高橋由佳利がゲスト出演(友情アシ、解説など)をしている作品を集めてみました。 
ほかにもご存知の情報がありましたら、こちらからお寄せくださると嬉しいです。
  
友情?アシ 
「ちょっと小悪魔」萩岩睦美/「こらこらキララ!」「かん忍!茜」樹原ちさと/「すくらんぶる・えっぐ」一条ゆかり/「笊のような神経」森脇真末味 
解説など 
「ぱふ」(一条ゆかり特集号)/「目のうろこ」小田空/「銀曜日のおとぎばなし」萩岩睦美/「ときめきトゥナイトロマンティックアルバム」池野恋/清原なつの諸作品
  
■ 「ちょっと小悪魔」 萩岩睦美    (1980年「りぼん」2月号掲載) 
 
デビューして間もないころの読み切り作品。 
彼女が突然つれなくなったワケ、それは居候の吸血鬼…?可愛らしいコメディです。 
ラスト近く、「りぼんふろく」と描かれた「それからのパスカル」のポスターが出てきます。 
同時期に漫画スクールの投稿者だったお二人は、デビュー前から友人だったそうです。ひと足先に「それからのパスカル」で連載を始めた高橋由佳利が、お遊びで描き込んだのでしょうか? 
 
(収録単行本:りぼんマスコットコミックス「銀曜日のおとぎばなし」5巻) 
 
(04/07/03 この情報はカズミさんからいただきました。ありがとうございます) 
 
  
■ 「こらこらキララ!」 樹原ちさと     (1987年「りぼん」6月号〜10月号掲載) 
 
名門女学園のはみだしっ子・グズのキララには、本人も知らない秘められた才能があった。それは… 
樹原ちさとらしい支離滅裂コメディです。 
第一話に登場する寮の女生徒たちを、高橋由佳利が描いています。キララを目の敵にしている風紀委員長が「男の方との文通」を咎めると(実は少年隊の東山くんから届いたファンレターの返事)、「ひぇー」「すっごいわあ」などと大騒ぎする(笑)どうも「王様たちの菜園」を思い出してしまう… 
どうやら初回だけのお手伝いのようです。 
 
(収録単行本:りぼんマスコットコミックス「こらこらキララ!」) 
 
(04/07/03 この情報はカズミさんからいただきました。ありがとうございます) 
 
  
■ 「かん忍!!茜」 樹原ちさと    (1982年「りぼん」11月号〜84年4月号掲載) 
 
同じく樹原ちさと作品から。忍者一族の末裔、茜が繰り広げる学園コメディ。 
2巻で芸能コース歌手クラスの生徒たちを高橋由佳利が描いています。 
また4巻には樹原・高橋両人の影武者が「そっくりさん部門」に登場するシーンが。 
 
また「桃色ミステリー」3巻のあとがきには、「海に行ったものの天気が悪く真っ白のまま帰ってきた」エピソードに、同行者として「首の長い漫画家」高橋由佳利が出てきます。 
 
(収録単行本:りぼんマスコットコミックス「かん忍!!茜」) 
 
(02/11/15 この情報はさとみさんからいただきました。ありがとうございました) 
 
  
■ 「すくらんぶる・えっぐ」 一条ゆかり    (1982年「りぼん」6月号〜10月号掲載) 
 
酒のはずみで女だらけの一家に居候するはめになった少年が主人公。軽妙で余裕あるストーリーはこびに女王の貫禄がうかがえます。 
 
これをお手伝いしているのが、当時の「りぼん三人娘(笑)」小椋冬美、樹原ちさと、高橋由佳利。ちょうど「プラスティック・ドール」連載中の時期にあたります。 
コミックスの欄外には、高橋由佳利の手による一条キャラの模写(そっくり。漫画家はこれくらい描けて当たり前なのかな)と、ちょっとした笑えるコメントが載っています。 
しかし、作品をつぶさに眺めてもどのシーンを担当したかさっぱりわからない…全員黒子に徹したのでしょうか… 
 
(収録単行本:りぼんマスコットコミックス「すくらんぶる・えっぐ」、集英社文庫「すくらんぶる・えっぐ」) 
 
