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彼を撃ち彼を守る

第6章−5

 

 「カーベル様!」
 ミロウドとザイスは彼女の後を追って走った。
 彼らが広場に到着したとき、そこは大混乱に陥っていた。
 やぐらからは花火のような虹色の光と、法呪の物理小片が吹き出していた。見たこともない膨大な力の流れが渦巻いていた。火の粉のように降りしきる紅い呪花のなか、天海女の戦士たちは右に左に走り回り、祭の法呪具を安全な場所に移そうとしていた。
「ヨオレイヒーーー!」
 頭のてっぺんを突き抜ける奇声を発して、長身のピエロが腰を振りふり、やぐらの隙間から姿を現した。
 ビバリンガムだ。彼は赤鬼のような巨漢をともなっていた。さらに後ろから続々と人間の姿が湧いてでた。
「イシマ将軍……ビバリンガム!」
 カーベルが声をあげた。
 そこに現れた者たちは、まさに彼女が知る人の軍隊だった。エルアレイ軍とロスグラード自治軍の兵士四十人が、対極大生物兵装をまとって海京へ突入してきた。
 白兵戦を旨とする彼らは、三人一組の小隊単位にすばやく展開した。鉄色に光る長銃身の突撃デュウを構えて、わらわらと迫りくる奇機どもを個別に撃破していった。
「ご無事ですか。ミロウド殿、カーベル殿」
 筋肉の小山のようなイシマが、重い甲冑を鳴らして現れた。
「イシマ将軍。これはいったい。なぜビバリンガムがいっしょに」
 カーベルが聞いた。
「インスフェロウ殿が、カーベル殿の移動をトレースすることに成功したのです」
「インスフェロウもここに?」
 目を輝かせてカーベルが身を乗りだした。
「いいえ。彼は巨龍を基層圧縮するためにアリウス殿と合流しています」
「わかりました。私たちはなにをすれば良いのですか?」
「退路を確保せよ、とのことです」
「退路……」
 彼女たちは海京を破壊しようとしているのだ。来た道を戻れる道理もなかった。しかし自分たちだけならば犠牲は最少で済むと、その問題を無視していたのだ。
 かんらかんらと笑いながらビバリンガムは言った。
「カーベル。正義に飢えたそなたらしくもない。ミロウドなる娘も人間なのであろう? 種を守るために神々にもあらがうおまえの動機を、私は好きだぞ」
「ビバリンガム。おまえが人間の軍隊とともに動くことを真四季様はご存じなのか?」カーベルが聞いた。
「私は真四季様の従属生物ではない。私は私の使命を全うするだけだ」
「なんですって?」
「わからんか。カーベルよ。情熱に脳髄まで煮えくりかえったか。終いには血管が切れるぞよ」
 ビバリンガムは。しゃりりんと鈴を鳴らして、絵筆のような指を振った。
「整理しよう。真四季様と魅寿司様は、天海女と征轟丸の約束の刻を正しく成立させるために、監業官としてここに来られた」
 長身のピエロは、くるりと回って視線を集めた。
「そして私は? そう。天海女に住む生き物の生命を守るために派遣された」
「誰に」
「いくさをつかさどる神々にだ」
「でも脱出する者を選択していたじゃない」
「カーベル。単純な話しだ。魅寿司様の時間法呪は、私に関係がない。魅寿司様がなにをしようが、おまえたちがなにを望もうが、私の使命はただひとつ。動く生き物を一体でも多く天海女から脱出させることだ。簡単であろう?」
 それが神々の論理なのか。単純と言えば単純。しかし魅寿司とビバリンガムの動きは二重基準のように見えた。
 魅寿司がカーベルに打ちのめされてまで遂行しようという、天海女と征轟丸の戦いの行方にビバリンガムが関与しないとは。
「ただしカーベル。魅寿司様を傷つけたおまえの罪を忘れたわけではないぞ」
「目的を果たし、ここを脱出できたら勝負してやろう。そのためにも私たちに脱出の道を示せ」
「おおう。傲慢な魂よ。安心しなさい。海京と天海女の位相遷移臨海域にマギーの門を開いてある。そこは海京の地下通路を抜けたところにある位相遷移の境界線に位置する」
「……ビバリンガム。いまおまえが言ったことは、動ける人間であれば、神の影響を受けていようと脱出させてくれるということね」
「魅寿司様は、神々の影響下にある者たちを時間凍結したが、殺したわけではない。ましてや私には神々の痕は判断の埒外である。なにを考えている? 凶悪な娘」
「カリンビールたちも脱出させるわ」
「なにを……! カーベル様。どうして彼らを」
 ミロウドが驚いて聞いた。
「インスフェロウが私に言ったわ。おまえの正義をなせ、と。私の正義は人間を守ることよ」
「カーベル様……」
「ほーーーほほほほほほっ」
 ビバリンガムが爆笑した。
「恐ろしやおそろしや、カーベルは恐ろしや。種を守るために神にあらがうことを由とする魂は美しい」
 イシマが割って入った。たくましい腕を広げて周囲を指し示した。
「カーベル殿。しかし見ろ。彼らはあなたの心を微塵もわかってはいないぞ」
 それは真実だ。海京の人間はカーベルたちの追撃に入っていた。


