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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #129
魔城伝説II ガリウスの迷宮(MSX)

購入金額:525円

ゲーム内容

MSXで登場した、人が主人公の縦スクロールシューティングゲーム「魔城伝説」の続編。
今回はアクションRPGとなり、主人公「ポポロン」が前作の捕らわれのヒロイン「アフロディテ」と共に、迷宮と化した城を捜索していく。
アイテムを駆使し、能力差のある二人を使い分けていくのが攻略のカギ。

ファミコン版として「魔城伝説II 大魔司教ガリウス」の名前で移植されているが、マップなどは大きく異なる。

H.Kuwanoの考察

1.遊び応えのある内容だが、説明書がないと満足にプレイできない

本作は横スクロールタイプの探索アクションアドベンチャーゲームです。
ファミコンだと「リンクの冒険」「ドラゴンスレイヤーIV」「ファザナドゥ」「チェスターフィールド」みたいなゲームの仲間だと思ってくれればいいでしょう。

大まかなゲームの流れは以下の通りです。

  1. ワールドに入るのに必要な「グレートキー」を探す(初回のみ、2面以降はボスを倒すと手に入る)
  2. 城内を散策し、ワールドの入り口を探す
  3. ワールドに入ったら、石碑を調べてボスを呼び出す暗号を調べる
  4. ボスとの戦闘に有利になるように、マントや水晶玉などのアイテムを捜す(無くても闘える)
  5. ボスの部屋にたどり着いたら、暗号を入力してボスを呼び出す
  6. ボスとの戦闘に勝ち、次のワールドへの「グレートキー」を手に入れる。

もちろんこれだけではありません。
道中にはさまざまなアイテム があり、中にはないとクリアできないものも多くあります。
そういったものは岩を壊して手に入れるものだけでなく、祠で神様が売ってくれるものもあります。
アイテムを探しに城やフィールドを歩き回るだけでなく、敵を倒してお金を集めることも必要になります。

敵を倒すには、剣だけでなく、飛び武器の矢や地雷などの特殊武器があります。
これらの武器は弾数制限があり、これも敵を倒したり神様から買ったりして増やすことができます。

さらに、城内にはいたるところにがあります。
扉を開けるにはカギが必要で、これまた敵を倒したり神様から買って手に入れなくてはなりません。

いろいろな仕掛けもいっぱいあります。
一度使うと消えるハシゴや閉ざされる壁、ワールドには女子・男子禁制の領域や操作が逆になってしまうところもあります。
回転扉のような簡単な仕掛けから、水や危険なマグマまでいろいろあります。

 

そこで、二人の主人公「ポポロン」と「アフロディテ」を使い分ける必要があります。
ポポロン 」は力が強くて岩を簡単に壊すことができ、回転扉を開けられます。
ジャンプも調整が効くのですが、水には弱く、入るだけで大ダメージを受けてしまいます。
アフロディテ 」は岩を壊すのに回数が必要で、回転扉を開けません。
さらにジャンプの調整ができないのですが、水に強く、入ってもゆっくりとダメージを受ける程度です。
もちろん、先ほどの女子・男子禁制の領域では、どちらか一方のみ使用することができます。
これらの弱点を補うために、さまざまなアイテムがあり、集めていくと二人の差が少なくなっていきます。

 

これでおおよそゲームの説明はできたと思いますが、注意すべきことがあります。
一つは、アイテムはたくさん出てくるのに、その効果の説明はゲーム中にはなく、形状から効果を想像しにくいので、アイテムの効果を知らないと詰まります
もう一つは、経験値は強さやライフの上限値を上げるのではなく、いっぱいになると体力の回復ができるだけのものだということです。
さらに MSXでは操作方法も知らないといけません。
サブ画面はF1、パスワード入力はタイトル画面でLキー、城内のパスワードが聞けるところに戻る「リング」はサブ画面でEnterキーを押すと使うことができます。

 

説明書がない状態でプレイすると、最初はなんとなくワールドに入ることや二人を使い分けることが重要というのはなんとなく分かるのですが、アイテムの効力が分からずに、詰まってしまいます。
このゲームは説明書がないとプレイできないのです。
FC版が安売りされているのも、このことが原因と思われます(箱説つきでも安いものがありますが)。

幸い、MSX版は名作として多くのサイトで紹介され、攻略法が載っているサイトもいくつかあります。
そうしたサイトから、情報を得ることができます。
情報技術が発展した現在では、そういったものを見て情報収集することもゲームの攻略には必要だったりするものです。
また、PSで出た「コナミアンティークコレクション」か何かで本作が収録されているという話も聞いたことがあります。
こっちにはプレイ方法とかが載っていると思われるので、説明書なしで安く買って後悔するよりはこっちの方がいいと思います。

