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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #122
魔界八犬伝SHADA(PCエンジン)

購入金額:480円

ゲーム内容

ぶっちゃけて言えば、和風イース(の出来損ない)
戦闘は敵キャラに体当たりする、アクション要素を含んだRPG。

タイトルどおり「南総里見八犬伝」を(一応)ベースにしており、八つの玉などは登場するが、全てのキャラクターは里見八犬伝の登場人物の生まれ変わりなどオリジナルなストーリーとなっている。
八剣士の生まれ変わりである主人公の「しん」は、封印の解かれた悪の化身「玉梓(たまずさ)」を再び封印するために、他の八剣士の生まれ変わりと協力しながら戦っていく。

H.Kuwanoの考察

1.電源を入れると、裸の女性が画面に映し出された(小説版ヴィ○ガスト風に)

電源ON!!
なにやら金属っぽいDATAEASTのロゴ。

そのあと、何と裸の女性が出てきました。
白黒ではありますが、何も着ていないようです。
幸い大事なトコは見えませんが、それにしても子供の頃にこのゲームを買った人は、親に白い目で見られたり、友達から「エロー」とか言われてバカにされたんじゃないでしょうか?

しかし、タイトル文字が出ると消えてしまいました。
なんだあの女は!!

しかもゲームを進めていくうちに、あの裸の女性は本作と殆ど関係が無いことが分かります。
いや、完全に無いわけではなさそうですが、出番が殆どないので記憶に残らない、というのが本当のところでしょうか

 

2.不親切なマニュアル

まず最初に買った人は、このゲームはどうやって敵を攻撃するのか分からなかったことでしょう。
僕は事前に「和風イース」と聞いていたので、体当たりで敵を攻撃することは分かっていましたが、知らなかったら、必死で敵の前でAボタンやBボタンを連打して、何も起こらないままゲームオーバーということにもなるでしょう。

実は一応操作方法の説明で、「十字キーでその方向の敵に体当たり」とあります。
(バカ正直な人は、「剣を持っているのにどうして体当たりで攻撃するんだ?」 という疑問を持つことでしょう。
 せめて、「その方向の敵に攻撃します」と書けば誤解もなかったでしょうに。)

ちなみに、「イース」で有名な半キャラずらし」テクもそのまま使えますが、次章にあるとおり注意が必要です。

 

また、説明書には体力の回復の仕方が書いてありません。
思わず宿屋を探してしまった
り、「しずの」さんに回復してもらいにもどったり、無理して薬草を買ったりした人も多いと思われます。
僕もすっかり「イース」を忘れていたので、すっかりじっとして体力回復 というのを忘れてしまいました。
そう、動かずにじっとしていると、体力が回復するのです。

 

3.ひどいプログラム

それもそうですが、このゲームプログラムがあんまりです。

まず、敵や街の人に体当たりで攻撃または話しかけるのですが、なんとキャラクターをすり抜けてしまいます。
「イース」では跳ね飛ばされて、一方向を押し続けて敵を倒すような感じがあったのですが、本作ではまるで「ドルアーガの塔」のように何度も交差することとなります。
さらに街の人とは、まずまともに話しかけることができません。
根気よく交差しないと、全然メッセージを読むことができません。

さらに、ダメージの喰らい方がハンパじゃありません。
敵と正面から交差すると、跳ね飛ばされないので、重なっている間は連続してダメージを食らい続けます。
しかも敵に正面からぶつかられると、こっちの攻撃は殆どできません。
これを1〜3回やっただけでゲームオーバーになってしまうのは何とか成らなかったんでしょうか。

細かいところでは、「道具の選択で4文字目の濁点が消えずに残る」「キャラの一部が隠れている状態で画面を切り替えると表示が隠れたまま次の場面に行く」「体力ゲージの表示がおかしくなる」といったところがあり、特に体力ゲージの表示がおかしいのは目立ちます。

 

4.一番ひどいのはシナリオ

いや、一番ひどいのはやっぱりシナリオでしょう。

まず、このゲームはタイトルにもあるとおり「南総里見八犬伝」をベースにした作品ということですが、主人公達は「八剣士の生まれ変わり」という設定で、「玉梓(悪)の封印が解けたので、他の八剣士の生まれ変わりと協力して封印を元に戻す」という内容なのです。

