
本作ではダッシュや二段ジャンプはできなくなり、変わりにジャンプ後に方向キー+Aボタンで空中ダッシュができるようになりました。
囲まれたときには良いのですが、ダッシュがなくなったのは辛いです。
●基本システム編
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怒りゲージとハイパー化が追加された
本作では、敵の攻撃を受けると「怒りゲージ」がたまり、ある程度たまると「ハイパーモード」
になることができます。
発動するとスピードアップ、ダメージを受けても止まらない、MP回復などの恩恵を受けることができます。
しかも発動時に一瞬無敵になり、周囲の敵を吹き飛ばすので緊急回避 にも使用できます。
なお 怒りゲージはダメージを受けたときにボタンを連打すると多くたまります。
本作では囲まれて逃げられなくなることも多いため、結構重要なテクニックになっています。
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MPの回復が変わった
前作では、敵に攻撃を当てるとMPを回復できたのですが、本作では時間の回復と、ハイパーモード時の回復に変わりました。
ですが 敵を攻撃しても回復しているように見えるのは気のせいでしょうか。
MPはガードでも使用するので、回復は重要になります。
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ガードにMPを消費するようになった
前作ではボタン一つで全方位の攻撃をガードできるようになりました。
本作でも同様ですが、MPを消費する ようになりました。
MPがないときはガードできないということです。
さらに本作は前作以上にガードが重要になるのでこれはいたい!!
また攻撃範囲の広く食らいやすい「地震攻撃」がガードできなくなったのも辛いところ。
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ホーミングジャンプが追加された
本作ではAボタンを二回押すとマーカーのある地点に飛び移れる「ホーミングジャンプ」
が追加されました。
とはいっても、足場の悪いところで攻撃して戻るといった使い方をする程度です。
無理してつけなくても良かったんじゃ、と思います。
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落ちるとダメージを受ける「ガケ」ができた
というわけで、ホーミングジャンプの活用場所といえばココ です。
画面下に落ちると、ダメージを受けて指定位置に戻されます。
よりアクションゲームを目指した証ともいえるでしょう。
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経験値がなくなった
前作では敵(物・遺体含む)への攻撃や魔法の使用により経験値が入り、レベルアップすることができました。
しかし本作では経験値というものはなく、レベルアップは敵を倒すと出てくるクリスタル(お金のようなもの)を集めて、ストーリーモードの各面の最後で行うようになりました。
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道中のレベルアップができなくなった
上の続きですが、当然ストーリーモードの道中や対戦モードの試合中ではレベルアップができなくなりました。
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HPを回復できる場面が減った
前作では、HPの回復はステージクリア以外にも、気絶中やレベルアップで行うことができました。
本作ではステージクリア以外は、特定の敵を倒すと出すハートをとることで回復します。
つまり回復できる場面がかなり限定され、回復地点を考慮に入れた戦い方が必要になります。
ニコレ嬢の魔法で回復できるのは相変わらずのようです。
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気絶しなくなった
前作は強力な攻撃を連続で食らうと無防備になりました(しかしHPも回復する)
いわゆる「気絶状態」ですが、本作ではこれがなくなりました。
この変化も格闘ゲームからアクションゲームへの変化のためでしょうか。
●ストーリーモード編
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ルート選択がなくなった
前作ではステージクリア前にルート選択があり、それに応じて進む面も変わりましたが、本作では一本道
になりました。
まあ容量を考えると仕方ないですね。
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アンデッドヒーローがいなくなった
前作ではステージ2から頼りになる仲間「アンデッドヒーロー」が登場しました。
Yボタンで指示を出し、自動で敵を攻撃したりしてくれました。
しかし本作は彼が消滅したところから始まるので、 すべて一人(除く二人同時プレイ)で戦っていくことになります。
前作ほど暴れることができなくなりました。
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カルマがなくなった
前作ではカルマという見えない値が存在し、それによってエンディングが少し変わるということがありましたが、本作ではなくなりました。
遠慮なく道にあるものを破壊してもかまいませんし、無抵抗な敵を攻撃してもかまいません(そもそも本作には、前作に出てきた一般市民は登場しません)。