 人と従属生物がいっせいにカーベルたちを襲いだした。
 それはダムが決壊して、行き場を与えられた膨大な水が暴れ出す様にも似ていた。
 色鮮やかな祭り衣装を身にまとった男と女たち。そして奇機もまた、布をまとい、化粧をして色をはべらせていた。
 戦いの陣形というよりも、祭りの行列のように、彼らは強力な法呪の気配を振りまいて襲いかかってきた。
「第六小隊、前へ! 迫撃砲撃て」
 三人の若者がカーベルたちの前面に走りだして、次々と小爆弾を発射した。
 殺傷力の強い爆発物を正面から撃ち込まれた奇機は、たちまち炎と爆風でなぎ倒された。その後方で人間たちが法呪文を唱えだしていた。
「突撃デュウで後ろの人間達を狙って!」
 カーベルが叫んだ。
「法呪を完成させてはだめだ」
「えっ? 撃っても良いのですか?」
 ザイスが驚いて聞いた。
「殺さないで。法呪文を止められればいい。弾をかすらせて」
「そんなことは不可能です……!」
 無茶な注文だ。狙撃デュウではないのだ。
「やるのよ! 足は絶対に傷つけないで、自分で動けなくなったら、あなたがかつぐのよ」
「カーベル様! 無理です」
「救える者を一人でも多くすればいい。撃って! 私たちが全滅するわ。早く!」
 ガガガ、と暴力的な音を立てて長デュウの銃口が橙色の炎をあげた。
 火薬で撃ち出される金属の固体弾は、鋭く尖った先端で、低練度の物理障壁は突破した。
 肉弾戦の用意を持たない人間たちは、手を撃ち抜かれて人形のように倒れていった。
「築きて叶わず失せる法は、巡りて唱えし者に戻らん」
 カーベルがすかさず反呪喚起の法呪を飛ばした。
 それは中断された法呪の威力を、術者に送り返す技だった。デュウに倒れた者たちが途中まで築いた法呪を反呪として打ち返した。
 すさまじい火炎が、なにもない空中から巻き起こり、倒れた術者たちをなめつくした。
 熱風がカーベルたちにまで吹きつけてきた。
「……すごい……!」
 反呪の強烈さにカーベルは総毛立った。失敗した法呪でこの威力。
「なんというてだれたちだ」
 まともに攻撃を受けることは確実な死を意味した。
「デュウと爆弾で奇機だけを殲滅するんだ。我々の後退の時間を確保しろ。そして我々の退路に人間たちを誘導する」
 カーベルは力で勝ち目のないことを本能的に察した。法呪の腕が違いすぎる。天海女の人間たちの法呪に比べれば、カーベルたちのそれなど児戯にも等しかった。
 かろうじて対抗しているのは、一重に彼女たちの技が、巨龍や人間との肉弾戦に特化したものであったからにすぎない。
「カーベル様、むちゃです……!
 ミロウドが悲鳴を上げた。たしかに彼女のやろうとしていることは尋常ではない。しかしまもなく爆破される海京に彼らを置き去りすることなどできなかった。


