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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 151
ダイナマイト刑事2 (ドリームキャスト)

購入金額: 315円 (箱説付)

ゲーム内容

アーケードで出た同作をドリームキャストに移植。
前作はセガサターン互換基板でやや貧弱だったグラフィックが、本作では大幅にグレードアップ。
主人公も3人から選択でき、ステージも3種類ある。
さらに家庭用では追加ミッション、ミニゲームの「トランキライザーガン」、ゲーム中にアイテムとして出てくるイラストを集めて見られる「イラストギャラリー」、二人対戦モードの「対戦刑事」、タイムアタックの「百人組手」、本ストーリーに沿ったアメコミ調マンガ「オンラインコミック」 が追加されている。
さらには体験版やインターネットで「刑事の素」 をダウンロードすると、隠れキャラやイラスト、アイテムが追加される。
比較的遊びやすく、難易度もそれほど高くはない。

H.Kuwanoの考察

1.本体の種類によっては遊べない?

このゲームをKGRさん宅でプレイしようと思ったら、なぜかできませんでした。
やっぱりハードオフでジャンクで買ったからかな?と思い自宅でプレイしようとしたら、今度はちゃんと動きました。
もしかして本体ロットの違いで遊べなかったりするんですか?

 

2.一見バカゲーだけどなかなか遊べるゲーム

前作「ダイナマイト刑事」は3Dのファイナルファイト風格闘アクションゲームとして登場しましたが、実はかなりのバカゲーです。
あらゆるものが武器になり、前作の「俺の武器を知ってるかい モップ!!柱時計!!コショウ!!」 のCMは有名です。
さらに敵もバカっぽいものも多く、特に注目はパンツ一丁の敵(しかも戦う場所は男性トイレ)がいます
そして何よりも忘れられないのが助けるキャラクター「大統領の娘 」。
彼女は今時考えられない全身ピンクの「しずかちゃん」スタイルで、昔のポリゴンゲームらしい大変怖い顔なのです。

それに追い討ちをかけるのが公式ホームページのハジケっぷり!!
当初は消防団が敵のゲームと勘違いされたり、敵のモーションを作るために全裸になってモーションキャプチャー(というよりビデオ撮影)したり、イラストコーナーではなぜか「サクラ大戦」のイラストを掲載したり、かと思ったら開発者自身が「マ○オペイント」で描いたイラストを投稿していたり、投稿者が女性だと必ず食事に誘ったり…。
ある意味ゲーム本体よりも面白い内容でした。

本作ではそのバカゲー加減がさらにパワーアップし、武器も対戦車ミサイルから便器、トイレの吸盤、冷蔵庫、冷凍マグロ、フランスパン、寿司舟など、バリエーションが増えました。
敵も本作は「カリブの海賊」をイメージした敵が多くなりましたが、バカっぽいのも多く、カニやカメの甲羅を背負った敵、手榴弾を携帯している料理人、ショッカーみたいな原住民 なんてのがいます。
パンツ男はタオル一丁(戦う場所はサウナ) になりました。
大統領の娘は成長したのか前よりずっとマシな紺色の服になりましたが、エンディングではミサイルを操作して敵基地を爆破するなどの活躍を見せてくれます。

 

しかし、そんなバカゲーの表面にだまされてはいけません。
実は大変遊びやすいファイナルファイト風格闘アクションゲームなのです。

本作は3Dの特長を活かし、縦方向にも攻撃や投げ攻撃ができます。
ファイナルファイトなどの2D格闘アクションでは、横軸をずらして上下からつかんで投げるというプレイスタイルが一般的でした が、それが通用しないということです。
不利にも見えますが、逆に縦方向にもそれだけの間合いでつかみ・投げが決まるので、実は投げが決まりやすいのです。

他に、武器が豊富であることも特徴です。
武器は落ちているものの他に、植木を攻撃して倒し、武器にすることもできます。
さらにはダウンした敵の足をつかんで武器にすることも。
たいていの武器は敵の攻撃を受けて落としてしまってもすぐであれば再度拾い直せます。
その武器は次の場面に持ち越せないのですが、拳銃やマガジン、オノは持ち越すことができます(しかも複数持つこともできます)。

