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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #128
ねずみくす(XB)

購入金額:819円

ゲーム内容

ねずみが縄張り争いを繰り広げる「アドベンチュー」ゲーム。
主人公のねずみ「アポロ」が、ゴチソウを奪った「ヨソモノネズミ 」らを発見し、撃退していく。
ゲームはまず街の中を歩き回って、かくれんぼの要領で隠れたネズミを探し出し、ある程度見つけると今度は決められた場所で殴り合いのバトル が始まる。
ターゲットは女性や子供のゲームなのに、「一人プレイ専用」「戦闘中に仲間に指示しないとアイテムを取らない」「やられた仲間は復活しない」などのシビアな内容のルールである。

H.Kuwanoの考察

1.ターゲットに合わないゲーム内容

本作は女性や子供といった、あまりコアではないユーザー向けに製作したらしいのですが、どうもゲームの内容からそうとも言えないようです。

説明書がフレンドリーなことや、隠れたネズミを探すだけの移動シーンはまだ分かります。
しかし問題は戦闘シーンです。
ねずみたちが殴り合い の喧嘩を繰り広げるのです。
ねずみたちにはもちろんHPが設定されており、これが尽きると「キュウゥゥー」と小さく鳴いて、臥して消滅してしまうのです。
仲間だって、HPが尽きると二度と復活せず、戦闘シーンはおろか移動シーンやデモにも登場しなくなってしまうのが妙にリアル
こんなゲームで「スウィートホーム」ルールを適用しなくたっていいのに…。
隅に追いやって集団でボコボコにすれば、文字通り袋のネズミ
相手に手も足も出させずに倒せる点もリアルです。

主人公は自分で操作するからある程度融通は利くのですが、仲間は自分で指示しないと回復アイテムを取りに行きませんので大変です。
(指示しないと足元にアイテムがあっても取らない のがさらにイヤですが)
しかも仲間や主人公が攻撃を食らっていたり気絶していると指示できない のがつらいところ。
主人公との距離がかなり離れている場合も指示できません。
ある意味「戦国TURB」よりも大変です。

そもそも、ねずみが「かわいい」のかという点も問題です。
殆どのマイクロソフトのXBOXのゲームはそうですが、国際的 に販売しています。
日本はまだしも、ねずみを嫌っている国も少なくないのでは…。

 

2.そこそこのプレイヤーなら意外と楽しめる

逆に、ゲームをそこそこ遊んでいるユーザーなら、意外に楽しめることに驚くでしょう。
もちろん移動シーンではなく、戦闘シーンに。

 

移動シーンは、パッケージや説明書では分かりにくいのですが、自由自在に移動できるわけではなく、あらかじめ決められたルートを歩いていくだけです。
時折ルート選択が出てくるので完全な一本道ではないのですが。
なんだか「ナイツ」みたいな印象を受けてしまいました。

ヨソモノネズミを探す一人称視点だって、たんに表示されている画面をズームして、その中から探すだけ。
後ろを向くことはおろか、ネズミからみた正面を向くこともできません。
「すぐちかくにいるのに!」ともどかしさを感じずにはいられません。
スゴイ技術を使っているのに、やりたいことをできない、しかも自分の腕ではなくシステム的にできないのは初心者だってたまらないですね。

 

一方、戦闘シーンでのアクションは、単なる殴り合いではありません。
ボタンを連続で押すとコンボ攻撃が発生し、ボタンをためて離すとふっとばし攻撃(ぐるぐるパンチ)、違うボタンでHPを消費して周囲の敵を吹っ飛ばす緊急回避技Rボタンで防御Lボタンでターゲットのロックオン など、意外アクションが多彩なのです。
自分の行動次第では仲間に指示を出さずとも勝てるので、敵を吹っ飛ばす快感に酔いしれたり、暴れたりすることも可能。

 

また、ステージクリア後や戦闘終了後、取ったアイテムやかかった時間などによってプレイ評価が下されます。
これを良くしようとすると、少しやりこむ必要があるわけで。

移動シーンでは、時間を無駄にしないように、敵の位置を覚え、無駄のないルートを決定しないといけません。
戦闘シーンでは、仲間に適宜指示を与え、ターゲットを集中的に攻撃したり、ポイントアイテムを収集しないといけません。

しかし、これだけ仲間と乱闘を繰り広げるゲームなのですから、できれば多人数プレイには対応して欲しかったですね。
きっと楽しく、子供に喜ばれそうなのに。

 

3.プレイ時間が短いのも難

ただ、全体を通してプレイ時間が3時間ぐらいでエンディングに到達できてしまうのはちょっと物足りない感じもします。
たった5面 しかありませんし。
難易度選択などもなく、ゲーム的にも、実際にはそんなに何度も繰り返し楽しもうという感じもしませんしね。

とはいっても、ゲームをセーブできる場面が面ごとにしかないので、ゲームオーバーになったり仲間がやられてリセットするハメになると、30分ぐらいの時間がムダになります。
ゲーム途中でも一応中断はできますが、再開すると消えてしまいます。

 

4.総評

本作は、全体的にライトユーザー向けに作られたようですが、戦闘シーンはややヘビーユーザー向けです。
Folder5の歌や音楽はなかなかいいですし、雰囲気や移動シーンなどはこんな感じでいいと思いますので、もうちょっと戦闘シーンを簡素化し(仲間のネズミをもっと賢くし)、完全にライトユーザー向 けにしてしまってもいいと思います。
そして、多人数プレイに対応し、毎回隠れ場所が変わるなど、繰り返し遊べるようにした方がいい と思います。

関連情報

スウィートホーム…FCで登場し、PSの名作「バイオハザード」の原型ともなったRPG
               同名の映画をベースとしながら、持ち物や仲間を取り替えながら進むRPGとなっている。

戦国TURB…DCで出たアクションシミュレーションゲーム。
               主人公「じのちゃん」を操作し、自分の軍隊に指示を出しながら敵と戦っていく。
               奇天烈な世界観が特徴。


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