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事典その3





「17年目」の野里の家では犬を2匹飼っています。一匹は白、もう一匹は黒。
家を出てひとり暮らししている浩ちゃんの顔見たさに、犬の散歩にかこつけて会いに行く野里。
しかし、兄の浩ちゃんには好きな人がいたのです。それは、昔飼っていた犬のポンタを一緒にお墓にうめたあの人…

「となりの住人」の慶子の向かいに住んでいるのは、近所でも有名な変人。彼が飼っているのはなかなか器用な犬で、ご主人さまと一緒になって慶子をからかいます。さらにこの犬、箸を使ってゴハンを食べている。

「チャイ夢」では、黙って下宿を出た桃子と追いかけてきた昇が公園で話し合おうとしていると、散歩中の犬が木にオシッコをかけていきます。
平謝りする飼主に対して「お気づかいなく」と素っ気ない昇。平手打ちの応酬のあと桃子は走り去ります。このあと「ワン!」と吠えているのは昇でしょうか。

「えんじぇる」のスウ夫妻が友人から預かったのは、タモリという名前の犬。
目のまわりがサングラス状に黒くて、たしかにタモリに似ています。

「森子物語」の森子は、大好きな東山くんのあとをつけている最中、ショッキングなシーンを目にしてしまいます。なんと彼は、自分にまとわりついてくるノラ犬を思い切り蹴飛ばしたのです。
傷ついた犬を抱きあげて茫然とする森子。
それでも後日、お母さんのお店にヤケ酒を飲みに来た森子は「東山くんも ふつうの人間なのよね…」とつぶやくと、彼の出てくる夢をみて眠るのでした。

東山くんが蹴飛ばした犬は森子の家で飼われることになりました。名前はポチ。(花子はアフロディーテ、お母さんはコロ、草太は太郎などとそれぞれ呼んでいる)
しかし、たまたま通りかかった美しい洋館で、バイト中の東山くんがプードルを撫でているのを見かけた森子は、ポチとその犬を交換してきてしまいます。
怒ったお母さんがすぐに走って取り戻しに行きますが…
あの日犬を蹴った東山くん、洋館のお嬢さまが抱いている犬を優しく撫でる東山くん…洗い物をしながら物思いにふける森子がふりかえると、庭先にはうちのポチが無邪気な顔で座ってる。

「街も星もきみも」のカムが森で出会ったのは、お腹をすかせたノラ犬。しかしパンをやろうとすると逃げていってしまう。
そして、代わりにパンをくれと言って現れるのがトオル。
やがて二人とノラは一緒に暮らすようになるが、追手がせまり…




せっかくの夏にどこにも行けず、真っ白な自分を気にしていたのは「8月・銀河にむけて」の八王子さん。
それを知った大田さんは、彼女を海に誘います。
一日後、八王子さんはすっかり小麦色に。もともと焼けていた大田さんは「薄めのアイス・コーヒー色」になりました。

「えんじぇる」のスウと周作さんは、結婚記念日につくしを連れて海へ出かけます。
お見合いしたホテルの部屋に、大きな海の絵がかかっていたことを思い出す二人。しかしほんとは、スウは海が嫌いなのでした。周作さんがどこかへ行ってしまうような気がして…

小雨の降る海ではじまるのは「わたしが人魚になった日」。
真っ暗な海にとびこんだ主人公と彼女を助けようとあとにつづいた男は、二人とも泳げずにしずんでしまいます。

海辺で逢っていたのは「まるでシャボン」の草子と神島くん。
ぐうぜん再会し、逢瀬を重ねるようになった二人。しかし久しぶりに海へ出かけたその日、不幸な事件が起こる。

「冷蔵庫にパイナップル・パイ」の第一話は、海へ行ったややちゃん。
いちおう犬かきもどきの泳ぎはできるようですが、一緒に行った犬のほうが断然ウマいです。

「うちのママが言うことには」の拓子先生は、担当の英太郎にどーうしても海に連れて行ってくれと頼みます。
泣く泣くタクシーで夜の海に向かう英太郎。しかし、崖を見に行った拓子先生はなかなか戻って来ない。
不安になった英太郎は果敢にも崖っぷちまで探しに行きますが、なんと自分が足をすべらせて転落してしまう。
そのエキサイティングなシーンに遭遇して「脳ミソのアカが取れた」拓子先生は、はりきって執筆にとりかかるのでした。