 カーベルたちの脱出は困難を究めた。
 彼らは海京の街を見下ろす、小高い丘に戦いの場を移しつつあった。
 海京の存在する位相は、空高くに天井があった。しかし盆地を形成して、海京を懐に抱える土地は、地上の街となんら変わるところがなかった。
 丘から見下ろした海京の街は美しかった。正方形を基調にした計画都市だ。大路の間を計算された細い小路がいくつも走り、四辻ごとに備えられた橙色の灯り が家々を浮かび上がらせていた。エルアレイのような四階、五階建ての建物はない。街の中央に位置するやぐらがもっとも高い建築物だ。
 計算づくで作られたようでもあり、生活の合理性が結実したようでもあり。機能美と人の生活がかもし出す優しさが満ちた美しい街だった。
 カーベルたちは、その海京を破壊しようとしていた。
 開けた土山に、杉の亜種が生える古墳のような奇妙な丘だった。カーベルたちは丘の反対側に降りることによって、海京爆破の影響を避けようとしていた。
 そしてその彼方には、ビバリンガムが言うマギーの門への道があるはずだった。
「あの施設はなんだ」
 イシマが不吉な建物をみつけて言った。それは丘の中腹に立てられた大きな施設だった。
 灰色の無機質な壁を、ひ弱ないばらが覆っていた。黄色いヤニがガラスの窓を汚していた。建物の住人は外観の美しさになど興味がないかのようだった。
「ローズベイブ……?」
 ミロウドが沸き起こる記憶にうながされてつぶやいた。佐竹の記憶にある名前だった。それは人の博士であり、戦闘従属生物を作っていたローズベイブの研究所だった。
 建物のどこかから、奇機がわらわらと姿を現す様が見えた。
「あそこから怪物どもは出てくるのか」
 イシマは目線でカーベルに砲撃の許可を求めた。
「第二小隊、迫撃砲火炎弾用意。撃て!」
 三発の火炎弾が研究所に殺到した。轟音とともに紅蓮の炎が巻き起こった。
「ぎしゃしゃっっ」
 言葉で現せない獣の雄叫びが轟いた。
 研究所を不可視の巨大生物が覆っていたのだ。形の定かではない巨獣は、身をよじり灼熱の炎をしのぎきった。寺の尖塔に似た角が、首から顔まで針鼠のよう に突き出した、おそろしく印象的な巨獣だった。手足があるのにとぐろを巻いていた。鋼鉄のうろこに覆われた怪獣だ。深海魚のような大口がばっくりと開い て、火炎弾の残り火を吹き飛ばした。
 兵士たちが驚きのあまり足を止めた一瞬。
 かすかな羽音が空気を揺らした。
「あぶない!」
 殺気を感じたミロウドが叫んだ。
 鋼鉄のくちばしを持つツバメが、人の目を超えるスピードでカーベルたちに殺到した。
 槍ぶすまのごとき突風が吹き抜けた。
「がっ……」
 兵士たちの半数までが地面に叩きつけられた。
「しゃああああっ」
 カーベルの回りには姿を現した五匹の楽蛇が、口で受け止めた音速の燕をかみ砕いていた。
 対極大生物兵装で武装した兵士たちは、甲冑に受けた衝撃にくらくらしながらも、次々と身を起こした。
「カーベル様! 第二波が来ます!」
 ミロウドが物理障壁構築の法呪を展開しながら叫んだ。
「えっ? ああ……糸干し堅こき薄紙を重ねるが如く、鉄にあらがうまとわりのーー」
 我に返ったカーベルは、足元に散らばる燕の破片を見て攻撃があったことを理解した。
「ミロウド様が障壁からはずれているぞ!」
 だれかが叫んだ。
「ミロウド様!」
 ザイスが走り、ミロウドに覆いかぶさった。
 ごおぅ と、必殺の燕が飛び抜けた。
 突き上げるような激しい衝撃が、ミロウドを襲った。
「……うっ? ……」
 負傷を覚悟して恐るおそる開いた目は、右手が鮮血に染まっているのを見た。
 血が吹き出すように流れていた。恐怖にかられたミロウドは、治癒法呪を展開するために血を舐めた。そしてその血が自分のものでないことに気がついた。
「ザ、ザイスさん。ザイスさん!」
 ミロウドが若者の名を呼んだ。
 カーベルたちと行動を共にしてきたザイスは甲冑を着ていない。ミロウドの腕に崩れ落ちた彼の背中には七羽もの燕が突き刺さっていた。
 若い身体が、鳥の死骸のように柔らかく地面に伸びた。
「だれか。ザイスさんが」
 ミロウドの悲鳴に駆けつけた衛生兵は、若者の脈を取り、首を横に振った。
 ザイスはすでにこと切れていた。
「まさか……そんな」
 自分を守って友人が死ぬ。ミロウドは心臓が凍りつきそうな、そして破裂しそうな恐怖につかまった。
 生きている者には不可能な弛緩がザイスの身体を覆った。カーベルもまたザイスの横に膝をつき、温かい若者の手を握りしめた。
 ミロウドはうろたえてカーベルを見た。細い前髪が汗で額に張りついていた。
 しかしカーベルはちいさくうなずいただけだった。
「いくわ……!」
 カーベルは立ち上がった。


