Prev Back Next

ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #206
サンダーフォースVI (PS2)

購入金額: 6800円箱説付

ゲーム内容
メガドライブやセガサターンで人気を博したテクノソフトのシューティングゲーム「サンダーフォース」シリーズの10年ぶりの最新作。
プロデューサーにゾルゲール哲氏、サウンドコンポーザーにTAMAYO氏を起用し、新しいサンダーフォースに生まれ変わった。
難易度が大幅に低下し、一般ウケを狙った反面、旧来からのファンには厳しい評価となってしまった。

H.Kuwanoの考察

1.確かに前作を期待すると厳しい

本作は10年以上のブランクを空けて登場した、サンダーフォースシリーズの続編です。
特に前作「サンダーフォースV」(以下V)にはコアなファンがいます。
そんな彼らが本作を酷評しているのを、インターネット上では良く見かけます。

確かにBGMとのミスマッチ感はあります。
作曲者は前作の人から変わってしまったようで、前作の印象が一変、おとなしくなってしまった のです。
AKFさんも「レイシリーズだ」と散々言っていたし、僕も最終面のトルコ行進曲(?)には驚きました。
ミーティングの場でしょっちゅうVの曲をかけていたKGRさんは、ショックを受けたことでしょう。

やっぱり、シューティングには萌え、もとい燃えが必要なんでしょう。
なんかこう、場面を盛り上げる燃えるような感じがBGMからは感じられませんでした。

 

また、「ステージの展開が単純だ」という意見がAKFさんから寄せられました。
確かに進行はなんか淡々としていて、80年台のシューティングゲームをプレイしている感じがします。
結構III〜Vを知っている人にはニヤリとさせられる敵やシチュエーションがあるのですが、扱いがぞんざいに感じる人も結構あるかも。

メンバーでプレイしたときは、結局KGRさんがセガサターンとVを引っ張り出して遊び始める始末となりました。
その後も定価で買ったAKFさんが「この内容だったら半額だったらいいけど、定価で買うとちょっと…」と言っていました。

 

2.でも新しく入る人はこっちでもいいかも

一方、NさんはVの映像を見て、「グラフィックが雑な以外違いが分からないんですけど」と言っていました。
シューティングに疎い人はもちろん、サンダーフォースシリーズをプレイしたことがない人にとっては、本作は新鮮に映るかもしれません。
確かにグラフィックはゲーム機の世代が違う分いいですし、個人的には演出は良く出来ていると思います。

また、難易度を低くして間口を広めようという試みも評価すべきと思います。
これまでの作は、特に敵の出現場所など、覚える要素が多すぎました
プレイを重ねるうちに進めるようになり、それも面白い部分なのですが、そこに行き着く前に投げ出す人も多かったんじゃないでしょうか。
本作ではミスしても装備を失わない、その場でコンティニューもできるようになっている等、初心者にも配慮した形になっています。

本作は旧作のファン(特にV)にとってはガッカリな内容だったということは否めません。
ただ、見方によっては本シリーズに興味を持って前作や前々作をプレイしてみようと思うきっかけになるかもしれませんし、今回の失敗(?)を機にVの頃のような志の高い続編が出るかもしれません。

 

ちなみに、本作を気に入ったらDC「セガガガ」のおまけゲーム「R-720」をプレイしてみましょう(最近は携帯でもプレイできるみたいですが)。
こちらはゾルゲール哲氏制作のゲームで、「STYX」という戦闘機でスタートすると、Vのコンポーザーが作曲したBGMでプレイできます(「R-720」のBGMも面白いものがありますが)。

 

3.グロテスクなボスでも、「R-TYPE FINAL」よりはマシ

本作のラスボスはちょっとグロテスクです。
旧作のファンが点槍玉に上げる点の一つでもあります。
確かに、サイバーな印象が強いサンダーフォースシリーズにはちょっと不似合いな気もします。

でも、個人的にはA区分を保っている時点で「R-TYPE FINAL」よりはマシだと思っています。
「R-TYPE FINAL」は余計な演出でB区分になってしまったのですから(個人的にはこれでも足りないと思いますが)。
サンダーフォースVIがこれで叩かれるなら、「R-TYPE FINAL」の方こそもっと問題だと思います。

ここでふと思ったのですが、本作は「シューティングゲームの復興」を目指して作られたのに対し、「R-TYPE FINAL」は「シューティングゲームよさようなら」 という感謝と別れの気持ちで作られたので、両者は対極的ですよね。
もちろん僕は前者を応援します。

 

関連情報

サンダーフォースV

本作の前作で、SS版と+αされたPS版がある。
3Dポリゴンを多用しつつも2Dの操作性を維持し、その演出面やアツい音楽で人気作となった。
KGRさんが特に好むゲーム。

R-TYPE FINAL

「R-TYPE」シリーズの最終作。
我々の間では、シューティングゲームとして問題作としている。
最終面の卑猥な演出は気分を害するだけでなく、おかげでCERO区分もBになってしまっている。


Prev Back Next