Prev Back  Next

ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 149
武者アレスタ (メガドライブ)

購入金額: 3600円 (箱説付)

ゲーム内容

スピーディな展開と豪快さが好評だった、コンパイルのシューティングゲーム「アレスタ」シリーズのメガドライブのゲーム。
和風なメカの敵を相手に、高性能なロボで立ち向かっていく。
パワーアップはメインショットのほかに、最大2つまでオプションや、三種類の特殊攻撃ユニットもある。
オプションはボタンでフォーメーションを変え、敵の攻撃で破壊されたときに備えストックすることもできる。
さらには速度調整までできるし、アイテム取得時の無敵も健在。
ゲームのバランスも程良く、拡大縮小やラスタースクロールなど、プログラムも頑張っている。
ヘビメタ調のハイテンポなサウンドもゲームにマッチし、プレイヤーを熱血させてくれる。
メガドライブやアレスタシリーズで最高のSTGという声も多く、共に現存しない東亜プランとコンパイルが組んだ作品ということもあり、プレミアが付いているが、それほど高くはない。

H.Kuwanoの考察

1.プレイヤーを選ぶプレミアゲーム

本作はメガドライブでもプレミアモノのゲームで(それでもまだ手に入れやすい方)、レア度よりもデキの良さで値段が下がらないゲームなのですが(倒産したもの同士(東亜プランとコンパイル)という理由もありそうですが)、僕は何も知らずに買うのは「ちょっと待て」と言いたくなります。

まず、パッケージの女の子に目を引かれる方も多いと思われますが、本作はギャルゲーのような類ではありません。
オープニングとエンディングに出てきますが、それ以外はまったくデモがありません

 また、本作を普通のシューティングゲーム(的確なショットや緻密な弾避けが要求されるゲーム)だと思うと、痛い目を見るでしょう。
はっきり言って本作は弾を消せる特殊武器とアイテム取得時の無敵でバカスカ進んでいくシューティングゲームです。
プレイすると他のシューティングゲームが下手になると言っても過言ではありません。

本作を「買え!!」と言っている人はきっとよほどのメガドライバーなのだと思ったほうがよいでしょう。

 

2.他のアレスタシリーズよりそんなに優れているのか?

本作をプレイした人は口をそろえて「アレスタシリーズ最高峰」と言います。
僕は「アレスタ」シリーズをすべてプレイしたわけではないのですが、確かに以下の点が他の作品と比べて優れていました。

  • ゲームの展開
  • アツさ
  • ストーリー性
  • エンディングテーマ

しかし、中にはシリーズの他の作品のほうが優れていると感じたものもいくつかあります。

・ゲーム中のBGM

確かにゲームにはマッチする音楽ですが、ちょっとヘビメタ調でやかましく感じることもあります。
個人的にはメロディを重視した曲のほうが好きなので、やっぱりFC版「ザナック」や「ガーディック外伝」、SFCの「スーパーアレスタ」の方が音楽がいいと感じました。
ただエンディングは別で、「映画的」「燃え尽きた感じ」が出ていて一番 だと思いました。
ちなみに続編「電忍アレスタ」では和風ハウステクノっぽいです(「ミスティクウォリアーズ」じゃないよ)。

・操作性

ショットがCで、使いたい放題の特殊兵器がB、オプションのフォーメーション変更がA に割り当てられています。
他にもスピード変更ができるのですが、ポーズをかけ、十字キーで調整 するようになっています。
それならショットと特殊兵器を同じボタンにし、ポーズをかけなくてもスピード変更できるようにしたい ですよね。
そういう意味では、ボタンの多いSFC「スーパーアレスタ」が一番操作性が良いと思いました。

・派手さ

本作はスクロールスピードや武器の強力さは確かにありますが、アイテムの無敵時間が短い です。
アイテムの無敵は「スーパーアレスタ」が一番持続します。
また武器の派手さも「スーパーアレスタ」の方が上。
これらの要素を「アレスタらしさ」という人もいます。

・グラフィック

和風で攻めたとはいえ、ちょっと不気味で受け付けない人もいるかも。
そのほかはキャラクターグラフィックを含め無難です。

・ゲームバランス

コンパイルシューティングの元祖「ザナック」では、自機のパワーアップや生存時間などにより、敵のパターンや攻撃が変化しました。
これにより、たとえ道中でやられても復活が可能でした。
しかし本作は、特殊武器による一発無効やオプションによる防御により、やられにくくなった反面、やられても難易度がそのままで、あっという間に全滅してしまうことも良くあります。
特にハードの後半面でやられて高速な誘導ミサイルが大量に画面内をうろついている様を見ると、コントローラーを投げ出したくなるでしょう。

 

3.やっぱりコンパイルシューは8ビット機で?

