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ゲーム探検倶楽部レビュー #100
シェンムーII(ドリームキャスト)

購入金額:1980円

ゲーム内容

あのドリームキャストの超大作「シェンムー」の続編。
父親の敵をとるために、体力バカの「巴月 涼 」が香港の街を歩き回りながら、いろんな人に会い、成長していく。
前作では登場しなかったヒロイン「莎花」をはじめ、「e瑛」などの出番もやっと 回ってきた。
ディスクも4枚になり、ボリュームも香港や九龍城、広大な中国の自然などスケールもアップしている。
また今回は、闇ストリートファイトや賭博、マフィアとの関わり等、より暴力的になっている。
もちろんガチャガチャゲームセンターも健在で、アウトランとアフターバーナーIIが追加 された。
これらはDisk4のオマケ「シェンムーコレクション」で遊ぶこともできるようになる。
システム面でも、ボタンとアクションの対応がアイコンで分かるアクション・セレクターや、地図とマッピング機能、待ち合わせ場所で時間を早送りする機能、人を尾行するチェイス機能などがついて、前作の不満が解消されている。

最近ではベスト版も登場し、より求めやすくなった。
 

H.Kuwanoの考察・評価

1.シェンムーIIを終えて

シェンムーIIは、前作の3倍近いボリュームの、かなり時間のかかるゲームでした。

ただ、前作のプレイヤーの不満を解消した「アクションセレクター(操作方法が画面に出ているだけ)」「マップの導入」「指定場所で『待つ』コマンド」の改良は良いと思います。
それと、前作でゲーセン入り浸りだった人 には、お金や時間を無制限で楽しめる「シェンムーコレクション」は楽しみでしょう。
ただ、「シェンムーコレクション」を入れたことによって、桂林の章が途中で終わっているような印象になってしまっていることは問題であると思います。

1.1.構成に難あり

ゲームとしては結構楽しめるのですが、プレイ時間が長すぎます。
せっかくコレクション要素もあるのですが、こうプレイ時間が長いとやる気になれません。
「プレイ時間が長くて一本道のため、一回やったら終わりで中古に売り出されてしまう。」
これが、このゲームが中古で安く出回っている一番の理由であると考えられます。
このゲームでなくても、「スタークルーザー」「グランディアII」など、いいゲームなのに、出すぎたゲームでもないのに、値段が安いゲームが結構あります。

そういったゲームは、たとえ評価が良くても、早い段階で中古に出回ってしまうため、新品の売り上げが落ちます。
そして、 売り上げが落ちたために続編の製作を断念したり、続編のデキが悪くなってしまうといったことになります。
場合によっては会社の存続にも影響します。

1.2.もう続編はでないのか?

このシェンムーが生き残るための道は、いくつかあります。

まずは、繰り返しプレイしようと思わせることです。

このゲームは「お使いをやらされているような感じがする」「わざと目的から遠回りを強制させられている」といったように、寄り道を強制させられている ような感じがします。
たとえば、「○○のことは××さんに聞いたら分かるよ」と言われて××さんに聞いたら、「△△さんに聞いたら」と言われるといった具合です。
これにより、無駄にプレイ時間が引き伸ばされ、クリアしてもリプレイする気が失せてしまいます。
これは、「バカゲー専科3」にもあるとおり、シェンムー最大の欠点であると思います。
いや、シェンムーだけでなく、「ドラクエ」「FF」などの一般的なRPGにも言える欠点です。

シェンムーIIは、せっかく「シェンムーコレクション」や「ガチャガチャ」、さらには「女性キャラの下着が見える裏技」があるのにも関わらず、プレイ時間が長いため、またやる気にはなれません。
僕も、黄天楼で「ハングオン」をプレイし忘れて「YSゲームズ」に空欄ができてしまいましたが、またあんな長いところをやり直さなくてはならないと考えると、気が遠くなりそうです。

