林譲治 |
|
お気づきの方も多いと思います。林譲治氏の作品は、パロデイの巣窟です。ユーモアを解する知性以前に、マニアックすぎて普通はわからないパロを発掘、解説して、残らず楽しみましょう。 もしお気づきのジョークがあればお知らせください。 掲示板に書きこんでください。転載させていただきます |
3 1,2に反しない限り核兵器は爆発してはいけない
(林譲治)
特殊噴進弾「奮龍」戦記 1-3巻 PHP |
||||
1 空母蒼龍 |
P249 | 「鵞鳥!」 |
クレージーキャッツ 谷大佐が思いついた対艦噴進弾の名前。 ・谷啓の決めゼリフ、「がちょーん」から |
ぷこちゅうさん ていとくさん |
0 | 「ケ・セラ・セラ」 | Que sera sera スペイン語で「なるようになるさ」。1956年公開のアメリカ映画「知りすぎていた男」でドリス・デイが歌っていた主題歌。 | てるぴっつさん | |
P9 | ミッドウェーの龍勢 | 第一章の章題。 ・龍勢は上州の方でお祭りの時打ち上げられる、ロケット花火のこと |
ていとくさん | |
P11 | 植木造兵少佐 | 空母蒼龍における、噴進弾の担当技官。 ・バンド「クレージーキャッツ」等で有名な、植木等のこと |
ていとくさん | |
P13 | 青島造兵中尉 | 植木少佐の部下。 ・元脚本家・俳優で、現東京都知事の青島幸男のこと |
ていとくさん | |
P55 | 石橋暎市帝大教授 | 東郷平八郎に、戦理を数学で教えた人物。 ・バンド「クレージーキャッツ」のメンバーの一人、石橋氏から |
ていとくさん | |
P69 | 谷恵次郎造兵大佐 | 海軍における電探の開発担当者。植木らの上官。 ・実在の人物だそうだが、バンド「クレージーキャッツ」のメンバーの一人、谷啓に引っかけてあるようだ |
ていとくさん | |
P70 | 野々山定夫造兵中佐 | 谷大佐の部下。噴進弾の開発担当者。 ・バンド「クレージーキャッツ」のリーダー、ハナ肇の本名から |
ていとくさん | |
P72 | AMAZING STORIES | 野々山の読んでいた雑誌。 ・アメリカのSF黎明期を支えたパルプマガジンのこと |
ていとくさん | |
P74 | 「よぉ、ご苦労さん!」 | ・植木たちにかけた、野々山の台詞。 ・ハナ肇の決めゼリフから |
ていとくさん | |
P88 | 安田秀峰造兵大尉 | 空母隼鷹における、噴進弾の担当技官。 ・バンド「クレージーキャッツ」のメンバーの一人、安田氏から |
ていとくさん | |
P95 | 「あれ、ケ・セラ・セラでいいんでしたよね、なるようになるってのは」 | 植木の台詞から。 ・元ネタは「クレージーキャッツ」のヒット曲「ホンダラ節」の一節、「そのうちなんとかなるだろう」から |
ていとくさん | |
P195 | 運さえ良ければ東京の知事くらいにはなれるかもしれない | 青島に対して抱いた、安田の感想。 ・青島幸男が東京都知事になったことから |
ていとくさん | |
P208 | 落合技師 | 重巡青葉における、電探班長。 ・谷甲州FC「人外協」現隊長のMSGこと落合氏のこと |
ていとくさん | |
P229 | 遺憾に存じます | 第八章の章題。 ・「クレージーキャッツ」のヒット曲のワンフレーズから |
ていとくさん | |
2 死闘!! |
P5 | 目次 | この巻の章題すべて。 コミックバンド「クレージーキャッツ」、及び植木等関連の歌や映画の台詞・歌詞・タイトルなどから |
ていとくさん |
P49 | 小松造兵大尉 | 呉の海軍工廠電気部の、名物技術士官。真空管の数を減らすことに情熱を傾けているそうな。 「しらけ鳥」などのコントで知られる、「小松の親分さん」こと小松方正がモデル |
