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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 178
R-TYPE FINAL (プレイステーション2)

購入金額: 1980円 (箱説付)

ゲーム内容

アイレムが2003年に発売した、有名シューティングゲーム「R-TYPE」の最終作。
AI戦闘がある。

H.Kuwanoの考察

1.幕を下ろすR-TYPEと、他の力を借りて続くグラディウス

本作は、どうしても有名シューティングゲーム「グラディウス」の続編「グラディウスV」と比較されてしまいます。
「グラディウスV」はこのゲームの1年後に登場し、こちらも久々のナンバリングタイトルの続編となりました。

「グラディウスV」は製作がトレジャーとなり、「コンシューマだけで登場」「モアイ」「コンティニュー不可」「2人同時プレイ可能」「その場復活も選択可能」など、これまでの伝統を「ぶっ壊し」、賛否両論となりました。
スペースインベーダーをUPLがリメイクし、「リターンオブインベーダー」を作ったという話を聞いたことがありますが、メーカー自身が固執して続編を作り続けるよりもいい場合がたまにあります。

一方、本作はメーカー自身が製作することを固執して、本作でシリーズを終了すると宣言しました。

ファンにとっては、ブランクが長くなってもいいから、終了させない方が良い、と思っていると思います。
結局作が進んでも「IIが最高」「あの頃は良かった」などと思われるかもしれませんが、だからと言って、もう終了してしまうと「まだアイデアや改善の余地があったのに」「もったいない」というファンの意見もあります。
僕も、本当にもったいないと思います。
最近ではシリーズをメーカーやチームを変えて作ることが多いため、メーカー自身が作ることに固執するファンは少ないと思います。
(ファンは批判はするかもしれませんが、全く見向きもしないことはないと思います)

 

2.シューティングゲームが作れなくなった

本作が最終作となった理由、それは開発者が「もうシューティングゲームを作れなくなった」と何かで見ました。
開発者には失礼ですが、僕もこのゲームを見る限りはそう感じます。

まず、演出面ばかりにこだわりすぎて、シューティングゲームとして問題点を抱えているのです。
地形に触れてもミスにはなりませんが、巨大戦艦などの敵に触れるとミスになり、突然スクロールが止まって壁と激突とかもしばしば。
(キャタピラのついた自機で巨大戦艦のデッキに着陸しようとしたらやっぱりミスになりました)。
当たり判定もデカすぎるし、敵弾が爆発に隠れて見えなくなることもあったり、わざと画面(キャラクター含む)を波打たせて見えにくくしている面があったり、「シューティングゲームとしてどうだろう」と思うことがよくありました。

それに爽快感がほとんどありません。
ステージはどれもが陰鬱なグラフィック,BGMで、爽快感を感じません。
ステージクリア時も突然画面が停止して、クリアのファンファーレも何もBGMに流れずにスコア計算のカウンターが回るだけ。
なんだか作業的な気がします。
これはシューティングゲームとしては致命的なのではないでしょうか。

また、ドーズシステムも考え物です。
シューティングゲームは弾を撃ってナンボですが、フォースで敵を倒したり弾を防いだりすると得点が高くなり、しかもMAXになると攻撃性能が上がります。
こうなると、敵を撃つよりもフォースを重ねた方が効率良く点が稼げるようになり、シューティングゲームというよりは、敵を取るような感じになってしまいます(コレクションに影響する本作は、ゲームオーバーにならないことよりも点を稼ぐことの方が重要のような気がします)。

いろいろ悪いことばかり書いてしまいましたが、良い面もあります。
それは、フォースと波動砲を使った戦略性です。
ほとんどワンパターンになる傾向があるのですが、特に復活パターンやボスへの攻撃方法の模索は初代同様で、面白いと感じます。
ただ、パターンを決定するとあとは「作業」になってしまうのですが・・・。

 