  
■ 「笊のような神経」 森脇真末味    (1983年「グレープフルーツ」12号掲載) 
 
そもそも私が森脇真末味を読むようになったのは、高橋由佳利の初期コミックスの柱などで何度か名前があがっていたからです。 
読んでみたら絵柄もストーリーも全然似通ったところがないので驚いたものですが、そのストレートで独特な魅力にひかれてほとんどの作品を揃えるまでになりました。 
 
「笊のような神経」は森脇真末味の代表作のひとつ「緑茶夢」のちょっとした番外編なのですが、はじまって間もなく、登場人物が話をしている地下鉄のホームに「プラスティック・ドール」のマリエのポスターが貼ってあります。 (しかも何枚も…) 
おそらくホームの看板の字も高橋由佳利のものじゃないかと思うのですが、お遊びで書き込みしたのでしょうか。ファンとしては嬉しいワンシーンです。 
 
逆に森脇真末味のほうも「プラスティック・ドール」の手伝いをしたらしく、たとえば1巻155ページで篤郎にサインをねだる女子高生などは彼女の手によるものでしょう。 
(「プラスティック〜」では多くの漫画家の絵をみつけることができるので、おヒマな方はじっくり探してみてください) 
 
お二人はなぜ知己があるのでしょう? 
考えられる共通点は同郷(兵庫県)ということくらいなので、このあたりにキッカケがあったのではないかと想像してはいるのですが。 
 
(収録単行本:新書館「男は寡黙なバーテンダー」、新書館「ゴドレイの恋人」、小学館フラワーコミックスワイド版「緑茶夢」2巻) 
 
ちなみに… 
森脇真末味の「おんなのこ物語」では、主人公の八角がケガをして小汚い病院に運ばれるのですが、そこの先生には「由佳利」という名の小さい孫娘がいます。 
「ミテー 幼稚園デカイタノヨー」 
「おおうまいね 由佳利は絵かきさんになれるね」 
「チガウモーン マンガ家ダモーン」 
「そか そか」 
「モーロクジジイ」 
「ははは」 
というセリフのやりとりもあり。 
これはおそらく高橋由佳利のことでしょう。由佳「利」という名前は珍しいし、マンガ家になるなんて言ってるし。 
こんな可愛げない子供(笑)にしているあたり、お二人の仲は相当気の置けないものだったのではないかと推測されます。 
 
  
その他(解説など) 
 
  
■ 「ぱふ」    (1983年12月号)
  
一条ゆかり特集号。 
「一条ゆかりの友人たち」というコーナーで、弓月光や松苗あけみらに混じってコメントを寄せています。当時のりぼん作家(一条ゆかりの後輩)代表、ということでしょう。 
ちなみに見開きで小椋冬美と並んでいるのですが、名前が逆になっている。ハデな誤植だな… 
コメントの内容から、高橋由佳利にはOL経験があるということがわかります。 
 
一条ゆかりは高橋由佳利のことを「(スターにはなれないけれど)麦のように長く描いていく人」と評したそうなのですが、私にはこの意味がいまいちわからない…(麦って常緑植物なの?) 
 
  
■ 「目のうろこ」 小田空    (集英社・1991年10月発行) 
 
80年代のりぼんっ子には「空くんの手紙」でおなじみ小田空の、ユーラシア大陸旅行記。 
(当時のりぼん作家って、外国に縁のある方が多いね) 
高橋由佳利や萩岩睦美もコメントを寄せています。 
 
こちらのページ(「なますて便り」内)に詳しい内容が載っています。 
esbooksで見てみると、取り寄せできるみたいですが、読んでみたいなあ…どうしようかなあ… 
ちなみに私の昔からの疑問は、果たして彼女は「勝手にセレモニー」の小田空子先生に似てるのか否かということ。この本読んだらわかるかな。 
 
  
■ 「銀曜日のおとぎばなし」 萩岩陸美    (集英社文庫・1999年4月発行) 
 
2巻のあとがきを書いています。(ちなみに1巻は小田空) 
立ち読みで確認しましたが、いま手元にはありません。だってRMC版で持ってるから… 
余談ですが、「過激なレディ」の後編に「銀曜日〜」のスコットが巡査役でゲスト出演(といっても高橋由佳利の模写ですが)しているシーンがありますね。 
 
