日 野 昌 利 宮垣 様 早速に¨文学講話Ⅰ、Ⅱ¨の読後感をお寄せ頂き畏れ入ります。当方、先に触発頂き、従来の超大家達の全集を教養書代わりに読み進めて行くのに変えて、一念発起、図書館からⅠ巻目を借り出し、漸く、目を通し終わヘ、Ⅱ巻目を借り出した所です。とてもではありませんが、内容を理解し他への応用を自在という訳にはまいりませんが、重い読み応えに浸っている所です。色々、ご啓発をありがとうございました。
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「説文(字源)と易(経)には淫してはならない」という戒めを昔どこかで読みましたが、字の根源を追うことは、面白いが、泥沼に入る惧れがあるということです。若い人は、まず、漢籍を広く読むことに時間を割く方がよいと思います。 | ||
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白川静『字統』 (その1) 本を持ちたいという欲望は歳をとっても衰えないものらしい。。 |
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白川静『字統』 (その2) 昔、大橋巨泉や藤本義一が司会する夜のテレビ番組に、「11PM」という柔らい番組があって、そこに藤堂明保先生も出演しておられ、女偏の字などを解説しておられた。漢字の成り立ちに興味を持つようになったはこの先生の所為かもしれない。藤堂明保の音韻に基ずく説明は説得力があり、すっかりファンになって、この人の本を買った。そんな時代が続いた後、出現したのが、白川静先生で、こちらは、漢字の形からのアプローチで、甲骨文字、金文から演繹されるその説明には一貫性があり、面白かった。藤堂明保とは意見を異にし、両者には確執さえあった。藤堂は名家の出で、東大卒、北京に留学、東大教授という経歴に対して、白川は小学校を出て弁護士の書生となり、夜間の学校を出ながら、ほとんど独学でその学問を掘り下げていった人。 |
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小山鉄郎『白川静入門』平凡社新書 漢和辞典、字源辞典に興味のある方は第2章を読むことを薦めます。 |
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白川静『文字講話Ⅰ』 (そのⅠ) 先生は、73歳から86歳にかけて、大部な字書三部作を完成し、90歳にあと1年という時から一般人を相手に講話を始めた。1回2時間、年に4回、全20回の計画で進め、完遂された。 〔文庫版に立派な索引が付いていたので、単行本ではどうか?とちょっと不安だったが、索引は最初から付いていて問題なかった。文庫版は、新たに解説がついているほかは、単行本の完全な縮小版である。〕 |
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白川静『文字講話Ⅰ』 (その2) 『文字講話』は、字源の話を先生が易しい言葉で素人に解説するといった類のもでなかった。先生の学問の基礎、即ち、どんな資料で、どんな思索の末に、結論に達したかを、すべてあからさまに示し、また、未解決な事も明らかにして、後進の学者に、さらなる探究を求めるものであった。 |
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白川静『文字講話Ⅱ』 漢字の発生は3300年も前の殷の時代に始まるので、話は勢い古い時代に遡るのが、それだけに止まらないのが白川学のスケールの大きなところである。 |
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