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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #205
豪血寺一族2〜ちょっとだけ最強伝説 (PS)

購入金額: 980円箱説付

ゲーム内容
アトラスがアーケードで出した同名のゲームを、PSにアレンジ移植。
トーナメント戦や新キャラなどが増えたり、BGMがグレードアップした反面、ロードが頻繁に発生、背景が寂しくなった等、家庭用ゲーム機の制限を感じさせる内容となっている。

H.Kuwanoの考察

1.ひどいロード

どこでも言われていることですが、このゲームはロードが頻繁に発生し、プレイに支障を来たすぐらいです。
ステージのはじめやデモシーンでのロードはまだ許容できるのですが、対戦中に変身するとその時点でロードが発生します。
たいていのキャラは変身時に10秒程度の時間制限があるため、変身時には2回ロードが発生するということです。

AKFさんは「PS版メタルスラッグみたいだ」と言っていました。
たしかに面の途中でロードが発生しますが、中ボス毎といった程度なのでそんなに酷くはありません。
比べるならば、ディスクシステムの「レリクス暗黒要塞」レベルなんじゃないでしょうか。
できればサターンとかで、拡張RAMカートリッジに対応した形で出して欲しかったところです。
あるいはネオジオも良かったんじゃないでしょうか。

 

2.ゲームではなく、音楽CDとして買え

本作は、ニコニコ動画などで有名な「レッツゴー!陰陽師」のルーツとなるゲームです。
坊主がビートの利いた歌にあわせて踊る内容が衝撃的でしたが、それが登場したゲーム「豪血寺一族外伝 煩悩開放」の前々々々作に当たるのが本作なのです。

ではなぜ初代がルーツなのではないかというと、本作は格闘ゲームでおそらく初の「歌入りBGM」を採用した作品なのです。
しかも歌詞の内容が「レッツゴー!陰陽師」ばりにナンセンスなもので、笑いを誘います。
本作の中で、僕が面白いと思ったものをちょっとだけ紹介します。

  1. 半蔵ステージ
    僕が初めて本作の存在を知ったBGMです。
    哀愁漂うアコースティックギターとハーモニカの伴奏が奏でる中、マイクとルーが半蔵の忍者としての寂しさを歌う内容ですが、最後の「涙のポパペパプー」の部分だけが意味不明で、当時は爆笑した記憶があります。
  2. クララステージ
    どうやら歌っている人は有名な声優さんのようです。
    魔法少女モノのアニメソングのような歌ですが、歌詞が酷すぎます

    彼の自慢の チャリンコに乗って
    夜の浜辺で ドラ焼き食べたの
    あなたは素敵な人だけど
    お金がないなら さよならね
    パラリラ 魔法みたいな
    スポポポ(?) 恋がしたい
    鼻血が出そうな このお色気で
    パラリラ 魔法みたいな
    スポポポ(?) 恋がしたい
    お金持ちの 素敵な王子様 待ってて

    「乙女がチャリンコって言っていいのかよ」「何で夜の浜辺でドラ焼き」「金がなきゃ捨てるのかよ」「鼻血が出そうって自分で言うな」など、突っ込みどころはたくさんありますが、2番も凄いです。
    2番はほとんど1番と変わりませんが、「お金がないなら さよならね」「お金がないなら ブタになれ」 になります。
    このブタだけが声の調子が変わり、いかにも声優さんの演技が効いているところです。

    さらに3番もあり、こちらはMADテープなどでよくある歌詞の入れ替えが行われています。
    「彼の自慢の」「夜の浜辺で」が入れ替わり、「鼻血が出そうな」「お金持ちの」 が入れ替わります。
    アーケード版は多分BGMと声が別に収録されていたので、こんな芸当ができたんだと思われます。
    他にも「素敵な人」「素敵なブタになっています。

    なお、個人的にはクララステージの映像も笑ってしまいました。
    ゲーム中では水族館で歌手が歌っているのですが、ダンサーが右足を上げ下げしているだけという低スペックで、思わず噴出しそうな状態です。
  3. おまけBGM(アンジェラステージの替え歌)
    アンジェラステージでは、アップテンポで早口(一応英語)なロック調の女性の歌なのですが、BGMセレクトではこの歌の替え歌として、野郎(?)が日本語で「もったいない」を連呼する歌が入っています。
    それも「こんなことやってる暇があるんだったら勉強しろ」とか「こんなことやるようなお金があるんだったら俺にくれといったような、ゲームを買った人を叱り付ける様な内容に取れます
    しかし「こんな曲聴いてる暇があるんだったら仕事手伝え「エンディング作りたかったけど時間がないからフェードアウトじゃ」メモリーがもったいない」など、実は開発の悲惨な状況を歌に乗せて訴えかけているような内容で、笑いました。

他にも応援歌をイジった礼二ステージBGM、ビートに乗せて呪文を唱える「レッツゴー陰陽師」の元ネタとなったと思われる陳念ステージBGM、格闘ゲームなのに甘く優雅なラブソングのアニーステージBGM、幼稚園の園歌なのに不良っぽい内容の金田朗BGMなど、いろいろあります。

歌がないBGMも、ハードロック調で個人的にはなかなかイケています。
僕は「餓狼伝説」の「ギースにキッス」を思い出しました。

 

本作(PS版)は格闘ゲームとしては問題かもしれませんが、音楽CDとしては価値があると思います。
特に「レッツゴー!陰陽師」が気に入っている人には、一度聞いてもらいたいですね。

 

3.格闘ゲーム全盛の、古き良き時代

本作の元となったアーケード版は90年前半に登場しました。
その当時は格闘ブームの絶頂期でした。

アーケード版は結構無茶をしたゲームだと思います。
ステージBGMを歌にしたのは画期的ですが、当時はハード的に厳しい部分もあり、ROMの容量の大半が歌データで占められる (そして販売価格も上昇した)といった状態になったんじゃないでしょうか?
しかも敗者は顔にラクガキだし、キャラクターも3歳ぐらいの子供から100歳を超える老婆までイロモノぞろいだし、かなりふざけた内容が盛りだくさんなのに、良く販売できたなと思いました。

今となってはそんな冒険はできないでしょう。
予算や採算性は(場合によってはゲームのデキよりも )大切でしょうし、ゲーム作りはコストが増大していっているのです。
しかし、本作のような冒険をしないと、人々の記憶に残るゲームは作れない と思います。
僕が求めているのも、そのようなゲームなのかもしれませんね。


 


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