ていとくさん |
|
P76 | 犬塚造兵中尉 | 木梨中佐の伊号第一九に同乗している技術士官。背が高い。 コミックバンド「クレージーキャッツ」の一員から |
ていとくさん |
|
P144 | 桜井造兵中尉 | 呉工廠から多摩技術学校に出港している技術士官。小柄で眉目秀麗、女にしたいようなという表現がぴったりの男。 コミックバンド「クレージーキャッツ」の一員から |
ていとくさん |
|
P224 | ーこいつ、技術士官より喜劇役者の方が絶対向いているな | 安田と犬塚の感動的な場面に飛び込んできた青島に、安田が抱いた感想。 青島のモデルの青島幸男が、シナリオライター上がりの喜劇役者だったこともあるための一節 |
ていとくさん |
|
3 「い号作戦」発令
ラバウル航空戦 |
章題 | 第一章,第二章,第三章,第五章,第六章,第八章 | 元ネタはクレイジーキャッツの『五万節』の歌詞から。 五万節は最後に「〜五万□(←本、回等の単位が入る)」というフレーズが入る |
伸さん |
章題 | 第四章あっと驚くエロ爆弾 | 元ネタはクレイジーキャッツの『アッと驚く為五郎』から | 伸さん | |
章題 | 第七章わかっちゃいるけど止められない | 元ネタはクレイジーキャッツの『スーダラ節』の歌詞、最終フレーズの「分かっちゃいるけど やめられねえ」 から |
伸さん | |
P10 | 伊東造機大尉 | てんぷくトリオの伊東四朗から | 伸さん | |
P13 | 特号航空魚雷 | 史実のMXY7特別攻撃機「桜花」22型。「桜花」22型の母機は、陸爆「銀河」でした | 伸さん | |
P17 | 滑空爆弾 | 史実では、ドイツには「フリッツX」「ハーゲルコルン」と言う滑空爆弾がありました。もっとも、誘導方式は無線誘導でしたが | 伸さん | |
P10 | 襟章から判断すると技術大尉らしい。どうやらこの士官こそ、杉本が会うべき人物らしい | あれ? 特号航空魚雷の試験の時(p10)は杉本技師は伊東造機大尉に対して、一面識も無い素振りをしますが、その前に実験機の陸攻を見に行った時(p19)に杉本技師は伊東造機大尉に会っている様ですね | 伸さん | |
P19 | 貸与されることになった九六式陸攻を見に行った時、その機体を修理・改造していたのが伊東造機大尉であった | |||
P21 | ニーン | 戦後のジェットエンジンの代表的なものです。旧ソ連でコピーされたものはMig15の心臓となりました | 伸さん | |
P23 | 「これを有人機にしたりはしないんでしょうな」 | 史実の桜花は、【有人機】です | 伸さん | |
P23 −34 |
特号航空魚雷の試験 | 史実でのドイツのV−1ミサイル試作過程での有人実験が元ネタ | 伸さん | |
P24 | アクリル製のキャノピーを機体に上から被せる。〜ヒンジとラッチだけの構造だから〜 | 世界で始めて音速を超えたアメリカの実験機「X−1」と同じ方式。「桜花」は一応はスライド式キャノピー | 伸さん | |
P26 | 初風一一型 | 日立製の初歩練習機用のエンジン。エンジンとしては性能が安定しなかった | 伸さん | |
P28 | レシプロエンジンでタービンを回転させ・・・ | この方式は、世界初のジェット機、イタリアの「カプロニ・カンピーニ」のジェット機と同じです | 伸さん | |
P36 | ムンダ飛行場 | 史実では、飛行場と言うより、不時着場(緊急飛行場)でした | 伸さん | |
P41 | 貨物船転覆丸 | 元ネタは「てんぷくトリオ」から | 伸さん | |