プレイ時間を短くしつつ、寄り道のようなサイドストーリーを増やすような構成にすればよいのではないでしょうか。
答えに沿って行けば、20時間程度で終わるけど、イベントをこなしていくと、80時間にもなってしまうとか・・・。
前作の「お年寄りの道案内」や「捨てネコ」のイベントのような、無視できるイベントをたくさん盛り込んで、全体の内容の5分5分か、それ以上の量にし、それもコレクション要素にすれば、
「おっ、あのイベントは見てなかったな。クリアしたけど、もう一回やってみるか。」
という気になるでしょう。

次に、クリア後のリプレイをしやすくするということです。

よくクリア後には「強いままで最初から」とか、「コレクションはそのままで最初から」というものもありますが、シェンムーにももちろんつけるべきです。
また、これだけ長いであれば、途中の部分からやり直せるなどでプレイを補完するという方がいいかもしれません。

そして、ボリュームを減らし、発売までの期間を短くすることです。

僕はクリア後のシェンムーコレクションに追加される、セガサターン版シェンムーのムービーを見ましたが、正直ここまでできることに驚きました。
これだったら、セガサターンでさっさと1章を出してしまえばよかったのではないか と感じました。
それが無理でも、せっかく章で分けているのですから、香港編、九龍城編、桂林編というように小分けして先出ししても良かった と思います。
そうすることによって、記憶が新鮮なうちに続編ができますし、ソフトの値段にも反映してきますので、比較的気軽に楽しめます。
良いかどうかはともかく、一つのハードで連続作をきちんと完結させた「エルドラドゲート」は、見習ってもらいたいところですね。

最後に、ウリを増やしたり宣伝をもっと行うことです。

「ドラクエ」や「FF」は名前で売れたという面が一番大きいですが、シェンムーは出始めたばかりで、そこまで知名度は高くありません。
シェンムーでは会社名よりも先に「鈴木裕」の名前が前に出ていますが、「バーチャファイター」を作った人というだけでは売れないでしょう。
しかも、その名前を出したことより、ゲームそっちのけで、「ハングオン」や「アフターバーナーII」といった、おまけ目当てでのみ買ったりした人もいたことでしょう。
残念ながら、「過去の栄光を自慢している」ようにも見えます。

さらに、ジャンルが「FREE」ということですが、話題になるというよりは、かえって中身が分からずに敬遠してしまいがちです。
いっそのこと「このゲームはRPGだ」と言い切ってしまっても良いのではないでしょうか?


 

 2.バーチャファイターRPG

このゲームは、もともとは「バーチャファイターRPG」といった感じで作られており、「アキラ」を彷彿とさせる「外門裡頂」などの技が出てきます。
涼は「アキラ」そっくりで、まるでアキラの成長の物語がシェンムーだといっても違和感がないでしょう。

さらに今回はストリートファイトができるようになり、「ジェフリー」のパンクラチオンや、「ウルフ」のプロレス技、「サラ」の載拳道に「ラウ」の虎燕拳といった、バーチャファイターのキャラクターを髣髴とさせるような使い手が登場します。
多分、このモーションはバーチャファイターのものを流用しているのではないか、と思わせるぐらいに一致しています。

ただ、主人公の成長は技を覚えるだけではありません。
まるでウルティマの8つの徳のような、 「4つの武徳」を覚えさせる、「心の成長」の要素もあります。
そしてもちろん、物語には欠かせない「友情」「愛情」といった「人との出会いによる心の成長」も欠かせません。

涼の父「巌」も言っていた「愛すべき友を持て」と言葉も、「黄天会へ突入する」あたりの盛り上がりから、徐々に感じられました。

 3.シェンムーII 女性チェック

シェンムーIIには、多くの(魅力的な)女性が登場します。
前作では原崎ぐらいしかいなかったんですが、このゲームでは、本当のヒロイン念願の登場「莎花」に続き、部屋に泊めてくれ、パンチラも辞さない拳法の達人「紅 e瑛」や、 大胆な服装の巨乳の強気な女「ジョイ」といった、ヒロインまでも3倍になっています。
上は武徳の1つを教えてくれる八極拳の達人、頑固ばあさん「桂花」から、下はe瑛の部屋に泊まっている間に面倒を見てくれる妹的存在「薫 芳梅」まで、Hゲームにできそうなぐらい 登場します。
しかもその涼のモテっぷりといえば・・・。