コレだけ聞けばまだいいです。
しかし、その八剣士(自分を除く)の出番がほとんどありません。

  1. 敵の攻撃で瀕死になった主人公を助けてくれる。
    また最後付近のダンジョンで主人公にアイテムをくれる。
  2. 名剣を取り戻すと仲間になるが、扉を開くのに協力するだけ
  3. 扉の前にいて、扉を開くのに協力するだけ
    しかも八剣士の持っている宝玉(シャダ)を持っていない。
  4. 扉のある街にいて、扉を開くのに協力するだけ
    彼も八剣士の持っている宝玉(シャダ)を持っていない。
  5. 忍者の屋敷に幽閉されており、助けると仲間になるが、扉を開くのに協力するだけ
  6. 谷間の洞窟に捕えられているが、助けた後近くの狂った村を正気に戻して消える。
  7. 城で敵に操られて攻撃してくるが、倒すと正気になって消える。

半分が「扉」というふるいにかけられてしまいます。
一応最後の最後には全員登場し、追っ手を食い止めてくれます。
(しかも3.4.の宝玉(シャダ)はここで手に入る)
正直印象は薄いです。

 

つまり、ストーリーが短いのです。

そのストーリーの短さを補うためか、謎解きが凶悪です。

まずはまるのが、「迷いの森」になっている「ふさの村」への行き方です。
行けども行けども同じ地形。
村では「立て札にしたがっていけば迷わない」とは言うものの、「ここはむらからはなれたいちばんとおいところ」という意味の分からない内容。
結局僕も良く分からないまま先に進むことができましたが、どうやらしばらく待つか下を押すと良いみたいで、突然ワープ しました。
これがかなり序盤(開始後30分ぐらい)の方にでてくるのですから、たちが悪いですね。

つぎにはまるのが、大きなカエルの倒し方。
体当たりしても殆どダメージを与えられずに死亡。
この場面では術も使えないし・・・。
実は、炎を吐くときなど口をあけた瞬間に中に入って、体内にいる無抵抗の謎の人物に火炎の術で攻撃すると倒せるのです。
僕も口の中に入るのは分かっていましたが、その攻撃の仕方は知りませんでした。
そもそもボス戦中はセーブやアイテムを使用することができませんでしたし、 ボス戦中に術が使えることすら知りませんでした。
(さらにこの場面では術を使っても命が減りません

他にも、「宝箱には2つアイテムがあり、二回調べないと全て手に入らない」「村の出口が二つあり、それぞれで出る場所が変わる」「最初に行ったときは何もないが、後で行くと中身を取れる宝箱」「体力を回復しようと止まっていると湧き出る敵キャラ」などといったちょっとした意地悪もあり、注意が必要です。

 

5.短命なヒロイン(?)に涙

シナリオの短さは、ヒロインの寿命を大きく損ないました。

 

二番目の村を訪れると、大変協力的な女性に出会います。
しかし彼女は、この村の東にある最初のダンジョンをクリアすると魔物に殺されてしまいます。
だいたいプレイ時間にして生存期間は1時間、実質会っている時間は2分ぐらいです。

(ネタバレ注意)一応最後には肉体のない存在として主人公を救ってくれます。

ここまで短いと、ヒロインといっていいのかわかりません。
しかし、ストーリー自体が短いし、一番ヒロインらしいので、まあ、そう呼んでもいいでしょう。
タイトル画面の裸の女性は、彼女かもしれませんね。

 

僕はあまりにもあんまりな彼女の扱いに、一種の不憫さを感じてしまいました。
これは「10101」のボボロワ以来です。

「10101」では、本当の人類最初の宇宙飛行士「ボボロワ」に合うのですが、彼の体内には敵異星人が埋め込んだ強力な爆弾があり、異性人に人質を条件にそれを爆破すると脅され、彼が代わりに人質になって爆死するのです。
KGRさんに「本当に感動している」と思われてしまいましたが、あれはボボロワの短命さと、あんな女(声がE島I)のために命をなげうったこと、さらにはボボロワの連呼が待っていることに不憫を感じただけです。
「さようなら、さようなら〜」 という言葉が本当に悲しくなってしまいました。

 