P41 | 南造兵中尉 | てんぷくトリオの三波伸介から | 伸さん | |
P46 | 駆逐艦峯風 | 八八艦隊計画に伴い計画・建造された駆逐艦。史実では昭和17年9月以降、船団護衛に従事し、ラバウルまで進出。11月からは佐世保・東シナ海方面で護衛に従事しました。 昭和19年2月10日、台湾沖で米潜「ボギー」の雷撃で沈んでいます |
伸さん | |
P52 | 電欖 | いわゆるチャフのこと。「妨探紙」とも呼ばれました。他の架空戦記だと日本側が使うのですが、アメリカ側が使うとは、侮りがたし林譲治 | 伸さん | |
P67 −96 |
ダンピール海峡の一連の戦闘記述 | 史実のビスマルク海海戦が元ネタ。史実では本書より早く発生し、昭和18年3月2,3日の戦闘で延べ三百機以上の空襲を受け、護衛していた輸送船8隻全てが沈みました。本書では、直掩戦闘機が無かったとなっていますが、史実では零戦が直掩についていた様です。もっともB-17に引きつけられて役には立たなかった様ですが。護衛していた8隻の駆逐艦も本書では沈んでいませんが、史実では「荒潮」「朝潮」「白雪」「時津風」の4隻が沈んでいます。 このビスマルク海海戦は被害の大きさから『ダンピールの悲劇』とも呼ばれています。合掌 |
伸さん | |
P92 | 反跳爆撃(スキップボミング) | 史実でも、本書通りにビスマルク海海戦がこの対艦爆撃方法のお披露目です。 どうも、この爆撃方法は米第5航空軍司令官ケニー中将自身が考えたようで、イギリスではダムバスターのパクリだと言っている人が大勢います。しかし、ダムバスターは爆雷に近いので間接的なヒント程度でしょう。 イギリス人は絶対に認めませんが... 本書内では、80番程度の爆弾といっていますが、米軍は500lb爆弾以上の爆弾で反跳爆撃を行っていません。因みに500lb爆弾は日本では25番に相当します。 どうも、750lbや900lbの爆弾を使用すると爆弾の爆発に巻き込まれる危険性があるので使用しなかったみたいです |
伸さん | |
P98 | 一四試局地戦闘機 | 局戦「雷電」のこと。昭和14年9月に開発の内示が三菱にだされ、昭和15年4月に正式な計画要求書が出されます。昭和17年2月に1号機が完成。翌3月より試験飛行が開始されます。 生産は昭和18年9月(う〜ん、4年かかっとる)に試製雷電の名で生産に入り、正式採用は昭和19年10月でした |
伸さん | |
P103 | ロツ弾 | 史実の27号,28号爆弾のこと。日本が大戦中に実用化した空対空ロケット弾です | 伸さん | |
P108 | 海外では真空管などの電気回路で砲戦に必要な方程式を電気の動きで計算するような原理をもちいている | リレー式計算機の事 | 伸さん | |
P110 | ツ一一タービン発動機を搭載しているので、すでにどこがどう滑空爆弾なのか | 史実の仮称桜花22型。桜花22型は前形式の固体ロケットから航続距離延伸を図って、ジェットエンジンのツ一一に載せ代えた形式。終戦前までに実戦配備はされましたが、エンジンがお馬鹿の為に実戦に使用しませんでした。エンジンのお馬鹿さについては、ツ一一を参照 | 伸さん | |
P110 | ツ一一 | 史実では、初風タービンとも言われました。カブロニ式とも言われる、タービンをレシプロエンジン(初風)で回し、燃料を噴射・着火して、その反動で推力を得る方式で、昭和18年の時点では旧式な技術でした。 史実のエンジンは、同じ型式でも本書のエンジンとは違い役に立たない代名詞とも言えます。 調整が難しいので整備員が着いていないと始動が困難で、離陸前から暖気運転(要は、空中では始動出来ない)しなければならず、又、高度4000m以上ではエンジンが止まってしまう(実質、動く高度は高度2000m位とも言われていた)と言う、誉エンジンより役に立ちませんでした。 本書内では、しっかり空中で始動でき、高度2000m以上でも稼動していた事を考えると月と鼈でしょう |