おそらく本作はアレスタシリーズ初の16ビット機作品です。
アレスタシリーズと言えば、8ビット機(特にMSX)で名を馳せたゲームでした。
それが16ビット機になると、何かちょっと変わった感じがします。
それはキャラが自機・敵ともに大型化してしまったからでしょうか、それとも、ボタンが増えて特殊操作が増えたからでしょうか。

 

4.アレスタシリーズの魂は「サイヴァリア」が引き継いだ

僕にとってはアレスタシリーズの最大の特徴は「アイテム取得時の無敵」が挙げられます。
これは「ザナック」シリーズから引き継がれていることで、この無敵をうまく使うとピンチを脱出できたり、ボス敵に打ち込めたりします。

最近その遺志を継いだゲームが登場しました。
「サイヴァリア」 です。
「サイヴァリア」は自機を敵弾にかすらせる(BUZZるという)ことで経験値が増え、満タンになるとレベルが上がって「ダーウィン4078」のように進化していきます。
このレベルアップ時に無敵になり、かすり判定もあるので連続レベルアップで長い間無敵で進んでいく という技もあります。
ピンチの状態から無敵を使って逆襲するという爽快感があり、これが「アレスタ」シリーズに通じるものがあると思うのは僕だけでしょうか。

 

5.結論:初めての人はまず「スーパーアレスタ」で適性判断

結論として、僕はいきなり本作をプレイするのは待ったほうがいい思います。
確かにシリーズとしては良作だと思いますが、人を選ぶゲームで、何も知らない人が高いお金を払ってプレイしても自分に合わなくて損した、といったことがありえます。
「安物買いの銭失い」と言われそうですが、僕はまずは安い「スーパーアレスタ」から始めるのがいいと思います。
自分に合わなくても300円〜1000円ぐらいだし。

あと、注意したいのは、本シリーズをプレイすると他のシューティングゲームの腕が落ちるということです。
なんせ攻撃を防ぐ手段が多すぎて、敵弾をかわす能力が落ちます

攻略情報

難易度HARDの誘導ミサイルの避け方
難易度がHARDになると、敵の防御力が上がり、スピードも速くなります。
すると厄介なのが誘導ミサイル
特に最終面の2番目の中ボスは地獄です。
パワーアップがあれば、レベル3のボム(特殊武器)を使い、爆風を誘導ミサイルに重ねて破壊するのが一番楽 です。
パワーアップがなければスピード最高にして逃げ回るしかないです。

関連情報

アレスタ

本作の第一作となるシューティングゲーム。

電忍アレスタ

本作の続編的存在となるアレスタシリーズのシューティングゲーム。
今度はメガCDになり、BGMがCD音源になったり、途中デモが入ったりとパワーアップしている。
しかし難易度的にはバランスが悪く、本作より劣ると言うファンも多い。

スーパーアレスタ

本作の次に出たアレスタシリーズのシューティングゲーム。
SFC初期に登場したにも関わらず、拡大縮小や回転など、SFCの機能を駆使している。

サイヴァリア

サクセスが発売した縦スクロールシューティングゲーム。
自機に敵や敵弾をかすらせる(BUZZる)と経験値が上がり、レベルアップすると機体が変化してパワーアップするシステムが特徴。
リメイク版「〜リビジョン」やIIも出ている。

バトルガレッガ

ライジング/エイティングが発売した縦スクロールシューティングゲーム。
アイテムを集めて補充するボムや、フォーメーションを変更できる最大4つのオプションが特徴。
難易度を調整するために自爆するゲームとしても有名。
「ガンフロンティア」へのオマージュが強いのもポイント。
本作とオプションのフォーメーションの種類がそっくりである。


Prev Back  Next