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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 139
CG昔話 じいさん二度びっくり (PS)

購入金額: 980円 (箱説付)

ゲーム内容

アイデアファクトリーが出した、サウンドノベルタイプのアドベンチャーゲーム。
いろいろな昔話のキャラクター・状況が登場し、選択肢によって大きく変わるストーリーを楽しむゲーム。
もちろんエンディングも複数あるが、一回のプレイがわずか数十分で終わってしまうことと、セーブ機能がないのが残念?

H.Kuwanoの考察

1.思っていたよりも面白い

本作を形容するならば、「新・鬼が島」や「桃太郎伝説」の世界観と「弟切草」のゲームシステムをあわせたような感じでしょうか。
一部画面構造はアイデアファクトリーが本作の前に制作した「厄」に似ていますが、ザッピングシステムのようなものはなく、ただ選択肢を選ぶだけのゲームです。
それでも面白く感じました。

本作の良い点は、何と言っても選択肢・エンディングの多様さです。
選択肢にはどれを選んでも同じというものも多いのですが、その他の選択肢は選んだものによって展開がガラリと変わってしまうものもあったり、思わぬ結末になってしまうものもあります。
最初から物語の主人公を選ぶことになり、お話が大きく分かれます。
もちろんエンディングも複数あり、突然終わってしまうものもあれば、まだ終わらずにエンディングが分岐するというものもあります。
その数は普通のサウンドノベルよりも多いのではないでしょうか。

その展開の意外さも面白いものがあります。
「もし桃太郎のお供が金太郎と浦島太郎だったら」「もし一寸法師の鬼の代わりに弁慶が出てきたら」というように、昔話に「もし・・・・だったら」という分岐点をいくつも作り、それぞれに結果を設定するというのが本作のストーリーの作り方です。
その結果が意外で、突然エンディングを迎えたり、改心したり、何もなかったことにされたりします。
いかにも「アイデアファクトリーらしい」一本とも言えるのではないでしょうか。

自社ホームページの製品紹介でも「隠れファンも多い」とありますが、それも頷けます。

 

2.セーブがないのは是か否か?

前作「厄」はパスワード式のコンティニュー機能があり、エンディングを見るにつれて選択できる主人公が増えていきます。
しかし 本作はセーブ機能はおろか、パスワードすら存在しません。
いくらエンディングを見ても記録されないのです。
「エンディングを全て見てやるぜ!!」と「サイバリオン」ばりに意気込んでいた攻略重視プレイヤーにとってはちょっとがっかりしてしまうでしょう。

でもそれは、「攻略とかは気にせず、あまり肩を張らずにプレイしてほしい。」という製作者の意図の表れでしょう。
プレイ時間が短いのもその配慮だと思われます。

 

関連情報

厄〜友情談疑

アイデアファクトリーのデビュー作。
キャラクターが不気味なホラーアドベンチャーゲーム。

厄痛

上の厄の続編。


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