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「ロック映画を観よう」のオマケとして、実在バンド(一部例外アリ)の演奏シーンが出てくる映画(非音楽映画)をいくつかあげてみました。

テープヘッズ / ツインズ / ピーウィーの大冒険 / フィール・ザ・モーション / ボディ・ダブル / ハンガー / クリスチーネ・F / 欲望




テープヘッズ (→Lords of the New Church / Fishbone)


「ロック映画」に入れようか迷ったのですが、こちらに。
うさんくさいチョビ髭のジョン・キューザックと生マジメなオタク眼鏡のティム・ロビンス(長身コンビ!)が設立した「ビデオ・エース」社が、ひょんなことから事件にまきこまれるはめに。
彼等にプロモ撮影を依頼する人気バンド「ブレンダー・チルドレン」としてローズオブニューチャーチが出演しています。しかし撮影はめちゃくちゃ、しかもその後とんでもない事故でスティーヴ・ベイターは還らぬ人に。なんか不吉だな…
また、ジョン&ティムが敬愛してやまないソウルデュオ「スワンキー・モーズ」に遭遇するクラブで演奏しているのはフィッシュボーン。もっともスワンキーの二人は気に入らないようで「あれを殺っちまってオレ達が出ようぜ」などと文句を垂れてますが…
あと例によって(笑)アル・ヤンコビックもちらっと出てきます。




1988/アメリカ
監督ビル・フィッシュマン



ツインズ (→Jeff Beck)


(「実在バンド」の出演じゃないけど、下の「欲望」とジェフ・ベックつながりで…)
遺伝子実験によって誕生した「超優秀」なジュリアス(アーノルド・シュワルツェネッガー)と、彼にいいところを全部持っていかれた双子の兄ヴィンス(ダニー・デビート)。何もかも正反対の二人が母親探しの旅に出た。ちょっとヤバイ取り引きと、きれいなお姉さん二人をクルマに乗せて…
シュワちゃんのコメディ進出第一弾ですが、やたら裸になったり汗かいたりシャワー浴びたりと、淀川長治方面へのサービス満点です。
彼等が立ち寄った店で演奏しているバンドのギタリストがジェフ・ベック。歌っているのはニコレット・ラーソン嬢ですが、私よく知らないのですいません。曲に合わせて、二組のカップルは楽しげにワルツを踊ります。その後「Train〜」のサワリもちらっと聴ける。




1988/アメリカ
監督アイヴァン・ライトマン



ピーウィーの大冒険 (→Twisted Sister)


ヘンなおじさんピーウィー・ハーマンが盗まれた自転車を追って旅に出る、ティム・バートンの長編デビュー作。冒頭出てくるピーウィーの自宅の様子が、いかにもバートンらしくてワクワクさせられます。なかでも朝食作成マシーンは楽しい!(物の連鎖反応を延々と映した「ことの次第」(ヴェンダースにあらず)というビデオがあるんだけど、あれを思い出してしまう)
撮影スタジオにたどりついたピーウィーは大おっかけっこを繰り広げるのですが(「ゴジラ」撮影中の日本人も大迷惑を被るはめに)、そこでプロモを撮っているのがツイステッドシスター。オープンカーに乗って陽気に歌ってますが、突然やってきた一団にめちゃくちゃにされてしまいます。
そうそう、最後に出てくる劇中劇「ピーウィーの大冒険」のほうも全部観てみたいな。




1985/アメリカ
監督ティム・バートン



フィール・ザ・モーション (→Die Toten Hosen)


修理工場で働くティナは歌手をめざして奮闘中。音楽番組のスタジオに売り込みにいくものの、お偉方には相手にされず…ADのスティーブ(フランク・メイヤー・ブロックマン/この作品でしか見たことないけど、超私好みの顔!)と恋におちる。
音楽番組が舞台ということで、ミートローフやリマールはじめ多くのミュージシャンがステージを披露。トーテン・ホーゼンは、スケジュールやら何やらにふりまわされる新人バンドを楽しげに演じています。
ちなみに私のベストアクトはファルコ。雨の中クルマ壊れちゃって、通りがかりのタクシー運転手に「私はファルコだよ、ほらディア・コミッサーの!」と言っても「知らないね」と言われてしまう(笑)キザで間抜けなキャラそのまんま。その後の「Rock Me Amadeus」も勿論楽しい。