 

2.FC版とだいぶちがう

僕はFC版はだいぶプレイしていたのですが、操作方法の違いやマップの違いに驚いてしまいました。

まずは操作方法の違い。
FC版ではAジャンプだったのが、MSX版では上ジャンプ
おかげではしご近辺でジャンプすることができなくなってしまいました。
さらに、特殊武器もFC版では↑+Bボタンで使用できたのですが、MSX版ではこれがBボタン になってしまいました。
はしご近辺で動かずに特殊武器が使えるようになりましたが、あまり意味の無いことです。
個人的には斜め上ジャンプはわりときついので、なんとかして欲しかったところです。

また、MSXはキーボードがついているので、ワールドごとのボスを呼び出す暗号(キー入力)も変わっています。
FC版ではコントローラーの操作でしたが、MSX版はキーボードから文字を入力します (画面には入力した文字は出てきません)。
この暗号の入手方法も異なっており、FC版では祠で神様から聞くのですが、MSX版はワールド内の石碑の前で虫眼鏡を使って調べます。

また、MSXのコントローラーはスタートボタンがないので、装備選択などのメニューを出すにはF1キーを押します。
水に入ったりしてピンチなときにとっさに押せないのは辛いところ。

 

画面表示も違いがあります。
まずは、なんといってもMSX版の自キャラは1キャラ分の身長なのに、FC版では2キャラ分 になっていること。
おかげでMSX版は敵の攻撃を回避しやすくなっています。
ちなみにやられたときも違っており、MSX版は鎧が崩れるような感じですが、FC版では仰向けに倒れ、天使(霊)が昇っていきます。
やっぱりFCでこの表現はマズかったのかな。

 

さらには、ゲーム進行も結構違っています。
大まかな進行方法は同じですが、同じ感覚でプレイすると結構大変です。

まず、マップが違っています。

FC版にはカギの概念がなく、ポポロンが開けられる回転扉(アイテムでアフロディテもあけられるようになる)ぐらいしかなかったと思いましたが、MSX版ではカギがあります。
まるで「グーニーズ2」のように、カギを求めてザコ敵を倒しまくることになる場合があります。

FC版ではグレートキーを手に入れると二人のライフの上限がアップしますが、MSX版では取った方しか上がりません。
マップもかなり違っており、 MSX版ではハシゴが消えたり、壁ができたりして一方通行になることが多いです。
また、FC版では横方向にはある程度スクロールしますが、MSX版は画面一つづつの切り替えになります。

MSX版ではワールドに入るとワールドが表示されますが、FC版では音楽が変わるだけです。
さらにFC版ではワールド内でも祠や入り口は城内と変わりませんが、MSX版ではワールド内については祠や入り口は画面外へのハシゴの上下で表されます。

攻略サイトで見た情報ですが、FC版はたしか6のワールドがありましたが、MSXは10です。

 

MSX版とFC版で一見同じようでも、実は微妙に異なっています。
そのためか、MSX版では名作としてファンに親しまれているものの、FC版は500円ぐらいで安売りされている ゲームです。
(FC版はコナミのゲームなのにカートリッジが普通というのも珍しいのですが)。

似た境遇のゲームに、「メタルギア」があります。
FC版では敵兵の視野が広がりましたが、頭は悪く次の画面に行くと追っていたことを忘れてしまいます。
おかげで殆ど敵兵を殺しまくってしまいがち。
MSX版では画面が変わっても敵の追撃が続いていたと思います。

個人的にFC版は落とし穴の凶悪さが印象的です。
ものすごいスピードで穴が広がっていき、突っ込むとアウトです。
そこまでプレイしたわけではないのでMSX版は分かりませんが、落とし穴はまだ楽勝だそうです。

あとFC版は、ノーヒントの「迷いの森」に困りましたね。

たしかこのゲームも、MSX版しか認めないと言っていた人がいたと思います。

関連情報

魔城伝説 …本作の前作的存在で、MSXで登場した縦スクロールシューティングゲーム
                  「ポポロン」が「アフロディテ」救出ため、モンスターと闘う。
                  雰囲気的には、アーケードゲーム「バトランティス」に似ていると思う。
                  アーケードゲーム「ファイナライザー」を髣髴とさせる、無敵やタイムストップなどのアイテムもある。

魔城伝説II 大魔司教ガリウス…本作のFC移植版
               基本的なルールは一緒だが、微妙に違っている。

メタルギアMSXで登場したアクションアドベンチャーゲーム。
                敵に見つからないように、敵の基地に潜入し、アイテムや無線による情報を駆使しながら、究極兵器「メタルギア」の破壊の任務を遂行する。
               「メタルギア ソリッド」で返り咲き、作者も有名になった。


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