素手であってもコンボ技が豊富で、大変爽快です。
このあたりはバーチャファイターに影響されたのでしょうか、ボタンをタイミングよく特定の順序で押すとコンボが発動したり、簡単なコマンド入力でサマーソルトキックが出せたりします。

武器と同様に回復アイテムも多いのもポイント。
一つの場面に数個は出ますし、場面の合間に出る「押せ!××」 のシーンで成功するとライフが回復します。
さらにはライフは上限以上に回復し、無駄になることはありません。

これだけ主人公のポテンシャルが高く、しかも遊びやすくなっているため、あまりこのタイプのゲームをやったことがない人にはオススメできます。
特に協力プレイは楽しさ倍増です。

 

3.アーケードスティック必須?のボタン配置

本作のボタンの初期設定は、Bボタンがパンチ、Aボタンがキック、Xボタンがジャンプです。
普通の持ち方ではジャンプボタンに手が届きません。
よく見るとこれ、アーケードスティックのボタン配列にぴったりなのです。
ボタンを3つ使うゲームはMDやSS以外ではつらいですよね。

さすがにボタン配置をコントローラによって自動選択とまでは行きませんが、せめてYボタンもデフォルトはジャンプにして欲しかったですね。

 

4.ゲーム中のイラストは賛否両論?

本作ではイラストギャラリーというおまけが付き、本編中に出てくるイラストをとるとギャラリーに絵が増えるようになっています。
もちろん、これはアーケード版にはなかったものです。

しかし、突然殴るとアイテムが出るのはいいのですが、それをとらないとギャラリーに追加されないので、とるモーションで攻撃が途切れたり敵に追いつかれたりします。
ゲームプレイに影響を与えるので、何とかならなかったのでしょうか?

しかしイラストギャラリーに出てくる解説はバカゲーチックで笑えるので必見です。
(特にライバル機種やゲームを挙げてくるところが)。

 

5.必然性が感じられない「トランキライザーガン」

前作のセガサターン版では「ディープスキャン」というおまけゲームが付いていました。
これは駆逐艦を操作して、機雷を投下して潜水艦を破壊するというゲームで、過去にアーケードなどで出ていたゲームです。
残機がないのは実際のアーケード版とはちがうのでしょうが、これで本編のクレジット(コンティニュー回数)を増やすことができました。

今回は「トランキライザーガン」というおまけゲームが付いています。
これは4種類の猛獣を麻酔銃で眠らせ、寝ている隙にトラックに運び込むというゲームで、これも過去にアーケードで出ていたゲームです。
猛獣の種類によって麻酔銃を当てる回数が異なり、猛獣を運んでいる間は極端に足が遅くなるので他の猛獣に襲われないように注意する必要があります。
それなりのゲームで、これを望んで本作を買ったセガファンもいるらしいですが、あまり必然性が感じられなくなりました
逆に、本編をプレイすることで「トランキライザーガン」のクレジット数を増やすようになった ためです。
前作のコンティニュー回数の制限が不評だったのでしょうか、それとも「ディープスキャン」がメインになった人が多かったからでしょうか?

 

6.ゾルゲール哲は関わってるのか?

本作のイラストギャラリーやホームページなどで、「昔セガではカエルのゲームをリメイクしていた」「やっぱりアレクといえばジャンケンだな」とか自社ゲームの過去話を持ち出したり、ライバル機種の名前を伏字で挙げるなど、どことなく文が「セガガガ」のゾルゲール哲氏っぽいような気がします。
必然性のない「トランキライザーガン」をおまけゲームに入れるところも。

もしかして関わっているのかな?
それとも本作に影響を受けたのかな?

関連情報

ダイナマイト刑事

本作の前作。
アーケードのほか、セガサターンにも移植されている。
「モップ、柱時計、コショウ」のCMは有名。


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