1985/西ドイツ
監督ヴォルフガング・ブルード



ボディ・ダブル (→Frankie Goes To Hollywood)


ひょんなことから豪邸の留守をあずかることになった三流俳優のサムは、部屋の望遠鏡から見える隣家の美女に心惹かれる。しかしある晩、怪しい男がその寝室にしのびこみ…
ヒッチコックの「裏窓」「めまい」を足していろいろ引いて、デ・パルマ流にこってり味付けした一作。彼の作品の中で一番好き。海岸でのぐるぐるキスシーンが忘れ難いです(余談だけど、私の泣ける映画ベスト10に入る「司祭」にも海岸ぐるぐるがあって、どっちを見てももう片方を思い出してしまう)。
作中突然登場するのが昨年再結成したフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、曲はもちろん「リラックス」。演奏シーンではないですが、やたら目立ってるってことで…一発屋といわれようと、これと「ズーランダー」('01)という二つの名作?に使われたんだからいいよねえ。
注:→こんな場面はありません(DVDのジャケ写より)




1984/アメリカ
監督ブライアン・デ・パルマ



ハンガー (→Bauhaus)


幾千年の時を生きる女吸血鬼ミリアム(カトリーヌ・ドヌーブ)は、愛する者を仲間にし永遠の命を分け与えてきた。目下の恋人であるイギリス人のジョン(デビッド・ボウイ)は、200年生きながら美しいままである。しかしある日を境に、急激な老いが彼を襲いはじめる…
冒頭、二人が獲物を探しに赴いたディスコでバウハウスのピーター・マーフィーが「ベラルゴシズ・デッド」を歌っている。そのまんまだけど心にくい演出です。その後吸血シーン(というのか)になだれこむまでのくだりがいいんだよなあ。
ボウイは老けメイクでえらいことになった上、後半出てこないので寂しいですが、シャワー浴びたりチェロ弾いたりと数々のお宝シーンがあります。




1983/アメリカ
監督トニー・スコット



クリスチーネ・F (→David Bowie)


ベルリンに暮らす13歳のクリスチーネは、通いはじめたディスコで麻薬を知り、クスリ代のため仲間と売春に手を染める。荒れた生活から抜け出そうとするものの、道は困難で…
原作は実際にクリスチーネという少女が書いた「動物園駅の子供たち」(未読)。ホンモノの彼女も愛したデビッド・ボウイが作中に登場し、「ステイション・トゥ・ステイション」を歌います。彼のポスターやステージを見上げるクリスチーネの顔にはつかの間の希望と安らぎがみえる。
(彼はさり気なく出てくるわけではないのでこのページの主旨に合わないような気もするけど、上でせっかく「ハンガー」出したから)




1981/ドイツ
監督ウルリッヒ・エデル



欲望 (→The Yardbirds)


若くして成功したカメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)は、白昼の公園で逢引中の男女を盗み撮りする。気付いた女(バネッサ・レッドグレーブ)はネガを取り返そうと執拗に彼を追ってきた。別物を渡しその場をしのぐが、自分がたいへんなものを撮影してしまったことに気付き…
この映画について話し出すと長くなるので省略しますが、ラスト近く挿入されるのがおそらく映画史上最も有名な「ロックバンド出演シーン」。ジェフ・ベック&ジミー・ペイジ在籍時のヤードバーズが「Stroll On」(「Train Keet A Rollin'」の歌詞違い)を演奏している。観客は皆マネキンのように身動きしない。そのうち雑音に苛立ったベックがアンプを攻撃、ぐらぐらになったギターを踏みつけて壊してしまう(ペイジはにこやかに演奏を続けている)。もげたネックを投げると、それまで微動だにしなかった客たちが突然大興奮で奪い合い。なぜか必死で食らいつくトーマス。しかし外に出た途端それはただのゴミと化し、道に打ち捨てられてしまう。
この演奏シーンやモッズファッションも印象的ですが、いちばん心に焼き付いてる映像は無音の草むら。トーマスのアトリエの造りも面白くて気になる。




1966/イギリス
監督ミケランジェロ・アントニオーニ




(2004/01/06)


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