1.真のRPG
実は僕も「ダンマス」が好きなので、ややダンマスひいきになりますがご了承ください。
RPGの定義って、一体何なんでしょう。
僕はこのことについて、1年間も考えて、個人的な結論に達しました。
本当のRPGとは、「役割を演じるゲーム」であり、コンピュータゲームでなくとも楽しめるものです。
そして、その「役割を演じる」上で一番大切なもの、それは「自由度 」です。
そうして、僕は現在主流の「ストーリーを見せる」ためのRPGと、本当にプレイヤーがその世界で自由に行動できる「真のRPG」に分けることにしました。
本作はもちろん、「真のRPG」と言えます。
2.RPGの古典
現在「RPG」と呼ばれているコンピュータゲームのジャンルの祖は、間違いなく「テーブルトーク RPG
」です。
これはコンピュータを使わないRPGで、僕はやったことはありませんが、豊かな想像(創造)力を必要とすることは間違いないでしょう。
それだとちょっと先祖をさかのぼりしすぎですね。
コンピュータゲームのRPGの祖として有名なものは、「ウルティマ」と「ウィザードリィ 」です。
「ウィザードリィ」はシステムで、「ウルティマ 」は世界観で、後に登場するコンピュータRPGに多大な影響を与えました。
あのドラクエだって上記ニ作品をマネたぐらいですから、この2つのゲームは「RPGの古典」と言われて当然ですよね。
その「RPGの古典」には、この「ダンジョンマスター」も入って当然と僕は考えます。
一見3Dダンジョンから「ウィザードリィを真似た」と思われるでしょうが、 システムはまったく違います。
リアルタイムな戦闘、重量やスタミナの概念、ワナをも駆使した敵との戦い方、レベルの排除(熟練度システム)、(元のパソコン版ではマウスによる操作なんかもそうです)…。
実際に開発者はRPGユーザーから意見を集め、本作品を作ったそうです。
こういった「現実的に納得のいく概念(=リアルさ)」は、後のRPGにも多大な影響を与えていることは間違いありません。
どういったゲームがあるのかはここでは詳しく述べませんが、いちばん有名なものに「ウィザードリィVI」があります。
移動中に睡眠をとって回復など、ゲームシステムが変更され、「ダンジョンマスター」に近くなってしまいました。
他のゲームの手本とされていたゲームが、別のゲームを手本にしたということです。
「ウィザードリィはシステムが最初から良くできていたので、詰まってしまい続編が出しにくい状態だった」とも言われていますが、これはすごいことだと思います。
ちなみに「ウルティマ」の方はというと、「VII」あたりから「おや?」と思うようなオリジナリティの低いゲームになってしまいましたが、「オンライン」が出てきて、こちらは現在のネットワークRPG(MMORPGというのかな)の祖とされています。
(個人的にはウルティマは「オンライン」は出て当然だったと思っています)
3.プレイヤーを選ぶゲーム
紹介にもあるとおり、このゲームはかなり人を選ぶゲームです。
僕や僕の弟は楽しめましたが、KGRさんやNさんには受け入れられませんでした。
僕の弟も二人の友人に貸したら、1日で返ってきたそう です。
「セガサターンマガジン」でこのゲームの最新作「ダンジョンマスター ネクサス」を推薦していた人も、「面白くないと言う人も多いが、そういう人でもせめて主人公の生い立ちぐらいは考えて欲しい」と書いていました。
熱狂的なファンがいる反面、それだけ投げてしまう人も多いということです。
その良さを分かる人とそうでない人の違いは何か、それはズバリ「ゲームを能動的に楽しむことができるか」ということだと思います。
「能動的にゲームを楽しめる」というのはどういうことか。
それは目に入ったもの、手で感じたもの、耳で聞いたものなど、外から入ってくるものだけで楽しむのではなく、思ったことなど、自分の中から湧き出てくるものを楽しむことができる
ということです。
それは「想像力」「創造力」に直結します。
現在のゲームは、ひたすらゲーム開発者側が楽しみを提供することばかりを考えて、「プレイヤーに自由に楽しんでもらう、楽しみ方を考えてもらう」余地がなくなっています。
ユーザ側だって、ゲーム開発者から提供されているものをただ受け取るだけです。
本当の「楽しみ」は、人から与えられるものではなく、自分から発生するものだと思います。
「遊び」をクリエイトするのはナ○コではなく、自分なのです。
いろいろ語ると長くなりそうなので、今回はこの辺にしておきます。
だいたいのこのゲームのファンの人は、自分なりにストーリーを想像(想像)していると思います。
一番違いが出るのは主人公の性格などで、僕なんかは
「せがた三四郎風のイアイドー(武道ズボンでさらにパワーアップ、時の声連発)」
「コギャル風のウーツェ(ワームの肉に文句たらたら、寝るときは別の部屋)」
「知能の低いヒッサー(カタコト言葉だが一応リーダー格、戦闘では最前列で暴れる)」
「スケベ野郎のボリス(ウーツェの胸を触ってビンタ百連発、落ちてるホルターに超反応)」
でパーティを組んで、勝手なストーリーをつけて楽しんでました。
4.どんな人にプレイしてもらいたいか
少なくとも、RPGファンを名乗るならやっておきたいゲームですね。
あと、ゲーム開発を目指す人にもプレイしてもらいたいと思います。
というのは、ゲーム開発において「自分で楽しみを考える」能力は必要 だと思うからです。
それができない開発者は、これまで出たゲームの真似しかできず、そうしたものが乱発すると、いずれゲーム業界は廃れてしまうでしょう。
この作品は「RPGの古典」。
古典には現代でも通用する、さまざまなヒントが隠されています。
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