  
■ 「ときめきトゥナイトロマンチックアルバム」 池野恋    (集英社・2000年10月発行) 
 
「ときめきトゥナイト」のファンブック。 
表紙画像はこちら。(集英社コミック文庫HPより) 
「池野恋先生へのメッセージ Dear恋ちゃま」というコーナーで、イラスト付きコメントを寄せています。 
「カリフォルニアの休日」(「なみだの陸上部」3巻収録)を読めば、仲の良さはわかります。 
 
ちなみに私は未読です。なぜなら「ときめきトゥナイト」を読んだことがないので… 
(もちろん「りぼん」購読中は目を通していましたが、断片的な記憶しかない) 
りぼんっ子としては一度みてみたいと思ってるのですが。 
 
えいこさんのサイト「また会う約束」内の「ときめきトゥナイトの魅力」というページに、この本の内容が詳しく書かれています。 
 
(以上 01/10/20) 
 
「ときめきトゥナイト」RMC11巻に、池野恋による高橋キャラの模写がみられます。 
22ページ、大木を追いかける望里と椎羅のコマにつづいて 
「るう子が走る!」(ハチマキしめて走るるう子の真剣な顔) 
「青春の汗が光る」(同じく望里の顔) 
「スポーツ感動ロマン ときめき陸上部」(しかしゴールテープを切ったのは上記の大木…) 
その後、「ふざけてるひまがあるんですか」と椎羅に怒られ、るう子からは「人をおちょくらんといて」とつっこまれる望里パパ。 
 
(02/09/02 この情報ははさみさんからいただきました。ありがとうございました) 
 
  
■ 「ABCは知ってても…」「俺たちは青春じゃない」 清原なつの    (早川書房「春の微熱」収録・2002年5月発行) 
 
清原なつののりぼん時代の読み切りを集めた待望の短編集。 
この中の2編に、高橋由佳利とのちょっとしたお遊びがみられます。 
 
▼清原なつの「ABCは知ってても…」(1983年りぼんオリジナル初春の号) 
 
男の子にスカートを触られただけで「にんしんするわ!」とパニックしてしまう主人公が、先生に質問します。 
「わたしにABCを教えてください!」 
返ってきた答えは 
「高校生にもなってABCとはなんというオチコボレ!」 
もちろん先生は、たんなる「アルファベット」と誤解しているわけですが。 
 
▼高橋由佳利「王様たちの菜園」(1983年りぼん7月号) 
 
「ところでみんな、ABCって知ってる?」 
という主人公・蜜子の問いに、純粋素朴な海猫寮の仲間たちは「しらない…」「なんのこと?」ときょとんとしてしまいます。 
それを受けて友人の菊子が言うセリフが 
「高校生にもなってABCとはなんというオチコボレ!」 
このコマの欄外には「なつのさん勝手にすいません」というコメントあり。 
 
そしてその後、菊子が皆にする講釈の内容が 
「A 目が合う B 話をする C 手をつなぐ D にんしん」 
「そうじゃない!!」といきりたつ蜜子ですが、じつは彼女も何のことなのか知らないのでした。 
 
▼清原なつの「俺たちは青春じゃない」(1983年りぼんオリジナル秋の号) 
 
学校では「ススんだ女」で通っている主人公だが、じつはファーストキスさえ未経験。こんなことではいけない、とりぼんを読んで性知識をお勉強。 
この「りぼん」が、上記の「王様たちの菜園」が載っている号なのです。(ちゃんと表紙に「菜園」の文字が見える) 
で、上にあった「A 目が合う B 話をする C 手をつなぐ D にんしん」という誤った知識を仕入れてしまうはめに。 
欄外には「由佳利さん 見てるー?」とのコメント。 
 
…と、こんなふうにつながってるんですねー。面白い。 
いまやABCなんて死語も死語ですが…古き時代の乙女たちのお話でした。 
 
(02/06/03 このことを教えてくれたのはトウカさんです。ありがとうございました)
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