海にもぐって隠れようとした「天使の耳朶」のマナは、先生に助けられてちいさな洋館に運び込まれます。
それは、ずっとあこがれていたかわいらしいあの家。窓に見える砂浜。彼女はそこで夢のような時間をすごします。

「黄昏」の拓郎は、両親の死後1年たってようやく残された砂浜を見に行く決意をします。二人が亡くなったあの日、家族で出かける約束をしていた海…


映画(映画館)

「ふくれっつらのプリンセス」のはじめと俊さんは、映画館でデート。
なぜか間にひとり挟んで席に着いてます。混んでたのでしょうか。

いつも映画館で恋人と待ち合わせしていたのは「シルエット」の比呂美。
しかし、彼女が重大な決意をしたその日、彼は現れませんでした。

「クリスマス・ホーリー」の阿木と早穂子が初めて顔を合わせたのは映画館。雑誌で対談コーナーをもつ予定なのだが、互いの印象はあまりよくない。
やがて奇妙な同居生活を送りはじめた二人。しかし周囲は、彼女が阿木原作の映画の主役を狙っているのだとウワサする…


芸能人

映画監督を父に、女優を母に持つのは「となりの住人」の慶子。
しかし両親の間では離婚話が持ち上がっており、仕方なく彼女は家を出ます。

「ガラスの花束にして」(「ふくれっつらのプリンセス」)の俊さんは、一族そろって芸能人。
姉は女優の朝倉まこと、妹はアイドルの大椋かずみ。
しかし世間には公表していないようで、一緒にいるところを週刊誌に「恋人発覚!?」などと写真入りで書かれてしまい、はじめの誤解をまねく。

「5月にお会いしましょう」のたるみは、町のミスはまぐりに選ばれたほどの美少女。
女優になるのが夢ですが、大好きな木村くんと会えなくなると思うとなかなかふんぎりがつきません。

「うちのママが言うことには」のけいとの同級生、古川さんはモデルになった。
けいとと英太郎の結婚式に招待された彼女は教会の場所を間違え、たまたま同じようにうろついていた内山田くんと知り合うことになります。


自転車

ボーイフレンドの元ちゃんに毎朝送り迎えしてもらっていた「あの星をひとつぶ」のかす美。オンボロだけど乗り心地のいい彼の自転車。
しかし今は、その席は妹の恵子のもの。二人を見ていられないかす美は、遠回りして学校へ向かいます。

「8月・銀河にむけて」の大田さんと八王子さんは、夏休みの終わりに高原にでかけます。
ふたり乗りの自転車で山奥を目指したものの、夕暮れにあせった八王子さんがつまづいて道から転落。自転車に乗れない大田さんは彼女を背負って林を進みますが、とうとうへばって倒れてしまいます。思わず泣き出しそうになる二人。
けれども、ふと見上げれば満天の星空。なにもかも忘れてみとれてしまうのでした。

お母さんが倒れたと聞いてうちをとびだした「森子物語」の森子は、たまたま通りかかった東山くんの自転車の後ろに乗せてもらいます。
嬉しくて、ついつい日頃の母親への反発心も薄らぐ森子。

「5月にお会いしましょう」のたるみの大切な人は、自転車に乗っている最中不幸な事故に巻き込まれてしまいます。
まりもの胸で涙を流したたるみは、夢を実現するため、自分も自転車に乗って夜の町を出るのでした。

「まるでシャボン」の世津子も、通りかかった羽賀さんの自転車に乗せてもらいます。
つい「好きです」と打ち明けてしまうものの、彼の返事は…


電話

「ふくれっつらのプリンセス」(「ガラスの花束にして」)には電話が頻繁に出てきます。
人気DJの俊さんはラジオ番組「ミッドナイト・スタジオ」でリスナーの電話相談をやっており、はじめはその常連。
そして、二人の間には電話のすれ違いも何度か起こります。
北海道まで牛ちゃんの気持ちを確かめにいったものの、会えずに戸惑うはじめが東京の俊さんのところに電話。しかし公園で昼寝している俊さんは出られない。
はじめが妊娠していると勘違いした俊さんは空港から電話をかけるが、はじめは高橋くんと話し中…

