メガCDで発売された、ポリゴンを駆使したシューティングゲーム。
ムービーのような流れる映像の中を、擬似3Dの空間で飛び回る。
シルフィードは、もとはPC-88というパソコンで発売されたバードビュータイプのシールド制シューティングゲームで、得点によって使用できる武器が増えたり、同じ武器を次の面で使い続けることができないといった特徴があります。当時はワイヤーフレームで表現されておりました。 このメガCD版では、ポリゴンやポリゴン風キャラクターに変わり、さらにはフラクタル理論などのテクノロジーを駆使したリアルな背景になっています。当時も、マイコンBASICマガジンやBEEPメガドライブをはじめとするゲーム雑誌で大々的に紹介され、 見たことのある人もいるのではないでしょうか。
そして、2001年、シルフィードはプレイステーション2でよみがえりました。
トレジャーが開発し、カプコンが販売 しています。
このゲームにはしっかりと「ライドオンムービー・シューティング」とあり、3Dシューティングでないということを特徴づけています。
一時期、このゲームのグラフィックはポリゴン描画ではなく、ムービーではないかという説もありました。
キャラクターはポリゴンではなくスプライトで描かれていることはなんとなく知っていましたが、まさかそんなことが・・・。
確かに、「ゆみみみっくす」でも、全編アニメーションしていたりしますので、グラフィックの描画に関する技術力は十分にあり、
さらに色数も多くないため、ムービー(のようなもの) で表現できなくもないでしょう。
また、ゲーム中は常にCDが回転していて、ますますその可能性が強くなっています。
(ヤバくなったらワザと衝撃を与えて、リードエラー(1クレジットサービス)にしたりしていました)
でも、これだけの画像を、非力なメガCDで、ムービーで表現できるのもすごい技術力だと思います。
それに、技術力はゲームの本質ではありません。
内部でどんな処理をしていても、表面上同じだったらどっちでもいいじゃないですか。
このゲームは雑誌やユーザーのレビューでよく、「音楽が弱い」と評されます。
メロディはそうでもないのですが、内蔵音源で鳴っているので、楽器の音や数が貧弱なのです。
これを補完するために、「シルフィード オフィシャルサウンド
」というゲームミュージックの音楽CDがあります。
音色をグレードアップし、アレンジを加えたバージョンとなっており、実際の音楽が、どれだけ派手で、ハイテンションだったかが分かるでしょう。
ライナーノーツにも、「本当はCD-DAで音を鳴らす予定だったが、パワーが足りないので内蔵音源となった」とあります。
ちなみに、このゲームの音楽を作曲したのは「メカノ アソシエイツ 」という音楽集団です。
僕が知っているのは、同社作品の「アリシア ドラグーン」「ゆみみみっくす」「ぎゅわんぶらぁ自己中心派」 の音楽を手がけていました。
今頃はいったいどうしているんでしょう。
なぜか「ルナ」シリーズは、「グランディア」シリーズの音楽を手がけた岩垂徳行氏なんですけどね。
さて、ゲーム内容の方はというと、ちょっと・・・。
左右の武器を使い分けるとか、選択したサブウェポンは次の面は使えなくなるとか、それなりに面白い部分もありますが、結構覚えが必要だったり、各面のボスがあまり強くない割にはラスボスは制限時間内に倒せないとゲームオーバー必須(しかも場合によってはクリア不能)
というのがちょっとね。
なので、シューターにおすすめできるゲームではありませんが(せっかくスコアで武器が増えるゲームなのですが)、ビジュアルは必見、ポリゴンジャンキー(ポリゴンが好きな人)やメガドライバー(メガドライブのファン)は必携、といったところでしょうか。
プレイステーション2で復活したシルフィードでは、ゲーム性が改良されているかが楽しみです(あのトレジャーが製作しているんですから)。
既にソフトは手元にあるので、機会があればレビューしたいと思います。