 ローズベイブの従属生物たちは、次々とわき出るクンフのようだった。
 どこかでガシャンと檻の飽く音が響くたびに、おびただしい数の戦闘用従属生物が襲いいかかってきた。唯一の救いは、海京の人間たちと同様に、彼らが肉弾戦を重視した作りになっていないことだった。
 兵士たちが持つ火器が、思いのほか有効な対抗手段となった。
「カーベル殿! 彼らを殲滅しないで脱出することは難しいぞ」
 イシマがカーベルの耳元で叫んだ。
「奇機とかいう従属生物どもが強すぎる。もっと強力な兵器で一気に叩かないと」
「だめよ。カリンビールたちを傷つけないで」
 しかし彼らの兵士にも犠牲者は出始めていた。
「手加減して勝てる相手ではない」
 イシマの怒りがカーベルを叩いた。
「…………」
 カーベルは奇機の爪を受けた兵士に肩を貸しながら攻撃法呪を放った。
「カーベル様……!」
 ミロウドの悲鳴がかすかに聞こえた。
 地中から飛びだした三体の奇機がミロウドを襲った。彼女の細い足首を泥だらけの手で掴み、左右に開こうとしていた。
 人に倍する奇機は、ミロウドをまっぷたつに引き裂くかと思われた。
 兵士が脇に回り込み自分に注意を向けようとしたが、祭り衣装のミロウドは目だちすぎた。
「くそっ」
  指示を出し、自らも戦う。しかも未知の敵に対して。それはすさまじく困難なことだった。
 カーベルが走ろうとした瞬間。視界が揺れるほどの圧迫感が真正面からぶつかってきた。
 ……やられた! ……
 自らを超える力が迫り来たことを本能で感じた。
 彼女の長い髪を吹き散らして灰色の疾風が駆け抜けた。
「がおおおおっ!」
 海京を震えあがらせる雄叫びが轟いた。
 金色の眼の怪人が奇機を叩きつぶした。 甲冑のごとき奇機の身体が赤い体液を散らして地に這った。
「インスフェロウ!」
 カーベルが叫んだ。
 山をも越える巨人のように、強く重くインスフェロウは振りかえった。
 逆光の影の中で、金色の瞳だけが爛々と輝いた。
 両肩の印肢を霞むほどに打ち振って、必殺の攻撃法呪が構築された。
「おおおおっ」
 伸ばされたたくましい掌から、大気を焼く電気の力が放たれた。
 目にはみえない力線が奇機に命中した瞬間、体内の水分が沸騰した。
 ぐばっ! っと、奇機は水蒸気爆発を起こした。
「下がれ!」
 祭り人の命令よりも早く、インスフェロウの掌が右から左に打ち振られた。
 光のない力線が最前列の奇機を舐め尽くしていった。
 たちまち奇機は破裂した。血肉のスープが海京を汚染した。
 ィィイイイイィィィィン。
 大気を震わせる法呪の余韻が、人の耳を鳴らした。
「むう」
 祭り人は、突如として現れた巨人に目を奪われた。
 インスフェロウの印肢は、ブゥゥン、と羽音を震わせ法呪を組み上げた。