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対戦モードでキャラが使えるようになる条件が変わった
前作ではストーリーモードで遭遇していれば、対戦モードで使えるようになりましたが、本作ではステージクリア後に「ラボラトリー」に研究費用としてクリスタルを投資する
ことにより、研究が進み、100%になると一キャラ使えるようになります。
つまりレベルばかり上げるとクリアが楽になっても対戦モードで使えるキャラは少ないままだし、逆に研究で使えるキャラばかり増やしてもレベルが低くて進めなくなる
ということです。
と言ってたらこんな注意事項もあるようです。気をつけましょう。
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紋章というアイテムが追加された
前作では主人公の一人「ハーン」が特定の面に行くと、伝説の剣を手に入れて基本能力がアップするということがありましたが、本作ではストーリー上で出てくる「紋章」
があり、取ると特定の能力がアップします。
これらはステージクリア後に確認することができ、 すべて揃えると…。
なお、このアイテムは対戦モードでも登場します。
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デビルモードが追加された
本作では、プレイヤーがやられると「物質を司る者」から不死身の体を手に入れるかどうかを選択できます。
誘いを断るとそのままゲームオーバーとなりますが、後者を選ぶと一定時間不死身のままでいつづけられる「デビルモード」
になります。
ですが、一定時間でゲームオーバーになり、レベルアップや投資はできず、この状態で進んだところはセーブされません。
あくまでも偵察やボスの動きの監察に使う程度 です。
(不死身なので暴れまくるといった遊び方もできますが)
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ゲームオーバー後のコンティニューが変わった
前作では、やられたときに「つづける」「面の最初から」「今日はここまで」が選択でき、その場で復活するか、経験値やレベルを維持してその面の最初からプレイするか、進行状況をセーブしてタイトルに戻るかが選択できました。
そして最後を選んだときやリセットしたときに、タイトル画面でコンティニューが選択でき、途中からはじめることができました。
本作では、やられたときは前項のデビルモードの誘いがあって、どっちにしろ ゲームオーバーとなってタイトル画面に戻ります。
タイトル画面から、そのステージの到達した場面からロードするか、そのステージの最初からロードするか
が選択できます。
しかし、到達した場面からロードすると、そのときのクリスタル、レベルはおろか、HPやMP、怒りゲージまで保存されています。
つまり、 その場で復活することができないため、コンティニューでごり押しといったことができません。
また、体力が少ない状態で前の場面をクリアするといくらコンティニューしても先に進めない
といったことも起こりえます。
一方、前作では回数制限がありましたが、本作ではなくなっているので根気よくやればクリアできます。
なお、自動セーブされるのは前作と同様です。
●対戦モード編
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時間制のポイントバトルがなくなった
前作では対戦時には最後まで生き残ったキャラ(チーム)が勝ちになるサバイバルモードのほかに、敵を攻撃したり倒すとポイントアップ、逆にやられると下がる時間制限制のポイント争奪モード
もありました。
しかし本作ではそのモードはなくなり、サバイバルモードのみ となりました。
初心者も楽しめる、やられても暇にならないこのモードがなくなったのは残念です。
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レベルの割り当てが手動でしか行えなくなった
本作でもハンデキャップをつける目的などでレベルの設定が行えますが、前作は手動、均等割り当て、ランダムの三種類あったのに、本作は手動のみになりました。
試合毎に設定しないといけないのはちょっと面倒そうですね。
なお、設定は全員一斉に一画面内で行われるようなので前作よりはスムーズです。
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アイテムを出すようになった
本作ではなんと対戦中にアイテムを出す ようになりました。
ピンク色のゴブリンを倒すとHP,MP,怒りゲージを回復または減少させるハートを出します。
特にHPはこれ以外に回復の手段がない(ニコレ嬢の魔法を除く)ので助かりますし、アイテムを争奪するという駆け引きも楽しめそう。
●その他
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ハードが変わった
これは言うまでもありません。
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対戦に人数分のハード、カートリッジが必要になった
これもハードの特性ですが、対戦には人数分のGBA(GCのゲームボーイプレイヤー含む)とカートリッジが必要になります。
多人数プレイがウリの本作なんですから、「メイドインワリオ」みたいに一つで多人数プレイできたほうがよかったのではないでしょうか?