というわけで、どんな女性が登場するか紹介することにしましょう。

名前 恋愛度 特徴 物語中の人物像
莎花 ○→◎ 無垢で自然を愛する16歳
悪く言えば世間知らず
濁流に流された鹿を助けようとしているところを、白鹿村に向かう途中の涼に助けられる。
白鹿村に同行してくれるが、その間は涼はずっと「一緒に下校中の女の子との会話」 を続ける。
途中洞窟で一緒に一泊したり、家に泊めてもらったり と徐々に距離が近くなっていく。
最後に物語の重要なイベントにより、今後の発展が期待される。
ジョイ 服装が大胆な18歳。
強気で乱暴な言葉遣い。
バイクで香港を駆け回る。

バイクで登場し、初対面の涼に宿やバイトを紹介してくれる。
よそよそしい涼を「恩知らず」などと罵りながら、 涼の身を心配をしてくれる思わせっぷり。
最後に黄天会にさらわれる
のは、前作の原崎と同じ位置にいるためか。
なぜ涼に一目惚れしたかは謎である。

紅 e瑛 文武両道の慎重派。
桃李少老師とは彼女のこと。
復讐のために離別した兄を心に抱いている。

涼よりも強い拳法の達人。
涼に「邪道に堕ちてはいけない」ということで、「四つの武徳探し」や「本片付け」などを命令し、物語の足止めをする
しかしただで涼を自分の部屋に泊めてくれ、「これで宿代がタダですむ」以上の何かを期待した人は何人いることか。
本作では重要人物の一人で、斗牛に倒された涼を救ったり、涼に技をいくつか教えてくれる。
チャイナドレスでそのおみ足を披露してくれたり、パンチラも見せてくれたり、さらにはドリマガでは下着が見える裏技までが発見され、その色香に邪道に堕ちた涼も多数いたとか。

薫 芳梅 ◎(社会的には○) 無邪気でまだ子供らしさが残る9歳。
かわいらしいが、頑固な面もある。
e瑛のお手伝いをしており、面倒見もよい。
涼のことを「お兄ちゃん」と呼んでくれる。
e瑛の部屋に泊まっている間、起こしてくれたり、本片付けの最中にお茶を持ってきてくれる。
反面、「猫に似ている」と言われて怒ったりすることもあり。
妹フェチ必見。
不明 香港の船の中で一緒になった女の子。
実は船の中で、前作で倒したはずのチャイに人質として取られたところを涼に助けられたらしい。
涼に中国語を教えたのもこの子。
桂花 頑固なばあさん。
気が強く、気難しい。
紅南街の紅南太楼に住むばあさん。
地上げ屋に襲われているところを、涼に救われる。
太極拳の達人で、武徳の一つ「」や、茶碗陣、それに技を教えてくれる。
高野 いずみ ◎(○) 涼と同じ年頃の18歳。
日本から離れてちょっと寂しいようだ。
シェンムーII唯一の日本人女性で、留学してきた。
トマトマートでバイト している。
涼に興味があるらしく、いろいろと 涼の身の回りのことについて聞きたてている。
最後には「うちに遊びにこない?」と聞いてくる思わせっぷり炸裂。
紅蘭 × 非道で冷血な女性 九龍城のビルで暗黒ストリートファイトで無敗記録を持つ載拳道の達人
裏社会ではファンが多い とか。
ストリートファイトは崩れたビルの一角で行われ、敗者はビルの10階から突き落とされる。
涼に敗れ、落ちそうになっているところを救われる。


関連作品

シェンムー第一章(前作)


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