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魔術都市ピール

ピール

 ピール(その実態から「魔術都市」と冠される)は、数Kmの範囲に広がる「塔」の集合からなる都市である。
 ソイル選王国とファイニア低地王国の国境線付近に位置し、事実上どちらの国の統治も及んでいない独立都市となっている。

周辺の地形、気候

 周辺がなだらかな高地に囲まれた盆地に位置しており、都市周辺にはほとんど起伏の無い草原が広がっている。
 徒歩1日程度で達する高地のふもとには、いくつかの村があり、ピールに向かう旅人の宿場町や、農業生産品の供給地としてある程度栄えている。
 気候は、日差しが強く乾燥した夏季と、降水(まれに雪)を伴う冬季にわけられる。
 (要するに、地中海性気候に限りなく近いです)

ピール湖

 このセクションの文責はふうせんかずらにあります。
 ピールからファイニア側へ、街道沿いに馬で1時間ほど行くと、綺麗な湖が街道から見える。
 大きさは井の頭池程度(井の頭公園にある大きい池で、神田川の源流です)。
 これが、通称ピール湖と呼ばれるごく最近出来た湖である。
 この湖は、湖の中央に住んでいる変わり者の水霊が《聖水》を量産し続けることでこれを維持している。
 湖の水が《聖水》であることから、この水は大変美味しく、綺麗である。
 付近にはピールを一望できるちょっとした丘(歩いて上りきるのに20分かかる)もあり、急速に観光地化が進んでいる。
 はっきりした行政上の区分は無いが、ピールにかなり近いため、ピール湖でも、自治組合員が定期的に見回ってトラブルを解決している。
 このため、旅人の間ではこのピール湖に着いたら「魔術都市ピールに入った」とみなされている。

政治形態

 ピールにおける最高行政府として「評議会」が存在しているが、もともと他者とのかかわりをあまり求めないウィザードの多い町であるために、
この組織が実権をもって事にあたることは少なく、明文法も事実上存在していない。
 そのため、本来取り締まられるべきである黒の月信者(ソーサラー)が地下に跋扈することを許している、という負の側面を生んでいる。
 都市内部における犯罪的行為については、それを罰する法が存在しない。
 一方的な殺人などの明らかな脱法行為が行われた場合には、都市外への追放が行われ、引渡し先(ソイルかファイニアのどちらか、状況によって異なる)の法に基づいて裁かれることになる。

治安

 統治形態が非常に緩やかなものであるにもかかわらず、ピール市内の治安は他の都市に比べると凶悪犯罪の発生率などの点において、
むしろ良い方に属している。
 これは、他の都市に存在する「貧民層」と呼べる所得層が存在しないこと、および、ピール自治組合の働きによるものであると考えられる。
 ただし「治安が良い」ということが「安全である」ということに直結しないこともまた、事実である。ピールの魔術研究塔が並ぶ地域では、日夜行われる魔法実験にかかわる事故が多発しており、その結果、いわゆる不特定多数の人民の流入が防がれているという点も治安にかかわる話題で無視できない点であろう。

経済

 ピール経済は、魔術品の輸出を主(というよりほぼ、唯一)とした第二次産業主体の経済構造をとっている。
 基本的には「師匠」と呼ばれる高い技能を持った魔術師と、少数の徒弟のみによる家内制手工業的な生産形態が主となっているが、最近になって、徒弟レベルの魔術師を雇って魔化を行う工場制の生産を行う集団も現れてきた。
 なお、都市の東部に広がる「非塔地域(塔の存在していない市内地域)」には魔術品やその材料の売買や、日用品の売買を主とする第三次産業が発達している。農業品の輸入は主として周辺の衛星都市群に頼っている。

 ピールという都市の外観を構成する最も大きな要素はこの「塔」と呼ばれる古代遺跡群である。
 古代(一説によると白月時代ともいわれる)から存在してきたといわれるこの建造物群は、本来の目的も定かにはなっていないが、魔法研究施設としての性能が優れていることから、もっぱらウィザードやペローマ魔法研究者の居住地兼研究所として利用されている。
 ただ、その居住性能はあまり良好とは言いがたく、塔自体が全くの不定期に移動、伸縮を繰り返し、そのたびに街の地図は書き換えを余儀なくされる。(最近になってようやく「最新版の地図」が用意されることもあるようになった)
 塔の移動、伸縮に関しては、ピール評議会がコントロールをしている、という噂もあるが、公式発表によるとコントロールの技術は発見されておらず、ランダムに変更される地図との付き合いはピールに居住する時の宿命であるとも言える。

(以下編集中)