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キャラクターデザインのタッチがちょっと変わった
前作と同様、キャラクターデザインは本作のディレクターでもある「はん」氏(最近「謎のゲーム魔境4」で、「エドワードランディ」の紹介でなぜか製作元のデータイーストに関してのコメントを載せられていましたが)
ですが、ちょっとタッチが変わりました。
丸っこい顔は変わりませんが、体(特に関節)の描き方が変わり、良くある普通の描写になりました。
他には、大きく口を開けた描写が変わった感じです。
また色使いも変わり、くすんだ感じの色使いになり陰影がはっきりつけられるようになりました。
良く言えば子供向けを狙った良いデザインだと思われますが、悪く言えば独特の「味」が薄くなったような…。
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サウンドが変わった
前作では現在はフリーとなった「Nazo2鈴木」氏が音楽を担当していました。
前作の曲はCD-DAで再生され、お得意のギターやエレクトーンの音色が特徴で、それでいてクラシック調の曲もしっかり作られています。
ですが、本作では現在もいろんなトレジャーのゲームで音楽を担当している「NON」氏が担当しています。
本作の曲は、前作の曲をGBAチックな音色に変えたものが少しで、後はオリジナルの曲というもの。
コナミの「ホットチェイス」みたいな汚れた感じの音色が特徴で、ノリを重視した曲が多い
気がします。
まあ、音源の違いもあることでしょう。
まあ、これだけの違いがあります。
逆に、以下のような共通点もあります。
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必殺技のコマンドが比較的簡単
格闘ゲームから見れば簡単ですが、格闘アクションゲームから見れば複雑なほうです。
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防御がある
防御がある格闘アクションは珍しいのではないでしょうか。
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魔法があり、複数から選択できる
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攻撃の相殺がある
攻撃同士が重なると相殺しあいます。
本作ではさらにパワーアップし、魔法の火の玉をパンチで消すなんてこともできます。
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MPが少ない状態で魔法を撃つと疲れて無防備状態になる
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レベルシステム
能力値を1レベルにつき1ポイント振り分けるシステムは変わりません。
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クリアした面のはじめからスタートできるコンティニューシステム
前作ではやられたとき、本作ではタイトル画面で選択できます。
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使えるキャラクターが増えていく対戦モード
増やし方は違えど、だんだん増えていく点は同じです。
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対戦モードで使用するキャラクターがランダムで選択できる
これも変わっていません。
前作では僕もよくこれで遊んでいましたが、本作ではポイントマッチがなくなったのであまり使いたいとは思いません。
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対戦モードでチーム分けできる
弱いキャラでも強いキャラと組めば勝機はあります。
前作ではチームもランダムで決められましたが、本作ではどうだか分かりません。
ランダムでチームを組むことは、接客でプレイするときや友達を作るときに最適で、僕もよくこれで遊んでいました。
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対戦モードで色を変更できる
前作ではキャラの決定ボタンで色が決まりましたが、本作では普通に設定で変更できます。
「スーパーサイヤギンジ」とか「はぐれローパー」とか「素足セレナ」とか「レッドアリーマー」は健在でしょうか?
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対戦モードでレベルを設定できる
レベルによるハンデ付けは本作も健在です。
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ディレクターが同じ
とまあ、細かいところも拾ってその違いを列挙してみました。
本作をはじめてプレイする人は大して違いないと見るかもしれませんが、前作を知っている人には大きな違いです。
ぶっちゃけて言えば、前作は「操作が簡単で(よい意味で)大雑把で豪快な『餓狼伝説』」、本作は「戦略や緻密な駆け引きが要求される『ファイナルファイト』」といえるでしょう。
別のゲームにしてしまっても良かったのではないでしょうか。
2.なぜGBAで出したのか?
まず、このゲームははっきり言って携帯ゲーム機向けではありません。
携帯ゲーム機が家庭用ゲーム機と比べた利点には、大きなものでは以下のようなものがあげられます。
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携帯性
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通信対戦機能(画面を別にして対戦できる)
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プレイヤーによって異なるデータで対戦できる
まず、携帯性の利点を生かすには、ソフト側の対応も必要になります。
「手軽さ」や「いつでも中断できる」ということが要件になります。
本作でも自動セーブされるため、ある程度はいつでも中断できますが、そうとといっても大まかな区切りでのセーブです。
いつでもどこでもセーブできるわけではない ので、通学・通勤途中のちょっとした時間で進めることは難しいでしょう。
さらにボス敵を倒すには、魔法やコンティニューの力押しとかではダメで、敵の攻撃パターンや避け方、ダメージの与え方を見極めるといった、ちょっとした「やりこみ」が必要になり、時間を使うのも理由の一つです。
というわけで、残念ながら携帯性の利点はそれほど活かされてはいません。
次の二つは多人数プレイでの利点です。
本作のウリの一つとして「多人数プレイ」もありますが、果たして携帯ゲーム機の利点は活用されているでしょうか?
