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漢字の発生は3300年も前の殷の時代に始まるので、話は勢い古い時代に遡るのが、それだけに止まらないのが白川学のスケールの大きなところである。 |
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白川静『文字講話Ⅲ』各講話の前には2ページ弱の要約のようなものが付いているが、講話の内容はそれをはみ出て豊かなものです。Facebookで扱えるようなものではないが、結びのあたりの話を少し紹介しておきます。 WodehouseやBarbara Pym、「アーサーの死」など次々面白いものが出てきて、中身の濃い『文字講話』はつい後回しになったが、何とかⅢを通読できた。 |
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白川静『文字講話Ⅳ』 ● 「感覚について」― 五感、例えば「見る」についても、看、省、相、視,察、覧・・・の字源の談義は当然のこととして、「さやけし」「あわれ」「をかし」「わび・さび」など、文芸の価値観にも触れ、スケールの大きな講話となっている。先生の好みも率直に打ち出されている。 学者が一生かけて探究したことを、その道筋を、後世に遺言ともいえる形で残されたこの「文学講話」を、とにかく通読できたことは有難い。中国1900年ほど聖典として支配してきた許慎の「説文解字」を根元から覆してゆく白川漢字学は、専門家の領域で、素人には正直難しいのであるが、字面を追う程度の読書でも、その凄さはよくわかった。後に続く学者がいてほしいもの。 2時間年4回ペースで全20回行なわれた講演を終えられた時、先生は94歳。その後更に4回の講演をされる。堂々たるかな!その人生。 |
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白川静『続文字講話』 「亀甲文字について」― 出土品の新しい情報など織り込みながら、殷の神聖王朝としての性格と漢字について論じている。 先生はこの本の校正を終えられて、2006年10月30日、96歳の生涯を閉じられた。 |
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白川静『桂東雑記Ⅰ,Ⅱ』 先生の晩年の『文字講話』と並行して、『桂東雑記』が刊行されていた。 |
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白川静『桂東雑記Ⅲ 』2005 白川静『桂東雑記』Ⅴ 2010 |
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白川文字学と教育 白川静は、福井県の出身で、郷土の誇りである。「白川静生誕之地記念碑」があり、県立図書館には「白川文字学の室」が設けれらているという。 |
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