1.操作性に難があるが、まあよくできたアクションゲーム。
デコゲーとしてはあまりにも有名すぎる「カルノフ」ですが、やはり独特のジャンプの感覚と、使いたいアイテムがすぐに選択できない(移動と使うアイテムの選択が同時に行われる)のには難があるところです。
ただ、ファミコンになって「魔界村」のように1ミスOKになったため、難易度は下がり、比較的クリアしやすくなりました。
おかげであまりイラつくことなく、そのジャンプの妙な浮遊感や、アイテムを使い分ける戦略性を体感できるようになりました。
アーケード版をプレイして挫折した人には良いのではないでしょうか。
2.カルノフの人物像
アーケード版ではもうちょっと悪徳っぽかったような印象でしたが、このファミコン版ではもうちょっと善良になっています。
カルノフは、上半身裸で腹は出ていて、頭ははげていて、どじょうのようなひげを生やした、まるで魔法のランプの魔人のような格好をしている男です。
この「魔法のランプの魔人」のような雰囲気が、ファミコン版ではより強調されています。
カルノフは元人間で、悪事を重ねたために神の僕となりました。
ファミコン版ではデモで神にひざまづいて命令を仰せつかっているところからも、これが強調されています。
そうしてファミコン版では、カルノフはエンディングで人間に戻ります。
僕はアーケード版のエンディングを見たことがないのでよく分かりませんが、彼はその後「ファイターズヒストリー」という同社の格闘ゲームでラスボスとして登場します。
彼はその後、自分の強さを示すため、格闘大会を開くのでした。
もちろん、火をはいたりするのは健在です。
その後、彼は大会で破れ、復讐のために修行を積んで、「ファイターズヒストリーダイナマイト」で再び格闘大会を開催するのでありました。
そのほかにも、彼は他のデコゲーにもよく登場しています。
「ドラゴンニンジャ」では1面のボスに、「トリオ・ザ・パンチ」では、なんとザコキャラとして登場します。
(ところで、ぷよぷよSUN(魔導物語)に出てくる「トリオ・ザ・バンシー」って、「トリオ・ザ・パンチ」に似てますね?)
これらより、カルノフは実は「悪」のキャラクターなのです。
ファミコン版ではその色は薄められているのですが、実はその腹の中は悪で染まっているのです。
だからといってもそれが本当に強い悪ではなく、人間誰もが心に持っている、見栄やわがままを体現しているだけです。
そういったところが親近感を持ち、カルノフはデータイーストにとって、忘れられないキャラクターとなりました。
(出生の謎は解明できていませんが、そういったところを出したかったので、敢えてヒーローっぽいキャラクターにしなかったんでしょう)
3.ナムコにデコゲーが多いのは何故?
この「カルノフ」は「ドラゴンニンジャ」同様、ファミコン版はナムコから出ています。
おそらくですが、自社ではゲームを販売するには資金が足りないので、販売をナムコに依頼したんでしょう。
少なくとも、開発はデータイーストが行っていると考えられます。
それは、ポーズ音などの効果音に現れています。
なお、「キャプテンシルバー」もデータイーストが開発していると考えられます。
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