1.ヘタウタ万歳!
本作はセガサターン版同様、最初にオープニングテーマが流れるのですが、これが歌っている人(おそらく声優)に失礼ですが、なかなかヘタなのです。
録音がアバウトなのか使っている楽器が古めなのか、微妙に80年代の雰囲気もします。
しかもエンディングはもっとヘタで、思わずテレビのボリュームを消音にしてしまいました。
2.声優アカデミー
説明書のクレジットを見て分かったのですが、どうやら声の出演は声優学校の生徒のようです(多分)。
協力の欄に○○放送学校というのがあるので、多分この学校の生徒のようです。
道理で、若干(というかかなり)棒読みっぽいのもあるわけだ。
しかし、プロの声優ではなく、声優のタマゴを使わざるを得なかったと考えると、この当時の開発元は相当貧窮していたんだろうな。
まさに、起死回生の一本となったわけですね。
3.ちょっとPCエンジンっぽい。
なんか中途半端に漢字が使われており、何だかスーパーファミコンやPCエンジンのゲームのような気もします。
しかもその漢字が全くない訳ではなく、別の場所ではこの漢字があるのに他ではないという状態です。
たとえば、「来るべきときがきたな」というように、「きたな」の漢字はその前の「来る」で出ているのに、使っていません。
ちょっとトホホです。
4.シミュレーションゲームとしてどうか?
本作はシミュレーションゲームとしてはどうか、とKGRさんは言っていましたが、確かにそのような気もします。
まず、説明書が説明不足です。
魔法のパラメータが4種類あり、それぞれの魔法試験の科目があるので意味は分かるのですが、そのほかの教養、暗記、魔知のステータスの意味が、試験結果にどのような効果があるのかいまいち分かりません。
さらに、スケジュールの内容で何が上がるのかは分かるのですが、何が下がるのかは説明がない のです。
やっていると何となく「火を強化すると土も上がり水と風が下がる」というのは分かったのですが…。
また、出来不出来がどのように影響するのかが分かりません。
単純にそのスケジュールのパラメータの増えるポイントが増えるというわけではなく、他のパラメータが下がるかどうかが違うようです。
どうも「上出来」になるとダウンするパラメータがないだけで、「サボリ」だと他の全てのパラメータが下がるようです。
欲を言えば、何がどれだけ変わったのか確認できるといいですね。
相性が良いと効果が上がるのはいいのですが、その相性の上げ方が分かりません。
主人公はイベントに成功すれば上がるのでいいのですが、メンバー同士の相性の上げ方が分かりません。
結局みんなで同じことをした方が良いのか、それぞれ別々なことをすればよいのか分かりません。
(多分同じことをやらせると、そのメンバーの相性が良くなるようです)。
まあ、分からないことが多くても、その法則性を探すこともゲームの楽しみではあります。
(僕も「コズミックウォーズ」を説明書なしでプレイし、クリアしましたから。)
しかし、本作の楽しみ方ではないと思いますので、一応説明書に書いて欲しかったところです。
さらに、一週間が終了するとそれぞれのキャラクターが感想を言うのですが、多分意味がありません。
あくまでも今週良くできたかどうかのだけで、同じスケジュールでも来週も同じくらい良くできるとは限りません。
今後のスケジュールを立てる参考には全くなりません。
そのためか、一週間の感想をOffにするオプションも用意されています。
5.キャラゲーとしても残念?
本作はキャラゲーとしてはどうか、ともKGRさんは言っていましたが、たしかにそのような気もします。
まあ、声がアレなのはともかくとして・・・。
まず、本作は5人のメンバーを同時に育成することになります。
本作を恋愛シミュレーションとみなし、一人に集中すればいいのかもしれませんが(Windows版はそうやってアリシアとのエンディングを迎えました)、5人も育てる部長としての立場(つまり育成シミュレーション)としてプレイするとなると、特定のキャラクターに愛着が沸いてきません。
本作を数回プレイしないことには、「シンシア嬢に+3点」なんてのは無理です(ましては説明書では顔が分からないし)。
次に、能力や相性の結果がイベントの選択肢の成否に影響しないようです。
つまり相性はエンディングに影響しますが、パラメータは魔法技能検定の成否(=アカデミーの存続、ゲームオーバーにならないための条件)にしか使われないということです。
これでは、アドベンチャー部分とシミュレーション部分が乖離してしまい(これをなんとか結び付けているのが相性)、一方がつまらなく感じてしまいます。
これは、大きな問題点です。
また、イベントが発生しても特定のキャラクター一人だけがイベントに参加でき、誰を参加させるか決定させることができなさそうです。
まあ、容量の制限があるので仕方がないのかもしれませんが、せっかく同じイベントでもメンバーによって選択肢や結果が変わるようになっているので、参加できる人が複数いれば選択できるようにした方が、攻略も容易になるでしょう。
そして、主人公以外のキャラクター同士の掛け合いがありません。
まあ、そうすると容量的にも厳しいんでしょうが、メンバー間でケンカとかがあったりすると、よりキャラクターに親近感が沸いたり、部長としての実感がわいてくると思います。
以上より、本作をキャラゲーとしてとらえると、シミュレーション部分が面白く感じられなくなります。
だからと言ってアドベンチャー部分は面白いかというと、選択肢の想像とは違う方向になることが多く、結局は適切な選択肢を探してリセットしまくる攻略法になってしまいます。
(まあ、その意外な結果を楽しむことはできるでしょうが)。
6.雰囲気はいいのに、ゲームとしてはちょっと残念
本作は、魔法学園の雰囲気がよく出ていて、雰囲気は決して悪くないと思います。
しかし、シミュレーションゲームとしては先ほどもあったとおり、さほど楽しくはありません。
アドベンチャーパートも、意外な方向に話が進むことが、意外性があって面白いと感じるか、全然思ったとおりに進まなくてつまらない、と思うかはプレイヤー次第です(このゲームの購買層を考えると、たいていは後者になってしまいがちですが)。
多分、本作の一番のセールスポイントは絵です。
ゲーム部分とボイスの○○さを、絵の良さでカバーし、さらに突出してヒットとなったということでしょう。
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