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パロディ放送局 U.H.F. / レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ / ヤング・アインシュタイン / 愛と栄光の日々 / 地獄のロック&ローラー

パロディ放送局 U.H.F.


いきなり音楽映画じゃないです。脚本兼主演はアル・ヤンコビックですが、プロモパロディをやるわけでも絶妙な演技を見せるわけでもありません。
倒産寸前のおんぼろテレビ局・チャンネル62を譲り受けたジョージ(アル)。ひょんなことから子供番組が大ヒット、一躍視聴率トップに踊り出る。しかし怒り心頭のメジャー局社長が画策を…合間に入る映画や(私は知らないけど、たぶん向こうの)テレビ番組のパロディ、くだらないCMの数々が最高です。目の見えない人がルービックキューブやってるのに笑った。
あと、日本語字幕にちょっとキュートなとこがあるんです。こういうの他の映画でもやればいいのに。
もうひとつ。アルの友人役の俳優、David Boweってまぎらわしいんだよー。

追記…途中アルがみる夢はダイアー・ストレイツ「Money for Nothing」のプロモパロディなんだそうです。元のビデオ知らないからわからなかった。観てみたら、ほんと、そのまんまだった(笑)




1989/アメリカ
監督ジェイ・レヴィ


レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ


ペンギンブーツに男気こめて、オレたちゃいくよどこまでも。フィンランドのアイドル、レニグラを世界の人気者におしあげた一作。
ジム・ジャームッシュから買ったキャディラックで、アメリカ大陸を南へ、南へ。ポルカじゃ売れないと言われれば夜通しロックをお勉強、「アメリカではビーチボーイズのような健康的なバンド(?)がウケるんだ!」と言われればズボンを脱いで海辺で日焼け…皆とっても真面目なんだ。対するマネージャー(マッティ・ペロンパー)の独裁者ぶりが可笑しい。
ライブシーンも満載で、「テキーラ」「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」から「第49集団農場のテーマ」まで楽しく演奏してくれます。ゴーゴーカウボーイズ。
(カウリスマキページ内の感想はこちらです)




1989/フィンランド-スウェーデン
監督アキ・カウリスマキ


ヤング・アインシュタイン


これも全然音楽映画じゃないんだけど、キュートなお話なので。
タスマニア島で両親と暮らすアルバート・アインシュタイン(脚本・監督兼主役のヤッホー・シリアス/結構好みの顔だったのに、いま何してるんだろ…)は、相対性理論の特許を取るため大都会シドニーへとやってきた。列車の中で出会ったのは賢く美しいマリー・キュリー、科学を愛する二人は心ひかれあうが…
このアインシュタイン、「ロックンロール」と「エレキギター」(ついでにサーフィン)を発明してしまうのです。ギターで世界を救った後は、故郷に凱旋して見事なステージも見せてくれる。本人が歌ってるのに口パクをフォローする気もないのが残念ですが(笑)自然に体が動き出してしまう皆がいいね。
お国柄なのか人柄なのか、不自然なほど下ネタなしのほのぼのした雰囲気。天真爛漫な野生児アインシュタインの可愛らしさに心なごみます。髪型もバリエーションに富んでてイイ。




1988/オーストラリア
監督ヤッホー・シリアス


愛と栄光の日々


工場で働くジョー(マイケル・J・フォックス)は姉のパティ(ジョーン・ジェット)とバンド活動しているが、未婚の母である彼女と厳格なクリスチャンの母親(ジーナ・ローランズ!)との板挟みで苦労する毎日。バンドのほうもうまくはいかない。辛気くさい話ですが、最後に顔寄せ合って歌う二人の姿にほっとさせられます。
80年代半ばといえば、作中にも流れるボンジョビやモトリーなんかが人気を博しはじめたころ。でももうちょいピュアなロックンロールを愛する二人は、ただただギターを持って歌います。マイケルもちゃんと演奏してますが、ステージではやはりジョーンが華。
「私の生きがいは心のときめき。ロックンロールこそがそうなの…」
ちなみにマイケルは私の大好きなイアン・ハンターの「Cleveland Rocks」を目覚ましにしています(舞台がクリーブランドなので)。
余談だけどジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの現ベーシストは元ハノイのサム・ヤッファだよ。




1987/アメリカ
監督ポール・シュレイダー


地獄のロック&ローラー


原題は「Trick or Treat」、ハロウィンがらみホラーというわけで日本盤にはまるで「ハロウィン」シリーズかのような副題がついてます。ヘヴィメタル好きのいじめられっ子が呪いのレコードを使って復讐をたくらむも、事態が大きくなってさあ大変、という(メタル要素以外は)よくある話。しかしこの主人公が後先考えないお調子者で、全然応援する気になれないんだ。悪霊として蘇るロックスター、トニー・フィールズは上手いんだけど…
見所は、後にアダム・サンドラーの「リトル・ニッキー」で人間界を救うことになるオジー・オズボーンが「ヘヴィメタル追放運動家の牧師」をやってるところ。とってつけたような七三分けで「僕のミサイルを君の愛の繁みに…」などと歌詞を読み上げてみせるのがおかしい。
あとジーン・シモンズもわりと重要な役で出てます。




1986/アメリカ
監督チャールズ・マーティン・スミス


(2002/11/22)


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