伸さん | |
P111 | 女湯をのぞくエロ爆弾 | 元ネタは、史実の熱源探知爆弾(今風に言うと赤外線ホーミング)の事故。史実でも標的の焚き火ではなく、旅館の風呂に熱源探知爆弾が命中しました。この話は日本の兵器開発史を語る上で由緒正しいギャグっぽい事故と言えます | 伸さん | |
P129 | 空母部隊にとって最後の大作戦 | 史実でもソロモン海近辺の南太平洋海戦が、日本機動部隊が真っ当に戦った最後の戦いと言えるでしょう。私見 としたは、マリアナ沖海戦は、真っ当に戦えないのでケレン味のある作戦を実施して、ケレンがハズレた戦いと 言えると思います |
伸さん | |
P137 | 斜銃 | 史実でも日本では斜銃は小園氏が発案しています。因みに、ドイツでは整備関係の一准尉が発案しています | 伸さん | |
P140 | 航空本部や航空技術廠にまで意見を具申した | 史実はこれ以上の事をしています、小園中佐は。なんせ、本土に戻って直接に関連組織にねじ込んでいます | 伸さん | |
P158 | 一六試艦上攻撃機 | 史実の艦攻「流星」 | 伸さん | |
P160 | レールと言っても木製で | 史実でも27号,28号爆弾用の翼下の発射レールの前半部は木製です | 伸さん | |
P172 | ブインからムンダへの山本五十六連合艦隊司令長官への前線視察 | 史実ではブインへ向かう途中で山本五十六長官機は撃墜されています | 伸さん | |
P173 | 護衛はやはり六機のままか | 史実でも六機の護衛機でした | 伸さん | |
P185 | 電気的に位相を切り替えることで一つのアンテナを回転させるのとほぼ同じ効果 | 現代のフェーズドアレイレーダーと原理は同じ | 伸さん | |
P188 | 編隊掩護機G6M1 | 史実でも、一式陸攻の試作時に、作成されています。燃料タンクに防弾を施したり、胴体下面に20mm機銃座を増設する等した為、重量増加と空気抵抗の増大の為に、性能は思った程でなく、量産は止めました。作ってしまった機体は陸攻の練習機一式大型陸上練習機となりましたが、程なく機銃を撤去し、胴体内に座席を設ける等して一式大型陸上輸送機となりました。終戦時に2機残存しています | 伸さん | |
P193 | ロツ弾の受信機はこっちの電波の反射波で信管を作動させた | VT信管と同じ原理です。信管そのものが電波を発信するか、別の機械が発信するかが違うだけです | 伸さん | |
P197 | マイクロ波で敵機のエンジンを止める | この世界に早乙女博士が居なくてよかった | 伸さん | |
P228 | 零戦に金星発動機を載せる | 元ネタは、史実で三菱の堀越技師が零戦の性能向上の為に栄エンジンから金星エンジンへの載せ替えを希望していたが、航空本部がその案を蹴っていた事に由来する。 史実では昭和19年11月に金星62型換装型(54丙型)の試作指示がだされ、1号機の完成は昭和20年4月でした。 面白いのは米軍のレポートで、真珠湾で撃墜した零戦の残骸から性能を推定した時に、金星エンジンの場合も記述している事でしょう。 誉と言い、この零戦への栄から金星への換装と言い、航空本部は中島飛行機に何か弱みでも握られていたんじゃないかと、勘繰りたくなります |
伸さん | |
なし