Prev Back Next

ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #110
サムライソード(ファミコン)

購入金額:500円

ゲーム内容

1988年、ディスクシステムの後期にカプコンが発売したアドベンチャーゲーム。
タイトルからは想像がつきにくいが、西洋ファンタジー風アドベンチャーゲーム。

主人公は、おてんば魔法使い「サリア」と共に、伝説の剣「サムライソード」を探し、魔王ソロンと戦う。

和洋折衷・魔法から科学まで、内容は短いもののいろいろな世界をミックス。
結構謎解きも難しいものが多い。
また、ファンタジーにはつきものの、魔物との戦闘があり、気を抜くとゲームオーバーになってしまう。

H.Kuwanoの考察

1.タイトルで損してる

このゲームは西洋ファンタジー風アドベンチャーゲームなのですが、タイトル名を聞いて誰がそんなゲームと想像するでしょうか?

「サムライソード」
普通このように聞くと、侍が愛剣を手にバッタバッタと悪人を斬る、「ファーストサムライ 」みたいなゲームや、
外国人が日本を勘違いして作ったファーストサムライ 」みたいなゲームや、
日本人の癖に「マイソード!!」とか言うようなファーストサムライ」みたいなゲームを想像しがちです。

こんな「イロモノだぁ」と思われるのであれば、やはり無難なタイトルにしておけば良かったのではないでしょうか。

それとも、逆に「なんだこのゲームは?」と思わせたかったんでしょうか。

 

2.そもそも、「サムライソード」である必然性なし

そもそも強力な魔法と科学の力を持つ伝説の剣が「サムライソード」である必然性がありません。
物語中でも、最強の剣が日本刀である理由はないし、サムライとも何の関係もありません。

エンディングのスタッフロールでもふざけた名前になっているだけに、「サムライソード」という名前は一種の「ウケ狙い」のためにつけたのではないか、と勘繰ってしまいます。
もしくはいろんな世界をミックスした「和洋折衷感」を出したかったのでしょうか?
(とは言えども、あとは科学と魔法のファンタジーだけど)

 

3.ファンタジーとしての世界観は良い

ストーリーやサムライソードはともかく、酒好きのホビット、森の中にある(安物が並ぶ)酒屋、砂漠で行き倒れになった旅人、遺跡の中に魔法で封印されている巨大ロボ、ワイバーンを操るゾンビ兵など、ファンタジーの世界としては雰囲気が出ていて、結構世界観が面白いと感じました。
ユーズドゲームズか何かのゲーム誌で、「このゲームはカプコンゲームの世界観に影響を与えた」という記事があったのを覚えていますが、確かにそんな感じもしますね(ブレスオブファイアかな?)。

その世界観を飾るのが、戦闘とヒロインの存在。

まずは戦闘ですが、このゲームはアドベンチャーゲームですので、単純に「たたかう」Aボタン連打では勝てません。
主人公にHPや強さなどの数値もない、いわばゲームオーバーのあるアドベンチャーシーンのようなものになっています。
戦闘中に剣が折れたり、こちらの攻撃が効かなかったりすることが良くあります。
逃げて体制を整えたり、道具を使って正体を見抜いたり、弱点を観察したり、仲間と相談するなどの行動も必要になります。
このあたりが、よくあるファンタジーRPGと違っていて、戦闘がより想像力をかきたててくれ、ファンタジーらしく感じられました。

また、ヒロイン「サリア」の存在ですが、このキャラクターが良くできています。
「サリア」は大賢者の娘ですが、こんなご時世なのに隠居しやがっています。
主人公に初めて会ったときも、彼女のわがままで魔法書を探すのを手伝わされてしまいます。
そんな彼女も、酒場で酔っ払ったり 、戦闘中は怯えて何もできなくなったり、砂漠で息絶えた人を見て「可愛そう」と言ったり、主人公以上に人間っぽく、魅力的に感じてしまいます。
いかにも女の子らしいキャラクターだと感じました。

関連情報

ファーストサムライ…ケムコがSFCで出したアクションゲーム。サムライが剣の力でタイムスリップしながら師匠の敵を討つ。敵を切るとオーケストラヒットがジャン!! 籠を切るとハ〜レルヤ♪、面スタート時に生首が怪しげなコーラスをバックに飛び回る演出など、バカゲー要素満点。
ブレスオブファイア…カプコンがSFCで出した本格ファンタジーRPG。竜の力を持つ主人公ら総勢10人の冒険が特徴で、釣りや狩猟などの遊び要素もある。遺跡から巨大ロボを発掘して乗るところなんかが似ている


Prev Back Next