ビートルズとの出会い
小学校を卒業し中学生になって、初めて英語の授業に接した。
当時はそれが普通だった。
英語に興味はあった。
中学1年のときに海外のペンパルとかペンフレンドとかいって、文通することが一時流行った。
私も海外文通によってによって英語が出来るようになるかもしれないという淡い期待と共に、ペンフレンドの紹介を希望した。
私は、アメリカは嫌いだったので、イギリス人との文通を希望した。
最初の文通相手は、男であった。しかし長続きしなかった。
恐らく、こちらの英語力のためだったのだろう。
それでもめげずに、次の文通相手を紹介してもらった。
次は女子だった。私より1歳くらい年下だったと記憶している。
何度か手紙のやり取りをしたが、こちらの英語力はほとんどなく、海外文通のやり方を書いた本の例文に頼っているだけだった。
そんなあるとき、その女の子から”Beatles”って知っているか?との手紙をもらった。
中学2年の1963年のことだったと思う。
辞書を引いても出てこない。父が英文科を出ていたので、父に手紙を見せて聞いてみた。
父は、「甲虫、カブトムシのことだよ。でもスペルが違っているな。イギリス人のくせに。」と教えてくれた。
まだ日本では、”The Beatles”なんて全く話題にも出ていなかった頃である。
そのとき、その女の子になんて返事を書いたか忘れた。
そのうちに、イギリスの雑誌の切抜きなどを送ってきて、それが音楽のグループであることを知った。
その頃の送られてきた雑誌の切り抜き写真をみて”Beatles”とやらのメンバーって変な顔しているなぁという感想しかなかった。
イギリスの女の子とそんな手紙のやり取りをしているうちに、日本でも、ビートルズの曲がラジオで流れてきた。
最初に聞いたのは「プリーズ・プリーズ・ミー」だったと記憶している。
そしてすぐ次に「抱きしめたい」と立て続けにヒットした。
テレビのニュースでもイギリスですごい人気のグループがいると紹介された。
最初に音楽を聴いたときには本当に衝撃を受けた。
当時は5歳上の姉がよくアメリカンポップスを聴いていたので、いわゆる洋楽には慣れていたが、それよりももっと新鮮で迫力があった。
とにかく詞も曲も自作自演というのが気に入った。
すぐに虜になった。
そのうち”The Ventures”も流行りだして、エレキサウンドと共に、日本中に広まった。
当時の大人たちには、エレキもビートルズもノイズにしか聞こえなかった。
当時は若者の間でも、ビートルズを好きだというのは、実際には少数派であったと思う。
それ以来、私はビートルズのファンである。
文通していた女の子とはその後もビートルズ関連の雑誌記事などを何度かもらったが、そのうちに日本の漫画の本を送って欲しいとの依頼があったので、私は何を送ろうか迷った挙句、「鉄腕アトム」を送った。
イギリスの女の子がどのような漫画を期待していたのか分からないが、今考えるとその選択は誤っていなかったと思う。
その漫画を送ってからまもなく手紙のやり取りはなくなった。
それから40年近くたった2002年7月、イギリスに旅行する機会があったので、当時の女の子の住所を頼りに住んでいたと思われる場所に行って見た。
ロンドン市のNorth Dulwichというところだ。
ロンドンの家は、きちんと住居表示がされていて当時の女の子が住んでいた住所に家があった。
もうその家族が住んでいるわけはないと思ったが、もしかして・・・、と思い、家の前に行き勇気を出して、呼び鈴を押した。返事がない。もう一度押した。やはり返事がなかった。
隣の家の人が帰ってきたが、そこまでして聞いてみる勇気はなかった。
下がNorth Duiwich駅と家の周辺の道路である。
明けても暮れてもビートルズ
中学時代にビートルズを知り夢中になった。
新曲が出るたびに歌詞を覚えた。
写真を見ては、似顔絵を描いた。
サインを真似して書いてみたり。
中学3年のとき、美術の授業で粘土を使った人の顔を彫刻することがあった。
皆、友たちの顔を参考に彫刻していた。私もはじめはそうしていたが、そのうちにビートルズのポールの顔にしようと、急遽変更した。
自分ではなかなかの出来だったと思った。
先生はビートルズのポールなんてよく知らないので、見せてもバレなかった。
結構いい点をつけてもらったような記憶がある。
作品は採点後戻されたが、家に帰って、庭に埋めた。
いつか掘り出そうと思ったが、その機会はなく、家は改築され分からなくなった。
1964年当時、写真を見てクロッキーブックに書いていた、メンバーに似顔絵とサインを真似していたもの。
高校入試の直前、確か「エド・サリバン ショー」にビートルズが出演したときの映像が放映され、高校入試間近でも見たような記憶がある。
高校入学後にも放映したのか、1965年に撮った写真が残っていた。
BEATLES ゆかりの地 訪問
「ビートルズの歩き方(THE BEATLES' LONDON)」
(発行所:プロデュース・センター出版局)に掲載されている、「ロンドン中心部の『これだけは見たい』
20か所!」を中心に現在の様子