以下は、実際に環境(機材・相手)がないため対戦をプレイしておらず、あくまで説明書などの画面写真を元に考察・作成していますので、ご了承ください。
通信対戦機能は、マージャンゲームのように相手に手の内を見られたくないゲームや、一人称視点の対戦ゲーム、広大なマップを手分けして協力して進むゲームに向いています。
本作では、プレイ画面(表示されている範囲)がプレイヤーに応じて異なるのかはプレイしていないので分かりませんが、ライフゲージやMP、怒りゲージが相手に見えなくなっています。
しかし、ライフゲージはダメージを与えたときに表示されていますし、他のゲージが見えないことによって駆け引きが生じるかというとそんなことはないように思えます。
(強いて言えば「無防備覚悟でMPの少ない状態から大魔法」という駆け引きもありますが)
ということで、残念ながら通信対戦にする理由はあまりないと思われます。
せめて開始前のキャラクター選択やレベル配分をプレイヤー毎に画面を別にしたほうが駆け引きを楽しむことができるんじゃないでしょうか。
プレイヤーによって異なるデータで対戦できるという利点は、各自の成長させたキャラクターを戦わせるゲームや、コレクションを交換し合うゲームに向いています。
最近では、プレイステーションのメモリーカードやドリームキャストのビジュアルメモリのように家庭用ゲーム機でもかなり実現されてきています。
本作では記録されるものは二つあります。
一つはストーリーモードの進行状況とレベル、HP,MP,怒りゲージ、クリスタル数 。
もう一つはストーリーモードなどで投資した研究成果(=対戦モードで使えるキャラクター)です。
まず前者はストーリーモード中でしか使えない情報です(対戦モードではレベルやレベル配分を開始前に設定できるので、ストーリーモードで成長させたキャラ同士を対戦モードで戦わせることはできなそうです)。
ストーリーモードは二人で協力プレイができるようですが、多分成長させたキャラで途中参加とかはできなさそうです。
(前作では途中参加・途中退出はできませんでした。いかんせんストーリーモードの二人プレイについては説明書にはあまり書いてないので・・・。)
後者のデータは、両方で有効ですが、どうも常に1プレイヤー側のデータが使われそうです。
っていうか、使えるキャラが多いだけの違いではあまりうれしくないし、ランダムなキャラ選択だと却ってキャラが少ないほうが有利になり得ますからね。
ということで、プレイヤーによって異なるデータを使用する、ということも残念ながらあまり活用されていないように思われます。
対戦成果によって研究成果が進展するとか、ストーリーモードで鍛えたキャラを対戦させるとか、キャラを交換するとかいろいろできたのではないか、と思われます。
以上より、あまりGBAの利点を活用しておらず、残念ながらGBAで出す意味がないと感じられます。
特に、本作のウリの一つである多人数プレイの敷居が(コストの観点から)高くなってしまったことは、却ってGBAで出したことによってかなりのマイナスとなってしまっています。
前作はコントローラーさえあれば気軽に友達の家で遊ぶことができたのですが、本作は遊ぶ人それぞれにGBA本体とソフトを買ってもらわないと遊べません。
(個人的にはGCかPS2で出してほしかったのですが)
もしかすると、GBAで出す理由の一つとして「低年齢向け」を狙ったのかも。
といっても、それもどうかと思われます。
一見子供向けなパッケージグラフィックですが、ストーリーが暗くやや難解で、メッセージに漢字もよく使用されています。
また、知名度もそれほどではなく、小中学生はポケモンやロックマンエグゼを買ってプレイしている最中だった(=出すタイミングが悪かった)
のではないでしょうか。
実際にこのゲームを買った人は小中学生よりもむしろトレジャーファンとか前作のファンが多いと思われます。
では、なぜこのゲームをGBAで出したか。
それは「低コストで製作」が一番の理由なのでは思われます。
プレイステーション2やゲームキューブで作るとその分グラフィックや音楽をグレードアップして、ムービーとかを入れないと売れないし、開発費もかかってしまう。
いまどきDCで生産しても売れそうにないし、ということで、GBAが選ばれたのでしょう。
GBAなら売れそうだし、それなりのハードスペックだし、画面も小さいしROMカートリッジだから容量も少なくて済む(時にはそれも問題になるのだが)し、すでに一つ開発実績(セガの「鉄腕アトム」)もあるので開発も比較的楽に行えそうだし・・・。
と、実現したいものを一番手軽に実現できるからなのではないでしょうか。
前作に登場するキャラクターのグラフィックやボイスを結構流用しているところからも伺えます。
(もしかするとこのために続編にしたのかな??)