6.南総里見八犬伝にますます興味が出てきた

館山の旅行でも伝えたとおり、僕は南総里見八犬伝を知りません。
ただ本作は、僕がこれまでプレイしてきた八犬伝モノで一番南総里見八犬伝に近いゲームです。
(といっても比較対象は「里見の謎」「アイドル八犬伝」ぐらい ですが)
本当のところはどうなのか。
また南総に探しに行きたくなってしまいました。

といっているうちに、インターネットでちょっとだけ情報を見つけました。

(ネタバレ)…たしかに、あの女性が伏姫の生まれ変わりだったら、死ぬ運命だったんでしょうね。

 

攻略情報

謎解きQ&A

(当然ですがネタバレに注意してください)

Q1:ザコ敵ともまともに戦えないのですが
A1:このゲームは和風イース(のできそこない)なので、真っ向ではなく半分キャラをずらして体当たりし、何度もその状態で交差しましょう。

Q2:体力を回復できないのですが
A2:このゲームは和風イース(のできそこない)なので、動かないでいると体力が回復します

Q3:迷いの森から抜けられないのですが
A3:しばらくじっとしていて、下を押してみましょう。

Q4:にじのとうにいけないのですが。
A4:ふさのむらには出口が二箇所あります。
    右側の出口から出るといけるようになります。

Q5:双頭の狼が倒せません。
A5:ある程度レベルを上げてから、狼の頭の位置で左右に動いていれば、攻撃が当たって倒せると思います。

Q6:谷の村へいけません。
A6:立て札のヒントにあるとおり、入り口の上に火が灯っていない洞穴に入ってワープを繰り返せば、たどり着けると思います。

Q7:ボスの九尾の狐が倒せません。
A7:ある程度レベルを上げて、画面上部でひたすら体当たりすれば倒せると思います。

Q8:ボスの巨大カエルが倒せません。
A8:あらかじめ火炎の術を装備しておき、口をあけた瞬間に口の中へ飛び込みます。
    中に謎の人物がいるので、火炎の術を使うと倒せます。

Q9:城へ進めません。
A9:巨大カエルを倒したときの宝箱をもう一度調べてみましょう。
    城へのカギが見つかります。

Q10:巨大ムカデが倒せません。
A10:回転している間に中心に現れる人物に体当たりすれば倒せます。
    中に入るには円の左よりちょっと下のあたりで待機するのが良いでしょう。
    体当たりはある程度我慢しましょう。

Q11:最後のボスが倒せません。
A11:炎に当たらないように画面上部で待機し、左右から体当たりします。
      おそらく最強の防具でないと先にこちらの命が尽きてしまうので、次の情報を参考に最強の防具を取ってください。

Q12:最強の防具はどこにあるのですか?
A12:最強の防具は「ひかりのかぶと」と「まとうぎ」の組み合わせです。
      「まとうぎ」は、まず谷の村を開放した後、ボスのいた洞窟の宝箱を調べ、「いぬぶえ」を取ります。
      そして谷の村にいる老人に話しかけると手に入ります。
     「ひかりのかぶと」は、死の洞窟のある部屋にあります。
     まずは岩で川をせきとめ、道中で入手した「おおふで」を装備してせきとめた先にある宝箱を調べると手に入ります。

Q13:けっかいの使い道を教えてください。
A13:死の洞窟で体力が回復できるようになります。

関連情報

イースI・II…パソコンで人気を博した日本ファルコムのRPG。
                    良くも悪くもパソコンRPGに多大な影響を与えたゲームだが、これは「イース」のIとIIをPCエンジンに移植したもの。
                    CD-ROM2の容量を活かしたアニメーションによるデモが人気を博した。
                    良くも悪くもPCエンジンを位置づけた といっても過言ではない。
里見の謎…サンテックが放った、プレイステーションで一番…なゲームとしても名高いオススメRPG(ウソ)。
                なお里見八犬伝とは殆ど関係ない。
10101…「里見の謎」のサンテックが放ったオススメSFRPG(ウソ)。
              ヒロインの声をE島Iが担当している。
             ストーリーとあまり関係の無い、突発的なイベントがプレイヤーを悩ませる。
アイドル八犬伝…頭の悪そうな主人公が一部で大人気 のアドベンチャーゲーム。
                             " 開発は「東方見文録」のナツメなので、キケンなネタが期待できる。
                             このゲームも里見八犬伝とは何の関係もない。


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