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ゲーム探検倶楽部ソフト会議 #094
ビッグチャレンジ!ドッグファイトスピリット(ファミリーコンピュータ)

購入金額:980円(箱説つき・未開封品)

ゲーム内容

同社のディスクシステムゲームのシリーズ「ビッグチャレンジ」の作品。
名前からして3Dタイプのドッグファイトシューティングゲームに思えるが、実際は単なる縦スクロールシューティング
さらに自機は戦闘機ではなく、ヘリコプターである。

アイテムによる武器交換+ボムといったオーソドックスなシューティングゲームで、1ステージは低空飛行で最後の基地を壊す前半部分と、高速飛行で一定の敵を倒すとクリアとなる後半部分がある。
全7面。

一応、奇数面のBGMは同社のシューティングゲーム「E..D.F.」の元となっていることが分かる。

H.Kuwanoの考察・評価

1.これはとんでもない、メーカーの挑戦だ!

このゲームに限らないのですが、タイトルに「ビッグチャレンジ」とあります。
ここでは、このゲームに限って言わせてもらいます。

僕は正直言って、これは「プレイヤーの挑戦」ではなく、「メーカーの挑戦」であると考えます。

まず、この時期なのにディスクシステムで出すという挑戦
しかも、ゲーム内容的にディスクでなくても十分できるゲームです。
スターフォースや頭脳戦艦ガルの方がずっとフィーチャーや敵の種類も多いし、ゲームとしても完成されています。

そして、ドッグファイトのイメージを裏切るという挑戦
普通ドッグファイトといえば、戦闘機同士のバックの取り合いによる空中戦を考えますが、なんとこのゲームは戦闘ヘリでドッグファイトをやってしまうという無謀さ
そもそも、前半面は地上の敵を攻撃するため、ドッグファイトと呼べるものではありません。
タイトル画面を見ても、戦闘ヘリが低空飛行でジャングルを掃射している様子が描かれています。
これのどこがドッグファイトなんでしょうか。

そして、この完成度で出してしまうという挑戦
これが一番「大きな挑戦」です。 
まず、敵は説明書にあるもので全てです(あと基地もありますが)。
敵の種類は一桁程度しかありません。
さらに、
敵は基本的に8方向にしか弾を撃てません。
「ソーラーストライカー」かお前は!
最初は「『ビッグチャレンジ』というだけあって、これはシューティング初心者向けのゲームなのか?」と思ったのですが、最後になると間を抜けられない連射っぷり!
もちろん、8方向に!
もちろん面のグラフィックとかもたいしたものではなく、ステージの最初に出てくるワールドマップは■だけで描かれています。
せめて斜線ぐらい使えよ!
もちろん、敵の配置も考えられていません。
すぐに画面外に消えてしまう、アイテムを出すトラック。
地形に激突しまくる敵戦闘機。
少しは考えろよ!
さらに、最後の面は、基地を壊せば突然エンディングという力の抜け様。
ボスの音楽なんてありません。
いきなりA面を要求し、「いよいよ最後の戦いか?」と思ってセットしたらエンディングだったなんて、ちょっと悲しいよね。

これなら、僕だって「超クソゲー」みたいな記事がかけそうです。

 2.E.D.Fの原型か?

説明にもありましたが、このゲームの奇数面で流れているBGMは、E.D.F.の1面のBGMからメロディを抜いたものと同じです。
つまり、このゲームのBGMにメロディをつけたものが、E.D.F.の1面BGMです。
よく見ると、使用している文字の字形(フォント)もE.D.F.と同じです。

もしかすると、このゲーム、E.D.F.の原型かもしれませんね。

余談ですが、このゲームのBGMを聞いて、「アフターバーナー」のサントラを思い出しました。
サントラに入っているトラックは、実際のゲームのBGMに、メロディをつけたものなんですよね。
非常に良い音楽なのですが、アーケードゲーマーからは「オリジナルではない」と非難を受けました。

 3.妙にザナックっぽいところがある

このゲーム、実はザナックの影響を妙に受けていると考えられます。

まずはボス敵である基地。
ステージの中盤には敵の基地がありますが、これは地上物の砲台のパーツを組み合わせたもので、全部壊せば破壊したことになります。
ザナックでも同様に、ステージ中には破壊しなくてはならない基地があり、地上物のパーツを組み合わせて構成されています。
全部またはコアとなるパーツを壊すと、基地を破壊したことになります。

次は高速スクロール。
基地破壊後の後半(ドッグファイト面)では、高速スクロールの中を、戦闘機を破壊しながらすすんでいきますが、この高速スクロールもザナックっぽいです。

あとは、「自機が戦闘ヘリで、戦闘機と戦う」「地上と空中のショットが一緒」「ボム」というところから、「タイガーヘリ」とかも影響を受けてたり(これはどのゲームも一緒か)。


関連作品

スーパーE.D.F.


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