 祭り人たちは目に見えるほどの複合障壁を構築しかけたが、カーテンが引き千切られるような乱暴さでキャンセルされた。
「がっ!」
 祭り人の数人が、青黒い闇に襲われた。
 まるで歪んだ鏡に映った映像のように、人間がでこぼこに変形して地面に転がった。
「ま、まて。待って。インスフェロウ!」
 カーベルがあわてて怪人を止めた。
 さもなければ、凶悪な攻撃法呪が、祭り人を粉砕するかに見えたのだ。
「おう。了解だ。カーベル」
 インスフェロウは、あっさりと腕を下ろした。悪鬼の羽のように展開されていた印肢は、法呪中断の謝納文をつむぎだしてから肩に収納されていった。
「インス……」
 カーベルは頬を紅潮させて、彼の名前を呼んだ。
 インスフェロウは、カーベルを見つめて顎を引いた。それはうなずく仕種らしかった。
「インスフェロウ……」
 抱きつきたくなる衝動を押さえて、カーベルは瞳を上げた。
「インスフェロウ。巨龍は設置できたの?」
「もちろんだ。広場の崩れかけた祭りやぐらに現れるだろう。湯につかって基層圧縮を解除しつつあるところだ」
「よし」
 カーベルは後ろ手でインスフェロウのローブを握りしめたまま、祭り人たちに身体を向けた。
「カリンビール。聞いて。私たちはこれから海京を爆破するわ」
「なにを言うか」
「エルアレイを救うために、海京を爆破しなければならないの。だからあなたたちは私たちと共に来なさい」
「おのれカーベル。我々を海京市街から引き離したのは罠か!」
「そうよ。あなたたちを死なせない!」
「その金の目の怪物は何者か。強力すぎる従属生物は」
「私の従属生物、インスフェロウよ。私たちみんなを守るために戦うわ」
「カーベル! 貴様を殺しておくべきだった」
 カーベルはインスフェロウに聞いた。
「巨龍の爆発はいつ?」
「基層圧縮した巨龍を祭やぐらに置いた。解除は進んでいる。いつ爆発しても不思議はない」
「了解よ」
 カーベルはイシマたちに向かって命令した。
「撤退します。ビバリンガムの設置したマギーの門までたどり着くように。そしてカリンビールたちも誘導するように」
「カーベル。なぜそうまでして彼らを救おうとするのか。いったいなんの義理があるのだ」
 イシマが聞いた。インスフェロウがそれに応えて言った。
「趣味だな」
「趣味だと? 伊達や酔狂で戦う者はいない」
「カーベルの好む形が、彼女の正義として現れているのだ」
「……なんだと……?」
 カーベルは二人の会話を無視して言った。
「だれかを殺してでも……ぜったいにみんなを助ける。行きます」

 

 

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