結局、本作のウリはシューティング部分ではなく、コレクション要素であると考えられます。
自機は99種類もありますが、結局はフォース・パワーアップ・ビット・波動砲の組み合わせが違うだけです。
行き着く先はフォースをつけて体当たりなので、「ウルフファング」のように機体に個性がなく、大体グループで似たり寄ったりになりがちです。
敵のデータもライブラリに記録されますが、一回遭遇するだけではダメで、何度か遭遇したり、専用の機体でキャプチャしないといけなかったりします。
表彰項目なんていうデータもあり、「プレイ時間x時間」なんていうものまでコレクション要素に加えられています。
これらのコレクションに関する要素として、AIによる対戦モードなんていうものもあります。
これはよく分からない状態のまま自機同士が撃ち合いをするというものですが、全く操作できずただ事前に行動をセットするだけで、しかもカメラアングルが変わって何が起こっているのかよく分からないので、正直言って何が面白いのかよく分かりません。
結局のところは、表彰項目に影響するのでコレクションを埋める「作業」というように感じます。
シューティング部分を純粋に楽しませるというよりは、何度も「作業的」な(ほとんどパターン化している本作は特にこう感じます)シューティング部分をプレイさせ、オプションのデータを全て埋め尽くす充実感を楽しんでしてもらいたい、という「コンプリート欲」に訴えるようなゲームとなっています。

 

3.12歳以上対象

本作はCEROの判定では12歳以上対象になっています。
「グラディウスV」は全年齢なのに…。

問題なのは最終面の謎のシルエット。
具体的なのはあまりにもアレなので避けますが、一歩間違うとZ区分 になってしまうような謎の演出です。
(しかもこの面も手抜きなこと…)
しかも、ゲームのストーリーに関係するならともかく、ゲーム内容とは殆ど関係がありません。
なんであんな演出を入れたんだろう。
たとえ「メタルブラック」 の猫が無意味な演出だったとしても、特に害はありません。
しかし、本作では無意味な演出・デザインが影響して12歳以上対象になっています。

せめて「ゴマンダー」ぐらいで止めとけばいいのに…。
(これもデザインが少しヤバイことになっているのですが)
中には「作品に傷をつけた」と思うファンもいるのではないでしょうか。
(傷をつけたのはエンディングテーマの方かもしれませんが)
「中途半端に卑猥なシューティング」と言われても仕方がないですね。

ゲーマーの間では、「CEROの区分なんて関係ねーよ」と思っている人も多いと思われますが、僕は無視できないと思います。
特に販売店にとっては重要なのではないでしょうか。
年齢制限がつく、ということは誰でも楽しめるゲームではない、ということになります。
初見の客が敬遠してしまったり、「『マリオ』など、全年齢対象の方が面白いゲームが多い」と考える人がいたり、売れ行きに影響が出ることもあると思います。

ゲーマーはともかく、メーカーがCEROの判定を無視して作るのは問題外です。
「自分の作りたいものを作る」という製作者の気持ちは分かります。
ただ本作は伝説のシューティングゲーム「R-TYPE」を冠したタイトルです。
初代のPCエンジン移植版はWiiでもバーチャルコンソールで配信されています。
(たとえば「ドラクエ」がR指定になったとすると、ファンはどう感じるでしょうか)。
ファンの気持ちも考えてほしいです。

 

4.総評:対象年齢と爽快感より、僕はグラディウスの方を推します

本作は、コレクション要素の好きな人や、暗いゲームが好きな人、R-TYPEファンがコレクションアイテムとして持っておくのには適していると思います。
ただ、シューティングゲームとしてはビミョーです。
僕は、同じ値段なら「グラディウスV」を薦めます。
気軽に遊べるし、2人同時プレイもあるし、宇宙空間とレーザーによる、ゲームならではの映像美があります。
R-TYPEには対象年齢が科せられているのですが、グラディウスVには全年齢で安心感があります。
 

関連情報

R-TYPE

本作の元祖となるゲーム。
完全無敵のフォース、溜めて威力が増す波動砲など、当時としては画期的なアイデアが詰め込まれたゲームだった。

R-TYPE

本作の前作にあたるゲーム。
PSで登場し、3Dで作成されている。


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