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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 194
プロジェクトシルフィード (XBOX360)

購入金額: 2580円 (箱説付)

ゲーム内容

PC88やメガCDで人気を博したゲームアーツのゲーム「シルフィード」が復活。
今回はゲームシステムが3Dタクティカルシューティングゲームに代わり、別のゲームといっても良くなっている。
ガンダムチックなストーリーを追いながら、全16ステージを任務に従いながら戦っていく。
巨大な艦隊戦、多くの戦闘機が敵味方入り混じってドッグファイトを繰り広げる様、ミサイルの爽快感やガンやキャノンによる狙い撃ちが本作の見所。
他にもアフターバーナーやパワーカット、180度転換などのマニューバもでき、さらにはモーションスローになるなどの必殺技も備わっているところがゲームチックでもある。
開発はセタ・ゲームアーツで、発売はスクウェアエニックス。

H.Kuwanoの考察

1.シルフィードというよりも、ガングリフォン

このゲームはシルフィードの続編とあり、パッケージの裏側にもそのように書いているのですが、ゲームシステムが変わってあまりそんな感じがしません。
操作方法だってこれまでのバードビュー2Dシューティングから一転して、後方視点の3Dシューティングゲーム となっています。
ゲームシステムも、これまでの強制スクロール+ステージ最後のボスを倒せばクリアというシューティングゲームのルールではなく、限られたエリア内でのミッション達成というゲームシステムになっています。

これって、同社のゲームで言う「ガングリフォン」なんじゃないでしょうか。
舞台を地球上の戦闘区域から宇宙空間にして、自機を歩行戦車から宇宙戦闘機に変えて…。
プレイヤーの所属部隊名も「ホワイトグリフォン隊」だし…。

ということで、原作(特に初代PC88)のファンは、間違ってもこれまでの作品を期待して買ってはいけません。
(原作ファンは買うな、という意味ではないので誤解のないように)
逆に言えば、ガングリフォンシリーズのファン(設定マニアは除く)にとってはオススメです。

 

2.ストーリーが「…くさい」ゲーム

本作をはじめてみると、最初はなんとなく「ガンダム」の影響を受けまくったような気がします。
地球と宇宙移民との対立、1年戦争という言葉、コロニー落としなど、これってガンダムのストーリー、 って僕でも思いました。
以下にガンダムと対比できるものについて列挙します。

デルタセイバー=ガンダム(最新鋭兵器)
カタナ=アムロ
マーグラス=シャア
アクロポリス=ホワイトベース
クライトン=ブライト艦長

しかし、ガンダムにはなかった幼馴染との恋や、先輩パイロットとの絆など、オリジナルな部分もあります(これも他のロボットアニメを真似たような気もしますが)

あと個人的ですが、通信役のナタリーはなぜか「10101」のミルカを思い出してしまいました。
(他にも通信役にロンっていうやつもいるのですが…)


 

3.本当に360で出す必要があったの?

本作は舞台が宇宙空間で、巨大艦隊や多数の敵部隊との戦闘がウリです。
しかし舞台が宇宙空間なので、あまりXBOX360のグラフィック性能を活かしきれていないような感じがします。
(そう言えば、昔Nさんが「宇宙空間は(背景がシンプルで済むため)手抜き」なんて言ってたのを思い出しました。)
XBOXのガングリフォンだって結構グラフィックはいけていたので、本作もXBOXの性能で十分のような感じがします。

それに、本作は通信プレイやネットワーク機能はおろか、複数人の同時プレイにも対応していません。

でも、丁度XBOX360への過渡期で、いまさらXBOXという感じがあったんでしょうか。
もしくはPS2で出してしまうとか(オイ)。

 

4.初心者には辛い操作系

本作の操作方法は複雑で、かなり慣れが必要です。
初期状態のアドバンスは、L1で加速、R1で減速です。

さらに、左右では基本的にそちらに曲がるのではなく、機体が回転(ロール)するだけです。
少しだけスティックを倒せば、そのまま曲がる(ヨー)のですが、舵角が緩く、操作も難しいのであまり使えません。
殆どの場合、曲がるには、機体を回転させた後に上下 で機首を上げ下げして旋回する必要があります。
思わず「スターファイター3000」を思い出しました。

もっとも厳しいのは、レーダー画面を十字キーの下で表示したりといった、十字キーの操作です。
これは十字キーの方向とは何の関連性もないので、覚えにくく間違えやすいです。
しかもリアルタイムで操作しないといけないので、僚機に支持を出すのを手間取って戦艦に激突したりとか、結構厳しいです。


 

5.SF好きや宇宙好きには面白いかも

とまあいろいろ書いてしまいましたが、個人的には「ガングリフォン」(XBOX版は本作並みに操作が難しい)よりも楽しめました。
KGRさんにも「このゲームをもうちょっとやってみたいと思った」と好感触でした。
命令を無視して敵艦を叩きにいくといった、自由度が高いと感じたからでしょうか。
それともだんだん操作に慣れてきてヒーロー感が出てきたからでしょうか。

個人的にはSFチックな考証もきちんとしていることに感心しました。
何故かシールドを消費して発動する必殺技は論外として、きちんと武器にはビーム系と実弾系があって、実弾系はシールドで防げないこと、宇宙空間で静止できないこと、戦艦にはシールドジェネレータがあって破壊するとシールドが消滅すること、急旋回すると惑星が楕円形に見えること(これって意図的にやってるんですよね?)ジャンプアウト(=ワープ)の演出などがそう思ったところです。

そうでなくても、艦隊戦とか敵めがけて飛んでいく多数のミサイルとか、ビジュアル的にも面白いものがあります。
見ているだけでも楽しめるかもしれません。

 

関連情報

シルフィード(メガCD)

本作の前々作で、シリーズとしては第二作にあたる。
ゲームシステムは初代同様の擬似3D縦スクロール(?)シューティングゲーム。
当事のハードウェアスペックで、ポリゴン表示による臨場感あふれるスクロールはすごかった。

シルフィード・ザ・ロストプラネット

本作の前作で、前2作を踏襲した擬似3D縦スクロール(?)シューティングゲームになっている。
PS2だからか、表現力が豊かになった反面、あまり特徴のないシューティングゲームとなった感がある。

ガングリフォン〜AlliedStrike

任務遂行型のロボット3Dシューティングゲーム「ガングリフォン」のシリーズ最新作。
このXBOX版が、特に本作に影響を与えていると思われる。


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