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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 140
サンダーストームLX03 & ロードブラスター(SS)

購入金額: 980円 (箱説付)

ゲーム内容

1980年代にデータイーストがアーケードで出したLDゲーム「サンダーストームLX-3」「ロードブラスター」をセガサターンに移植。
当時の映像に、さらにコクピットグラフィックの強化やコンティニュー、左右反転などの機能強化が加えられている。

H.Kuwanoの考察

1.LDゲームの中で一番面白い

本作に含まれるゲームはどちらもLDゲームです。
LDゲームでは「タイムギャル」並に人気があるゲームのようですが、「タイムギャル」「忍者ハヤテ」よりも面白く感じました。
その一番の理由はやっぱり「一人称視点による臨場感 」なのだと思います。
当時のハードウェア性能ではとても一人称視点のような、画面が頻繁に塗り替えられる描画や計算を高速に行うことは難しかったはずです。
それをLDによるリアルタイムの映像によって、まるでコクピットに乗っているかのような臨場感を得られるのです。

また、「LDゲームでは到底考え付かないジャンルをLDゲームにした」という意外性もあります。
通常3DシューティングゲームやドライブゲームをLDゲームにするなんて思いつきません。
撃ったら敵機を爆発させて画面から消さなくてはならないし、ハンドルを曲げたらその通りに動かさなくてはならないと思うからです。
しかし、映像に合わせてターゲットに枠を表示し、枠内に照準を合わせて撃てばそのまま敵機の爆発の映像を、失敗したら自機の爆発の映像を流す、といった発想や、ハンドルやブレーキは必要以外で操作しても無視し、必要時に指示通りに操作しないと自車がクラッシュする映像を流す、といった大胆な仕様により、これを実現させてしまったのです。
このムチャさは、やっぱりデコならではなのかもしれません。

緊張感も面白さに一躍買っています。
他のLDゲームでは指示が出たらすぐにボタンを押すというものですが、本作は指示がある間は押し続ける という仕様があります。
そのため一瞬でも緩めるとミス になってしまいます。
さらに、ミスになるかどうかは指示が出た後の特定の時点にならないと分からない ので緊張します。
特に「サンダーストーム LX-3」では敵機がひっきりなしに飛んでくるので、移動の指示ばかりに気をとられると敵機にやられます。

 

2.カオスコントロールの原点「サンダーストーム LX-3」

本作の一つ「サンダーストーム LX-3 」は戦闘ヘリの3Dシューティングゲームです。
映像はLDを使っており、 映像の敵機に合わせて表示される枠に照準を合わせ、敵を撃っていきます。
ショットにはバルカン砲とミサイルがあり、 地上物はミサイルでないと破壊できないものもあります。
バルカン砲は連射できますが、「ガングリフォン」のMGみたいにおしっぱなしだとオーバーヒートして撃てなくなります。
ミサイルは連射ができません。

また、照準の移動は機体の上昇・下降・旋回も兼ねており、指示が出たらその方向に移動しなくてはなりません。

敵機を撃ち逃したり、移動の指示に従わないと自機が爆発しミスとなります。

実はこのゲームに似たゲームが発売され、「ク●ゲー」として紹介されました。
カオスコントロール」です。

このゲームも、ムービーの中に敵が表示され、ビームで撃つと敵が煙に包まれるというものです。
移動の指示やミサイルとの撃ち分けがなく、シールド制となっているため、 本作と比べるとずいぶんシンプルな感じがします。
10年以上もの差があるため、映像はCGな分「カオスコントロール」の方が上かもしれませんが、ゲーム性はこっちの方が上です。

ちなみに、デコゲーの戦闘ヘリシューティングゲームと言えば「コブラコマンドー」がありますが、何かこのゲームと関係がありそうなのは気のせいでしょうか。
攻撃方法もバルカン砲とミサイルだし。

 

3.展開が面白いカーチェイス「ロードブラスター」

本作のもう一つ「ロードブラスター」は運転席から見た画面のカーチェイスアクションゲームです。
暴走族とカーチェイスを繰り広げ、敵を破壊に追いやる(武器で破壊しないところがミソ) というゲームになっております。
といっても難しいことはなく、画面の指示に従ってハンドル操作やブレーキ、ターボチャージャなどを作動させるだけで破壊の映像 が繰り広げられます。
ただし、ターボチャージャは発動までに時間がかかり、指示が出たらすばやく押さないと間に合わないので注意。

こう見ると「サンダーストーム LX-3」とは違い、なんら普通のLDゲームと変わらないような印象を受けます。
しかし本作の醍醐味は一人称視点による臨場感と、あっと驚く展開。
目の前の壁に激突寸前のところを直角ドリフトでかわしたり、敵の追撃をターボチャージャでかわしつつ目の前の敵に体当たりしたり、公園やデパートに突っ込んだり自車を捨てて敵の車を奪ったり(ネタバレ) …。
これだけ意外な展開が一人称視点の迫力ある映像で楽しめます。
やっぱりムチャな展開はデコの得意分野ですね。

 

突っ込みどころが多いところも本作の特徴。

なぜ暴走族はハネムーン中の主人公を殺そうとしてたのでしょうか?
襲えるものなら何でも良かったのでしょうか?
にしてはわざわざボスが車から降りて来るのもおかしいですし・・・。
主人公が特殊部隊に所属しているから暴走族に命を狙われたんでしょうか?
だったらハネムーンなんてしている余裕はないのでは?

また暴走族に復讐するのですが、なぜ武器も持たずに復讐するんでしょうか?
特殊部隊にいたのであれば、何か武器を持っているはず。
しかも車もそれほど特殊な車じゃなさそうだし。

そして、敵車に激突したりビルの2階から落下してヘコミ一つないのに、なぜ特定の敵車や壁にぶつかると爆発するんでしょうか。

そして最後は走れなくなった自車を捨て、敵の車を奪って相手ボスを追いかけますが、そもそも敵はキーをつけてエンジンを止めたまま車を降りたのでしょうか?
しかも敵の車も自車同様、格段に高性能 (byロードブラスターズ)。
自車はモンスターマシンじゃなかったのか!?
(ネタバレ)

最後にボスを倒したあと、転倒した車の床から主人公が出てきますが、なんでそんなところにドアがあるんでしょうか?
エンジンルームじゃないし…。
(ネタバレ)

ちなみに、本作とかなり似た名前のゲームがあります。
アタリが1987年に出した「ロードブラスターズ 」です。
こちらはきちんとマシンガンで武装したモンスターカーを操作し、敵車を撃ったり路上に仕掛けられたワナを避けながらゴールを目指すレースゲームです。
もちろんこちらはLDゲームではなく、擬似3D画面のリアルタイムなドライブゲームです。
何か本作と関係はあるのでしょうか?

 

4.デコとビック東海の意外な接点

本作は開発・販売は「エクゼコ」という会社なのですが、販売元はあの「ビック東海」なのです。

最近読んだ「謎のゲーム魔境4」というバカゲー本ではデータイーストの伝説とビック東海の伝説がカップリングされて紹介されていました。
もしかすると2社には何かの接点があるかもしれません。

 

関連情報

タイムギャル&忍者ハヤテ

タイトー作のLDゲームを移植したもの。


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