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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 150
ガンスタースーパーヒーローズ (ゲームボーイアドバンス)

購入金額: 4280円 (新品・箱説付)

ゲーム内容

トレジャーのデビュー作「ガンスターヒーローズ」の続編が十数年ぶりにGBAに登場。
前作から後の話はあるが、ストーリーは基本的に前作を踏襲。
システムは変わり、主人公はメイン武器やストーリーが異なるレッドとブルーを選択するようになり、同時プレイが出来なくなった。
武器のシステムも組み合わせがなくなり、3つの武装が固定になった。
主人公の操作も変わり、ダッシュや投げがなくなった一方、弾を消せる近接攻撃のソード攻撃や、回数制限のある特殊武器「バズーカ」、アッパーや急降下キックなどのアクションも追加された。
さらに携帯ゲーム機らしく、セーブ機能がつき、ゲームの途中経過がオートセーブされたり、ハイスコアを記録できたりする。
セガのゲームである「サンダーブレード」「フリッキー」「アフターバーナー」「ギャラクシーフォース」をモチーフにした面も特徴の一つ。

H.Kuwanoの考察

1.続編というよりリメイク

本作は「ガンスターヒーローズ」のその後の世界ということで、一般的には続編としていますが、僕はどちらかというとリメイクのように感じてしまいました。

グラフィックや攻撃方法、ステージは変わってしまいましたが、登場人物名やステージの展開、各ステージの雰囲気はほとんど変わっていないのです。
前作「ガンスターヒーローズ」に独自の解釈でバックストーリーを追加した、といっても過言ではないかもしれません。

詳しいことはネタバレになるので書きませんが、前作をプレイしたことのある人は、思わずメガドラを引っ張り出してみたくなるでしょう。

 

2.「投げ」がなくなったのは残念?

本作ではバズーカや急降下キックといったアクションが追加されましたが、逆に投げがなくなりました。
その代わり近距離攻撃は敵弾を消せるソードがありますが、そんなにダメージも大きくないし、敵に突っ込まれたり爆弾が飛んできた場合はどうしようもありません。

そのため、ガンによる遠距離攻撃がメインになりがちです。
そうするとガンガン攻める爽快感がちょっと薄れてしまいます。
反面、ややチマチマしたトレジャーらしいゲームになったとも言えるかもしれません。

 

3.難易度は程よいが、バランスはいまいち

本作は敵のダメージが前作と比べて弱く、数回プレイすれば初心者でもEasyはクリアできるでしょう。
ちょっとアクションゲームに慣れた人はNormalもあっという間にクリアできるでしょう。
一方、本作の真のストーリーが語られるHardは一部がとても難しいのですが、そこさえ抜ければクリアは目の前です。

難易度を上げても、敵の行動パターンはさほど変わらず、変わるのはライフの初期値とダメージの量、それに敵弾の数ぐらい。
Easyでパターンを見切れば、それがそのままHardまで使えてしまいます。
前作ではザコ敵の行動パターンまで変わっていたのに、どうしたことでしょうか?

例1:サンダーブレード面

このステージは旋回できるヘリを操作するシューティング面ですが、被弾すると押し戻されて(一瞬操縦不能になり)ダメージを受けます。
その間は無敵時間がないので、大量に敵弾が来ると連続でダメージを受けてしまいます。
ハードでやると、ボスとともに登場する多くのザコ敵に大量に弾を撃たれ、瞬殺されることもしばしばあります。

例2:ラスボス

初対面では、(特に緑色の攻撃は誘導するので)このボスの攻撃はかわせるわけがない、とあきらめ気味になるでしょう。
しかしライフの数値を見てください。
(以下ややネタバレなので、一応伏せます。攻略情報にも同様のことが書いてあります)
赤以外はダメージが少ないのです。
すると、わざと食らって無敵時間を使って逃げるという攻略法に。

最初は全部同じくらいのダメージを食らっていたのかもしれません。
しかし、それではあまりにも難しい(特に緑色の攻撃は誘導する)ので、攻撃パターンを変えるのではなくダメージ量を調整する方向で調整したのかもしれません。


 

その他、味方機から攻撃すればダメージを受けずに倒せるオレンジ(一回目)、生身に戻ったところで左右に振り向きながら攻撃すれば変身されずに倒せるラストのグリーン、ぶら下がって左右に動きながら攻撃すれば簡単に倒せるラストのオレンジなど、拍子抜けしてしまうところも多いです。
僕自身も、ハードまでバズーカを使わずにクリアできてしまいました。

 

