質的比較分析(QCA)のソフトウェア
- ソフトウェアについて参考になる資料
fs/QCA
fs/QCAはQCA専用のフリーソフトウェアです。QCAの最も基本的なソフトといえます。QCAの創始者であるチャールズ・レイガン(Charles C. Ragin)教授を中心に開発されました。通常の2値データのQCA(csQCA)と、ファジィ集合のQCA(fsQCA)の分析ができ、中間解を導出します。最新のバージョン3.0からはインストール作業が不要になり、またWindowsとMacで使用できるようになりました。
- バージョン3.0のダウンロード
- バージョン2.0のダウンロード
- マニュアル日本語版
自分のPCのOSがWindowsの場合はfsQCA 3.0 Windowsの隣のclick hereという部分をクリックしてください。Macの場合はfsQCA 3.0 Macの隣のclick hereという部分をクリックしてください。ダウンロードしたファイルを解凍すればすぐに使用できます。
古いバージョン2.0も公開が続けられています。特に必要がなければ上記のバージョン3.0の方の使用を推奨します。
バージョン2.0の内容に基づくマニュアルですが、バージョン3.0でもほぼ変わらずに使用可能です。
統計ソフトR
Rはフリーの統計ソフトです。Windows、Mac、Linuxで使用できます。Rでは、様々なパッケージを導入することで機能を拡張することができます。QCAについてもいくつか関連パッケージがありますが、その中で特に以下の2つを紹介します。
- QCA
- SetMethods
QCAに関する主要な分析が一通りできるパッケージです。通常の2値データのQCA(csQCA)、ファジィ集合のQCA(fsQCA)、多値データのQCA(mvQCA)に対応し、中間解の導出などが行えます。
質的比較分析(QCA)に関する本のページで紹介している、Schneider and Wagemann (2012) Set-Theoretic Methods for the Social Sciences.で提案されている、QCAの新しい分析方法を可能にするためのパッケージです。
Rのインストール方法
- ソフトのダウンロード(Windows)
- ソフトのダウンロード(Mac)
リンク先のページ(英語)の上の方にある「Download R x.x.x for Windows」をクリックしてください(x.x.xはバージョン番号)。
リンク先のページ(英語)の左の方にある「R-x.x.x.pkg」をクリックしてください(x.x.xはバージョン番号)。
QCAに関するパッケージの導入方法(Windowsの場合)
Rのメニューの「パッケージ」をクリックし、出てくるメニューから「パッケージのインストール」をクリックします。Secure CRAN mirrorsというウィンドウが出る。Japan(Tokyo)[https]を選びます。Packagesというウィンドウが出るので、その中からQCAやSetMethodsを選んでOKを押します。Rのメニューで「パッケージ」をクリックし、「パッケージの読み込み」をクリックする。「1つを選択してください」というウィンドウが出るので、その中からQCAやSetMethodsを選んでOKを押します。
操作方法
R自体の詳しい操作方法は、当ホームページのリンクにあるような、Rの使い方を解説したサイトを参照してください。パッケージに関しては以下の説明を参照してください。
- QCAパッケージの説明(英語)
- SetMethodsパッケージの説明(英語)
- Oana, Ioana-Elena, Carsten Q. Schneider, and Eva Thomann (2021) Qualitative Comparative Analysis Using R: A Beginner's Guide. Cambridge University Press.
- Dusa, A. (2019) QCA with R: A Comprehensive Resource. Springer.
- Thiem, A. and A. Dusa (2012) Qualitative Comparative Analysis with R: A User's Guide. Springer.
Tosmana
TosmanaはQCA専用のフリーソフトウェアです。通常の2値データのQCA(csQCA)と、多値データのQCA(mvQCA)に対応しています。バージョン1.5からはファジィ集合のQCA(fsQCA)にも対応しました。また、複雑な解をベン図で視覚的に表現する機能があります。Windowsのみで使用できます。
- ソフトのダウンロード
- マニュアル日本語版
リンク先のページ(英語)の右の方にある「Download TOSMANA x.x.x」をクリックしてください(x.x.xはバージョン番号)。
バージョン1.3の内容に基づくマニュアルですが、現在のバージョンでも多くの部分は使用可能です。
Kirq
KirqはQCA専用のフリーソフトウェアです。通常の2値データのQCA(csQCA)とファジィ集合のQCA(fsQCA)に対応しています。主項表(prime implicant chart)での選択を廃止するなど、理にかなった設計を行っており、これからの発展が期待されます。Windows、Mac、Linuxで使用できます。
- ソフトのダウンロード
- ソフトの使い方(英語)
リンク先のページ(英語)の上の方にあるKirq for Windowsをクリックしてください(Macの場合はKirq for OSX、Linuxの場合はKirq for Linuxをクリックしてください)。
統計ソフトStata
Stataは商用の統計ソフトです。Windows、Mac、Linuxで使用できます。Stataでは、様々なadoファイルを導入することで機能を拡張することができます。QCAを行うためのadoファイルとしてfuzzy adoファイルがあります。通常の2値データのQCA(csQCA)とファジィ集合のQCA(fsQCA)に対応しています。ただし、現在は既に更新を終了しています。
- インストール方法
- fuzzy adoファイルの説明(英語)
Stataで「findit fuzzy」というコマンドでadoファイルを検索して、インストールします。
ソフトウェアについて参考になる資料
上記の各ソフトウェアの機能の比較を簡単に表にまとめました。
その他のソフトウェアの紹介ページ
ソフトウェアの紹介はCompasssのページ(英語)にもあるので、参考にしてください。
様々なソフトウェアの使い方の説明
- 森 大輔(2017)「質的比較分析(QCA)のソフトの使用方法―fs/QCAとRのQCA・SetMethodsパッケージ(1)」熊本法学140、250-209.
- 森 大輔(2018)「質的比較分析(QCA)のソフトの使用方法―fs/QCAとRのQCA・SetMethodsパッケージ(2)」熊本法学141、388-348.
- Quaranta, M. & C. Q. Schneider (2013) How To . . . Use Software for Set-Theoretic Analysis.
fs/QCAとRの使い方について、日本語で詳しく解説したものです。fs/QCAはWindows版のバージョン3.0、RのQCAパッケージはバージョン2.6、SetMethodsパッケージはバージョン2.1を前提に解説しているため、その後のバージョンで機能などに変更のある可能性もありますのでご注意ください。
質的比較分析(QCA)に関する本のページで紹介している、Schneider and Wagemann (2012) Set-Theoretic Methods for the Social Sciences.の付録です。QCAに関する様々なソフトウェアの使い方が説明されています(英語)。