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  「大いなる沈黙へ  グランド・シャルトルーズ修道院」
「聖なる呼吸」
「奇跡がくれた数式」
「ライオンー25年目のただいま」
「僕とカミンスキーの旅」
 

  
   

昨日、
映画 「大いなる沈黙へ  グランド・シャルトルーズ修道院
監督 フィリップ・グレーニング 2006年 169分 (岩波ホール 8月22日まで)
を見てきました。
中世そのままの修道院の生活をカメラが捉えています。
自然光のみの撮影、自然に採録された音だけで構成されており、音楽もナレーションもありません。
わずかに、聖句の引用が挿入されるだけです。3時間近い時間があっという間過ぎていきました。
人も自然も静穏の中に存在している姿に感動します。
土曜日のせいか、11時半の上映の50分前に行ったのですが、ほぼ満席でした。

Rieko Oki みたいなとおもっていました。
宮垣弘 着想から21年して完成した作品。心が洗われます。僧たちの顔がいい。
 

  
   

映画「聖なる呼吸」  YEBISU GARDEN CINEMAにて。
― 本作は、ドイツ人映画監督ヤン・シュミット・ガレが、ヨガの起源に興味を抱き南インドを訪れ、”近代ヨガの父”ティルマライ・クリシュナマチャリア(1888-1989?)の軌跡を追ったドキュメンタリーである ― チラシより
教祖が弟子、家族へどのようにヨガが伝えられたか、現存の人から聞き出した貴重な記録である。随所にヨガの実演が織り込まれていて、アクロバティックなポーズに驚くと共に、監督自身を含め、トレーニングを受けるシーンには感動した。
ただ、残念なのは、南インドの風景がほとんど見られず、流れる音楽が、リムスキー・コルサコフなど西洋の音楽なので、たっぷりインドに浸かろうと見に行った私の期待は叶えられなかった。

 

  
   

映画「奇跡がくれた数式」 渋谷Bunkamuraル・シネマにて。

インドの天才数学者ラマヌジャン(1887-1929)とケンブリッジ大のG.H.ハーディ教授(1877-1949)との友情を中心に描いた伝記的作品。
私は、余分なコメントをつけたくないほど、感動した。
(ケンブリッジ大の雰囲気を知るだけでも一見に値する)



映画の見所は
①国籍、身分の大きな違いのある3人(ラマヌジャン、G.H.ハーディ、J.E.リトルウッド)の数学者の友情が感動的に描かれている。
②それを演じる俳優が見事。
③天啓により得た公式に「証明」を要求するプロセスを描く。
④天才の脳の動きを示す。
⑤愛に「証明」は必要か?と問う。
⑥インド側の、母、妻が素晴らしい。
⑦ケンブリッジ大の雰囲気(時代雰囲気も含め)を見事に示している。
⑧インド側、母、妻も見事に描かれている。
⑨映像、音楽とも素晴らしい。
⑩興行的にペイするかどうか恐れずに作っているところも良い
これが私の感じです。

 

  
   

映画「ライオンー25年目のただいま」 渋谷シネパレス

終局では涙が止まりませんでした。
キャロル協会の映画通Kさんのご推奨。
「『奇跡がくれた数式』でラマヌジャンを演じたデヴ・パーテルが主演の実話ベースの感動作です。彼はずいぶんいい役者になってきましたね。今後も楽しみです。」とメールにありました。
デヴ・パーテルも素晴らしいですが、大きなウエイトを占める子役が光っており、脇たちも名演技でした。
インド、オーストラリアにまたがるスケールの大きい舞台に、25年の歳月を丁寧に描きあげ、素晴らしい音楽を付けた名作だと思いました。
人生の転換を引き起こしたのはなんと揚げ菓子。

 

  
   

映画「僕とカミンスキーの旅」  恵比寿ガーデンシネマ

ドイツ映画でドイツ語の響きが楽しめる。
カミンスキーはピカソやマチスと同時代人で、盲目の画家として有名で、若いジャーナリストが彼の評伝を書こうとしている。彼が亡くなると、回顧展だの、一種のブームが来るはずで、それを当て込んでのことである。取材のために、スイスに隠棲する彼の所に行き、やがて、彼の古い恋人を尋ねフランスに向かう。随所にハップニングが散りばめられて、ノンセンスな不思議な味わいがあり、エンタテーメントの要素にもなっているのだが、この映画の見どころは、取材する青年ジャーナリストの大胆な行動と取材される側の高齢の画家および昔の恋人を含む高齢者たちの振舞いである。これを見る若者は前者の立場でこの映画を見るのだろうが、私は後者で、「老い」というものをじっくり味あわされて、老優たちの見事な演技に感動した。