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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 184
スカルファング〜空牙外伝 (セガサターン)

購入金額: 980円 (箱説付)

ゲーム内容

データイースト末期にアーケードで登場した、同名の縦スクロールシューティングゲームをセガサターンに移植。
大きな特徴として、スクロールスピードを調整できるスロットルボタンがあり、特にボス戦で敵を追いかけたり速度を落としてやり過ごしたりするのに使う。
パワーアップシステムは前作「空牙」のシステムはそのままだが、バレルロール(一定時間無敵)にも種類があったり、ボムに変更できたりする。
CGを使ったキャラクターや、アニメ調のフェイスグラフィックのカットイン、声優(日本語)によるボイスがあったり、当事らしい対応も行われている。
セガサターンでは機体が追加され、さらにオリジナルステージの追加と敵の出現を調整したオリジナルモードが追加されている。

H.Kuwanoの考察

1.スロットルの意味

本作の特徴である「スロットル」は画面スクロールが早くなります。
早くなるのはスクロールスピードだけで、画面内の敵が後方に流れるスピードは変わりません(ボス敵除く)。
その結果画面上への敵の出現が早くなりますが、敵の動きのスピードそのものは変わらない のです。
敵を出現させるスピードを変更するための機能と言えるでしょう。

「アフターバーナー」みたいに、画面上に残って攻撃してくる敵を引き離す、といった使い方はできません。

では、まったく意味がないのか、というと、そんなことはありません。
一応機雷地帯など、雑魚敵がラッシュしてくる場所があるので、 適切な場所で使うと楽になります。
使う場所を覚える、という攻略要素も少しはあります。
また、ボス戦ではボスに追いつく際に使います。
ただ、スピードを上げてもすぐに距離が縮まるわけではないので、儀式的 な気もします。
ボスの攻撃を間をおいてやり過ごすということにも使えるようですが、状況によっては画面外から攻撃されて、却って危険になる場合がありますし、やはりスピードを下げてもすぐに敵が逃げるわけではありません。

このシステム、正直言ってあまり活かされていないような気がします。

 

2.熱い音楽はオススメ

本作のBGMは、スロットルのシステムのためか、とてもスピード感があるハードロックになっています。
しかも、アツくて、ゲーマデリックファンなら死ねるんじゃないでしょうか(大袈裟)。
スロットルのシステムがあまり活かされていない状態では、もはやこれが本作のメインといっても過言ではないのではないでしょうか。

 

3.グラフィックはダサダサ

本作は自機、敵機ともにCGで描かれたものを取り込んだようですが、今となってはツルツルすぎて、正直言ってダサいです。

またキャラクターデザインは、僕には絵心がないので良し悪しが分かりませんが、声優ブーム真っ只中って感じの絵柄です。
本作は日本の声優を起用しており、キャラよりもそっちを重点に置いたような気がします。
なんせ同時期に、声優とビリヤードするゲームも作ったぐらいですから。
中には「おつかれさまでした」と言われたいがために本作を買ったなんて人もいたのではないでしょうか。

 

4.難易度はそこそこ

本作の難易度はそこそこです。
ボスは強いのですが、道中も何とかなるし、ダメージも時間とともに回復していきます。
ただ、やっぱり黄色いロボ型のライバル機が「ウルフファング」の後半ボスみたいに強いです。


 

5.総評:音楽目的なら買い

まとめると、このゲームは音楽目的で買うのであれば良いと思います。
特に「ゲーマデリック」や「データイースト」のファン、前作のBGMに惹かれた人はオススメ できます。
しかし、普通のシューティングゲームをプレイしたい人やちょっと変わったシューティングゲームをプレイしたい人にはそんなにオススメではないですが、悪くないと思います。

名言

エンジン回せー

プレイヤーの一人が出撃前に叫ぶ一言。
前作では名言が多かったが、本作はあまり無くなってしまって残念。
このメッセージもそれほど印象的ではないが、頭悪そうな発言 である。

攻略情報

機雷地帯はスピードダウン
2面や3面には浮遊機雷が大量に飛んでくる場所があります。
そこは飛ばすとかなりダメージを食らってしまうので、速度を落として対処しましょう。
フルングニル(?)の電撃
4面や7面のボスの黄色いロボットは、ときおり背中から雷のような電撃攻撃をしてきます。
どうやらボスの向いている角度への中心線をまたぐように(真下を向いているなら、正面の右から左というように)動くとかわせるようです。

関連情報

空牙

1988年にデータイーストが出した縦スクロールシューティングゲームで、本作の直接の前作に当たる。
比較的オーソドックスな縦スクロールシューティングゲームだが、時間で溜まるゲージがMAXであれば、いつでもバレルロール(一定時間無敵)を発動できるのが特徴。
当事では珍しく、BGMにエレキギターの生音を駆使している。
アーケードの他に、メガドライブに移植されている。

ウルフファング

1992年にデータイーストが出した横スクロールアクションシューティングゲームで、本作とゲームシステムは殆ど異なるが、ストーリー上の前作となる。
64種類のロボットから1つを選び、分岐するステージを戦い抜いていく。
アーケードの他に、セガサターンやプレイステーションに移植されており、プレイステーション版はベスト版もある。


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