3.まとめ:トレジャーらしくなったが、前作ほど豪快さ・爽快感はなくなった
いろいろと厳しいことばかり書いてきましたが、純粋なトレジャーファンにはオススメできます。
前作と比べると、アクションが追加されて自由度が増え、バランスも良くなりました。
しかし一方で「操作が複雑」「ガードでやり過ごすことができない」「攻撃ボタン連打だけでは進めない」といった、初心者には辛い仕様変更となっています。
また、「道中のパワーアップ(HP、経験値)が困難」「ボスが大型で強力」の理由からも、本作はよりパターンの発見などの「やりこみ」を要求しており、「トレジャーらしい」ゲームに仕上がっております。
ただ、前作のファンだった僕としては、爽快感や豪快さは薄れてしまい、ちょっと残念でした。
「暴れる」ことが難しくなったのです。
ボタン連打!! 必殺技連発!! 魔法乱射!! 暴れまくれ!!
そんなゲームではなくなってしまったのです。
前作においてトレジャーのファンの反応は「トレジャーのゲームにしては雑」「奥が浅い」と、「爆裂無敵バンガイオー」並に言われていました。
きっと本作は「ガンスターヒーローズ」「ダイナマイトヘッディー」「シルエットミラージュ」などの「攻略しがいのある」ゲームの好きなトレジャーファンには良いものとなったでしょう。
もしかすると「ガーディアンヒーローズ」の前身「幽々白書 魔界統一戦」はこんな感じのゲームだったのかもしれませんね(やったことはなありませんが)。
しかし、前作のような「豪快さ」「爽快感」を求めるファンにとっては、「別のゲームにして出したほうが良かったのでは」と思われるほど、よい意味での「大味さ」がなくなって残念に思うのではないでしょうか。
4.余談
トレジャーといえばいろんな既存ゲームへのオマージュ。
前作では、主人公「ランディ」のお供が「エドワード」で「エドワード
ランディ」とかかなりの他社ゲームへのオマージュが見受けられましたが、本作ではどんなネタがあるのか、考えてみることにしました。
まずは本作のディレクターがきっと好きだと思われる「エドワードランディ」ネタ。
(謎のゲーム魔境4で実証済み)
前作の主人公の一人「ランディ」は、とうとう「エドワード」と一体化したのか、本作では「エドワード・G・ランディ」と改名しています。
実は全部の魂を集めると「ADVANCEGH」のスペルが完成するという(ネタバレ、でも最後までプレイした方は気づいてくださいね)ネタのために改名したとも考えられるのですが、本当に「エドワード
ランディ」ですね。
次に、川に母艦が緊急着水したときに、画面奥に向かって進んでいく母艦の甲板の上で、画面奥から迫ってくる敵を倒して進むのは「エドワードランディ」の3面や5面に見えるのですがどうでしょう。
あと、空飛ぶ母艦が攻撃を食らって水中に緊急着水するのは「ウルフファング」ネタでしょうか。
デコゲーばかりなので、たまには他社ネタを。
最後の面でほぼ無抵抗で一撃で倒せる敵が大量に登場しますが、あれは「ガンフロンティア」の最終面かな?
(ちょっとネタバレあり)最後に地球への攻撃を、まるでテニスのラリーのように跳ね返しつづけるシーン がありますが、これの元ネタってもしかして「罪と罰」
?
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