4.セガを前面に出したことについて

前作は他社のゲーム(「エドワードランディ」「メタルブラック」「グラディウスII」等)の影響を強く受けており、いろいろなところでオマージュがちりばめられていました。
個人的には大変面白く、これがゲームの面白さに貢献したといっても過言ではないでしょう。
しかし、本作はパッケージに「セガのゲームのパロディが見られる」ことが明記 されており、あまりセガのゲーム以外の他のゲームの影響が見られなくなりました。
これは恐らくプロデューサーのゾルゲール哲氏の仕業に間違いないでしょう。

しかし開発者の意地か、セガゲームのオマージュの中にも、他社ゲームのオマージュを取り入れています。

「アフターバーナー」「ギャラクシーフォース」面は、一見セガのゲームらしいと思いますが、敵の飛び方や攻撃の仕方などは、思わず「逆ジャイラス」と言いたくなりました。

「フリッキー」「アフターバーナー」「ギャラクシーフォース」面は、一見セガのゲームらしいと思いますが、シューティング面とともに、「画面が回転する」ということで「キャメルトライ」の影響を受けていると思われます。


 

5.レッドは男か女か

本作を雑誌記事などでみるとき、一番気になった事があります。
それは、

「レッドは男か女か?」

ということです。

前作では男だったのが、何か本作は頬を赤らめているようで、ちょっと男には見えないぞ!
しかも雑誌の一部では「彼女」と紹介されているし…。

説明書を見ても、ゲーム中のデモを見ても分かりません。
途中とあるキャラが愛を告げる(ネタバレ)イベントがあるのですが、実は…という可能性もなくもないし…。

ということで、「ボーイッシュな女性」と見るのが適切でしょう。

 

6.総評〜なかなか良いが前作を中途半端に意識しすぎ

いろいろ書きましたが、決して本作は前作に劣るわけではありません。
携帯ゲームの特性を生かし、セーブ機能がついて遊びやすくなりました。
またショットの固定を自在にできるようになったこともポイント高いです。
キャラクターデザインも前作よりもグレードアップし、一般受け(ギャルゲーマーも?)も良さそうです(逆に媚びている感じもありますが)

難易度は「鉄腕アトム」よりもバランスがよく、爽快感は「アドバンスガーディアンヒーローズ」よりも上です。
携帯ゲームとしてもそれなりに考えられています。

しかし前作を意識しすぎて何か拘束された印象になってしまったため、、完全に新作にするか、前作のリメイクにするか、どちらか一方にしてほしいと思いました。
前作のリメイクであれば、投げや二人同時プレイを復活し、完全な新作であれば前作のストーリー・ステージにとらわれない展開、セガ以外のゲームのオマージュがもっとが欲しかったところです。

攻略情報

サンダーブレード面のボスについて

サンダーブレード面のボスは難易度がNormal以上になると地上物の空中放火が激しく、何も出来ずにやられることもしばしばあります。
数発の地上攻撃で倒せる地上敵の潜水艦を狙い、倒したら砲台と画面の上側にいる潜水艦の間に自機を置き、ボスにくっついて、ショットを押しっぱなしにしながらミサイルを連打すると、敵のレーザー砲本体が敵弾を打ち消して、比較的ダメージを少なくして倒すことができるでしょう。
ミサイルは接近して撃つと空中の敵にも当たります。

最終面のグリーンについて

最終面のグリーンは、生身による移動とセブンフォースの変形を繰り返すのですが、生身でこちらの背後にワープしてきたら、振り返ります。
するとまた背後に回り込もうとするので、これを繰り返しながらホーミングなどで攻撃すると、変身させずにあっけなく倒せてしまいます。

最終面のボスについて

最終面のボスは弱点が飛び回る石にあるのですが、これらが放ってくる爆風のうち、緑色のものは殆どダメージを受けません。
また、青色のものは1程度 しかダメージを受けません。
一番痛いのは赤色(約20ダメージ)なので、わざと違う色のレーザーでダメージをうけ、無敵時間中(点滅している間)に打ち込みます。

関連情報

ガンスターヒーローズ

本作の前作であり、トレジャーのデビュー作でメガドライブで発売。
メガドライブの機能をフルに使用した「魂斗羅」タイプのアクションシューティングゲーム。
最近PCゲーム(セガゲーム本舗)やPS2での移植が行われている。

鉄腕アトム

同名のアニメをゲームボーイアドバンスでゲーム化。
トレジャーが開発、セガが販売したアクションゲーム。

アドバンスガーディアンーヒーローズ

セガサターンで発売された「ガーディアンヒーローズ」の続編で、ゲームボーイアドバンスの格闘アクションゲーム。
トレジャーゲーム初の続編モノでもある。

 


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