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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 190
魁!クロマティ高校〜これはひょっとしてゲームなのか!?編〜 (プレイステーション2)

購入金額: 504円 (箱説付)

ゲーム内容

マンガで連載された「魁!クロマティ高校」が、アニメ化に続き二度目のゲーム化。
今回のゲーム化は、コナミの子会社となったハドソンが手がけている。
ゲーム内容は、クロマティ高校のゲームを製作するという目的はあるものの、内容はクロマティ高校の学校生活の数日間を描いた、ミニゲームつきアドベンチャーゲーム。
大きな特徴として、会話の内容に突っ込みを入れたり(他の人(主に主人公の神山)が割り込みを入れて話しを分岐させる)、話を振る相手を選択する(相手によって話が分岐する)ボケツッコミシステムがあ。
もちろん分岐によって結果が変わるマルチエンディング式である。
また、ゲーム中に登場したミニゲームはあとからプレイできる。

H.Kuwanoの考察

1.これはひょっとしてゲームなのか

本作を買った人はまずプレイして、サブタイトルの「これはひょっとしてゲームなのか?!」そのまま本作に返す人も多いのではないでしょうか。
話の分岐もそれほど多くなく、まるで「デジタルコミック」と言われても仕方がない内容だからです。
ミニゲームも、まるで新人研修で作らせたような、つまらないものばかり。
SS「大冒険」の「これは ひどい」並みの名言だと思います。

さらに追い討ちをかけるのが、ユーザーフレンドリーでない仕様です。
やたらロードが多くて長い、メッセージスピードを自在に調整できない、パッドでリセットすると本当に最初(セーブデータが失われた状態)に戻るといった、あまり細かい配慮がされていません。  

 

2.原作の雰囲気は出ていると思う

上記でいろいろ指摘してしまいましたが、原作の雰囲気は良く出ているのでは、と思われます。
とはいっても僕自身は原作を全く知らないのですが、主人公たちの会話の強烈・的確な突っ込みを楽しむのが原作の醍醐味だと感じとれたからです。
突っ込みの内容やそれに伴う話の展開には、原作を知っているKGRさんやNさんも笑っていました(ゲームのデキには閉口していましたが)。
それに伴うボケツッコミシステムは、ちょっと物足りない部分はありますが、よく原作にあわせて作ったと思います。
この会話に突っ込みを入れるシステムは、きっと「北へ」の会話の途中で質問をするシステムの一部を取り入れたものなのではないでしょうか。

 

3.フルボイスでない訳

本作の原作は既にTVアニメ化されており、おそらくアニメと同じ声優を起用していると思われるのですが、音声が出る場面は各シーンの最後などといったように、かなり限られています。
通常の会話はすべて画面に表示される文章のみです(口パクも合っていません)。
しかもメッセージはニコニコ動画のコメントみたいに、一行が右から左に流れていくので読みにくいです。
(特に液晶画面で高速に流れる文字を判別するのは難しいです。)

心の広い人は、フルボイスでないのはきっと「メッセージの表示スピードを変更できるから」ということを挙げるかもしれません。
しかし、それなら画面の右から左に流れるメッセージをやめ、従来のアドベンチャーゲームのようにメッセージウィンドウにメッセージを表示し、一定のスピードのボイス(キャンセル可)を出すようにしているでしょう。
さらに、ボイスが出る場面はメッセージスピードの指定が無効になります。

実はこっそり、フルボイスでない理由を、タイトル画面を放置した際に流れる、オマケシナリオで弁解しています。
オマケシナリオはフルボイスで展開し、クロマティ高校がゲーム化されるということで、各キャラクターがアフレコを担当するのですが、前田がスタッフを脅したため、スタッフから要請が途絶えたという内容になっています。
きっとボイスがない言い訳としてこのシナリオを追加したのではないかと思われます。

もちろん、この本当の理由というのは容量or労力が不足していたんじゃないかと思われます。

 

4.ゲーム哲学?

このゲームでは、自分のことを棚にあげ、ゲームに対する問題提起をしています。
「本当に面白いゲームとはどんなものだろう」「ゲームにポリゴンは本当に必要なのだろうか」「作るからには僕らが納得の行くものでないといけない」
など、ゲーム全般にも当てはまる問いかけがなされます。
共感できるものも多々ありますが、 その答えが本作ではないことは間違いありません。


名言

これはひょっとしてゲームなのか!?

本作を見事に形容したサブタイトル。
大冒険の「これはひどい」に匹敵する内容

フレディとうじょう

本作内のミニゲーム「熱血硬派前田くん」シリーズで、ボスキャラ「フレディ」が出現するときに出るメッセージ。
どうやっても倒せない。

メカラッタ

本作内でもっとも特異な高校生「メカ沢新一」の弟「メカ沢β」が唯一喋れる言葉。
唯一のフルボイスキャラでもある。

関連情報

魁!クロマティ高校

以前デジキューブで出ていた本作原作のゲーム。
本作との関連があるかは定かではないが、激安。

熱血硬派くにおくん

本作のミニゲーム「熱血硬派前田くん」のタイトルの元となったゲーム。
ゲーム内容は全く別物。

ギルティギアX

本作のミニゲーム「熱血硬派前田くんX」のタイトルの元となったゲーム。
ゲーム内容は全く別物。

デッドオアアライブ

本作のミニゲーム「デッドオアドライブ」のタイトルの元となったゲーム。
ゲーム内容は全く別物。

燃えろ!プロ野球

本作のミニゲーム「バントDE甲子園」のタイトルの元とならなかったゲーム。
ゲーム内容は全く別物だが、「バントでホームラン」は有名。


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