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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 191
SEGA AGES 2500シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事 (プレイステーション2)

購入金額: 1080円 (箱説付)

ゲーム内容

1996年にセガが発売した同名の横スクロール格闘アクション(ベルトスクロールアクション)ゲームをPS2に移植。
移植に当たってはグラフィックを強化したバージョンや、セガサターン版を移植したバージョンなどがある。
さらに逮捕しかできないモードや一撃死のモードなども追加であり、それらではコスチュームチェンジができるようになっている。
本作ではオマケには「ペリスコープ」というエレメカモノのゲームが収録されており、各種資料も充実している。
特にセガサターン版ダイナマイト刑事のCMは必見!

H.Kuwanoの考察

1.バーチャの要素を取り入れたファイナルファイト

このゲームが登場した当事、僕はこう考えていました。
ベルトスクロールアクションなのですが、技が多彩 なのです。
技の出し方は、PPPKKなどといったボタンの押す順序の組み合わせ、↓+Kなどといったボタンとレバーの組み合わせ、Kを押しっぱなしで離すとサマーソルトキックなどの溜めといった操作です。
まるで「バーチャファイター」みたいだと感じました。

どうやら制作スタッフは「バーチャファイター」とは全く違うようですが、これがこのメーカーのテイストなんだなと思いました。

 

2.あまりライトユーザ向けではない

本作は、3Dポリゴンを使用しているにもかかわらず、攻撃は左右にしか行えません。
画面の上下にいる敵を攻撃する手段があまりない のです。
そのため、もどかしく感じることも多いです。
続編の〜2であれば、向いている方向へ攻撃できるので、より思った通りに操作できます。

その反面、敵は卑怯なぐらい結構強いです。
正面にいれば拳銃で撃たれたり(本作の銃弾はまずかわせません)突進技で倒されたりするし、敵をつかもうと横から近づくと腕や脚を振り回されてダメージを受けたりします。

さらに、オマケモードはコンティニューがないので相当辛いです。
デッドラインモードは時間制限だけでこちらは不死身なのですが、結構制限が厳しいです。
ワンショットキルモードでは、銃火器で即死級のダメージを受けてしまう上、敵が普通に銃を持ち歩いています。
アレストモードでは、殆どの敵を拳銃を持って逮捕しないと倒せません。
アルタードビーストモードでは、常に時間で体力が減るので割と簡単に死にます。
これらのモードは、相当刑事を攻略した人でないと先に進むのは厳しいです。

そのため、ライトユーザは〜2や〜EXの方がより楽しめると思います。
刑事初心者であれば、僕は〜2や〜EXをアーケードでプレイすることをオススメします。

 

3.おまけゲームもパワーダウン

本作も家庭用に移植されている前二作と同様、ミニゲームでクレジットを増やします。
SS版の1では「ディープスキャン」、DC版の2では「トランキライザーガン」でしたが、本作のミニゲームは、「ペリスコープ」 です。
前二作は1980年代前半のビデオゲームなのですが、これはエレメカ(機械式)のゲーム です。
これをゲーム機内で再現したものですが、はっきり言って単調 です。
ゲーム的には、タイミングを見てボタンを押し、駆逐艇に魚雷を命中させるという単純なものです。
実物で見れば感動 するでしょうが、ゲーム機内で移植されたところでさほどでもありません。
さらには、コンティニュー回数を増やすために何度も繰り返してプレイすることになるため、どうしても無駄な作業に感じられてしまいます。

一応そうした人のために、スピードや方向が変わるアレンジ版もありますが、それでもねぇ…。

もし資料的価値をつけたいのであれば、もっと当時の資料や写真などを掲載するべきです。
(個人的には本編「ダイナマイト刑事」の当事のホームページの記事が見たいのですが…。)

 

4.制作は中国?

本作のスタッフロールを見ると、どうも韓国か中国か台湾か、東アジアの人名が連なっています。
そういえば本作のディレクターの現在の所属も上海みたいだし、これは中国で制作されたんでしょうか?
(だからどうしたと言われても別になんてことはありませんが)。

 

5.ダイナマイト刑事EXの元となった?

本作のアレンジモードでは、プレイヤーがコスチュームチェンジします。
(特にデッドラインモード2Pのキャス子は必見!)
それから端を発したのかは分かりませんが、本作の最新作である〜EXではプレイヤーがコスプレする新要素が追加されました。
本作は格好が変わるだけですが、〜EXでは技や動きまで変わります。
しかし、なんでそこまでコスプレにこだわったんでしょうか?
ナゾです。

 

 

名言

俺の武器を知ってるかい?

本作のセガサターン版の有名なCMの冒頭。
「ダイナマイト刑事の歌」というCMソングで、以下のような歌詞になっている。

♪刑事! 刑事!ダイナマイト刑事!
俺の武器を知ってるかい?
モップ!柱時計!コショウ!
今日も事件だ!ダイナマイト刑事(逮捕してやる!)

このCMがダイナマイト刑事のバカゲーとしての地位を確実とするものとなり、一般ユーザにも認知された。

大統領の娘

本作の救出すべきヒロイン。
本名は「キャロライン・ヨーコ・パウエル」なのだが、まるで「ドラえもん」の「しずかちゃん」のような全身ピンクのいでたちに、ホラー映画のような驚愕な顔立ちで、救出意欲を減退させた。
PS2版でもセガサターンモードで見ることができる。

関連情報

ダイナマイト刑事2

本作の続編。
グラフィックもシステムもパワーアップ。
さらにおバカもパワーアップ。
アーケード版の他に、DCにも移植されている。

ダイナマイト刑事EX

本作の続々編。
〜2のシステムをベースに、コスチュームチェンジを中心とした細かな仕様変更がされている。
なぜかアジアンテイストになっており、バカさ加減もややアップ。

ゴールデンアックス

セガが1989年に出した横スクロールの格闘アクションゲーム。
剣と魔法のファンタジーの世界がベースになっている。
本作ではEASYモードで、その主人公たちのコスチュームにチェンジすることができ、ゴールデンアックスのラスボス「デスアダー」が中ボスとして出てくる。

獣王記

セガが1990年に出した横スクロールの格闘アクションゲーム。
獣人に変身してパワーアップするのが特徴。
本作のアルタードビーストモードはこのゲームが元ネタとなっている。


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