「わたしが人魚になった日」の主人公が思い続けた男は、自分が助けた相手の顔も覚えていませんでした。
そして、同棲相手に病院から毎日電話をかける。女は出ない。
様子を窺っていた主人公は、たまらず女の家まで押しかける。

電話の音に悩まされたのは「月夜のつばめ」の哲子ねえさん。
36歳にして漫画家デビューが決まったものの、原稿はボツつづき。催促の電話におびえる一家は、ついに気合を入れて皆で原稿にとりかかります。

「眠るテレフォン」(「うちのママが言うことには」第一話)では、友人・さおりの留守を預かっているけいとのところに、毎晩男から電話がかかってくる。さおりに逢いたくて電話をしてきた彼だが、やがてけいとといろんな話をするように。
そしてついに、英太郎にデートをドタキャンされたけいとは「逢ってください」と彼に頼むが…

「うちのママが言うことには」のけいとはお金を持たずに外出してしまい、駅から電話してめぐむちゃんに助けを求めます。
慌てためぐむちゃんは道に迷いながらも必死に目的の喫茶店を探すが、当のけいとはバッタリ出会った金田一さんと出かけてしまう。
駆けずり回るめぐむちゃんと、なにもかも忘れて家に帰ってくるけいと…
その後のふたりの「心配したでしょう?」「いえ…別に…」という会話が妙におかしくて笑えます。


飛行機(飛行場)

「チャイ夢」では、昇が空港のざわめきの中で桃子に告白します。
おねえさんの結婚式に出席する桃子を追いかけて飛行機にとび乗ったものの、実は昇は高所恐怖症。せっかく変装してきたのに、揺れる飛行機が怖くて桃子にしがみついてしまいます。
ようやく地に足をつけたところで話を切り出すわけですが、桃子が落としたカバンが足を直撃して一時休止せざるを得ないあたり、いかにも岩館作品らしい。

「ふくれっつらのプリンセス」の牛ちゃんは、はじめを残して北海道の大学に進学。
せっかく1年ぶりにはじめの家を訪ねてくれたのに、俊さんの顔を見てそそくさと出て行ってしまいます。
空港まで見送ったはじめはなかなかさよならが言えず、おみやげを勧めたり、チャウチャウ犬の話を持ち出したり。少しでも時間をのばそうとしてしまう。
しかし、はじめの問いには答えてくれないまま、牛ちゃんはまた行ってしまったのでした。

故郷をさがすため、飛行機に乗って町を出た「センチメンタルリング」のリカ。
彼女のなくした指輪をみつけた男は大急ぎで駆けつけるが、すでに飛行機は離陸したあとでした。

「うちのママが言うことには」のけいとと英太郎は、飛行機に乗って新婚旅行に出かけます。
しかし、なぜか席は別々。その理由を聞かれた二人は、結婚式当日に起きたあれやこれやのトラブルを話し始めるのでした…


本屋

「初恋時代」のいずみは、慌ててバスに飛び乗った際、本屋の店頭から6000円もする本を持ってきてしまいます。
アルバイトの青年が一目散に追いかけてきますが、本の手渡しは成功せず。
そして次の日学校へ行くと、なんと彼女のクラスにやってきた新米先生は昨日のバイトさん。少女漫画お約束の「あーっ!」が展開されます。

「8月・銀河にむけて」の八王子さんは、大田さんと連れ立って本屋でお買いもの。
しかし、ハメをはずすことが目標なのに、手にとってしまうのは参考書などのお堅い本ばかり。こんなことではいけないと手当たり次第に漫画をレジに持っていきますが、それらは全部男性向けのエロ本でした。
そのあと家でしっかり本を広げているところが偉い。

本屋のレジでバイトをはじめたのは「まるでシャボン」の草子。
しかし、なにしろ一杯のうどんを2時間かけて食べる彼女のこと、昼食に時間がかかりすぎて迷惑をかけてしまいます。(しかもレジでの応対も遅い…)

(01/12/23)



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