はじまりの風

 

 

 その日、五月の爽やかな風が、世界のすべてに満ち満ちていた。
 この世のあらゆる存在の上に、あたたかな夢を届けようとして。

 
 高志はちらりと腕時計を見ると、広い体育館いっぱいに響くような大きな声を張り上げた。
「よーし、今日の練習はこれで終わりだー。後片付けしてあがれー」
 口々にほっとしたような声が返って来た。
「ハーイ」
「お疲れですー」
「やったー、やっと終わったぜー」
 生徒たちが汗だくの顔に嬉しそうな笑みを浮かべるのを見ながら、高志は自分も大きくホッと息をついて、大きく伸びをした。
 この春に入ったばかりの一年生たちが、先輩らに指示されて後片づけを始める。向陵高校のバスケット部は結構県内でも強い方だったが、その手の部にありがちなガチガチの上下関係はあまりなく、割合にアットホームであった。
 多分顧問である高志のおおらかな性格が反映されている面も多いにあるのだろう。
 高志はボール籠にかけてあったタオルを取ると、肩にかけて外へと足を向けた。
 体育館右側の扉を開くとグラウンドに繋がっており、そこではまだ野球部の生徒たちが、明るい日差しの中で元気に駆けまわっていた。
 校舎とグラウンドの間には運動部専用の更衣室が入った小さな別棟があり、その手前に水飲み場が置かれていた。高志はいつもそこで汗にまみれた顔を洗ってから、生徒たちが後片づけを終えるのを待って、職員室へと引き上げるのを習慣としていた。
 母校であるこの高校に体育教師として着任してから、もう五年になろうとしていた。
 ここのバスケット部から、やはりバスケットの強いとある体育大学に進み、そしてまたこの街に戻ってきた。卒業の際、社会人チームから幾つか声もかかったのだが、それらを蹴って一教師としての道を選択したのは、トップにはなれないであろう自分の能力を自分なりに冷静に判断したからだ。それに一生つきあうのなら、サラリーマンよりは教師という職の方が自分にはあっているように思えた。
 そして……なによりも高志には、ここに帰ってこなければならないもうひとつの強い理由があったのだ。
 勢い良く流れ落ちる水道の水に頭を突っ込んでザバザバ洗っていると、部活を終えた他の生徒たちが親しげに声をかけてきた。
「上原セーンセ」
「先生、お疲れさまっ」
 白いテニスウェアに身を包んだ女生徒たちが、楽しそうな笑みを向ける。高志は朗らかに笑って応えた。
「おうっ、テニス部も終わりか? どうだ、少しは上達したのか?」
 女の子たちはケラケラと笑った。
「やだあ、センセったら毎日同じこと聞いてるー」
「上原先生、それってオヤジくさいよー。だっさーい」
 高志はふんと鼻息も荒く言い返した。
「オヤジで悪かったな。おまえらだってあと十年すりゃ、近所のガキどもにオバサンって呼ばれるんだぜ」
「その時は先生だって、本当にオヤジじゃない。なーに言ってんだか」
「そうそう、センセなんて、すっかり剥げた中年オジさんになってるかもよー」
 女生徒たちは無邪気に言い返しながら、楽しそうに笑いあった。
 若い高志は、生徒たちにとっては教師と言うよりも兄のような存在で、気さくで明るい人柄も受けて、生徒みんなに好かれていた。おまけにルックスも上々と言うことで、女生徒の間にも特別な意味で人気があり、こうしてクラブが終わった後などは、親しげに声をかけてくるものがあとを絶たなかった。
 そのうち野球部の生徒らもよってきて、その談笑の輪に入った。
「先生、暑いよー。アイスおごってー」
「バーカ。教師の薄給にたかるんじゃない。給料前にそんな金どこにある」
「しっけてんなー、先生。そんなんじゃ彼女できないぜ」
「だから美人の姉さんが居たら紹介しろって、常日頃言ってるだろ?」
 軽口を叩いて笑いあっていると、体育館からバスケ部のキャプテンがやってきて、声をかけた。
「先生、片付け終わりました」
「おう、ご苦労だったな。終わっていいぞ」
 高志は元気に返事を返し、周りに群がる生徒たちにも急き立てた。
「ほら、おまえらもさっさと帰れ。残ってっとロッカールームの掃除やらせるぞ」
「いやーん。センセーのバカ!」
 女生徒たちの甘えたような声があがる。それでも彼らはにこやかに別れの挨拶を告げながら、それぞれ帰るべき場所へと帰っていった。
 高志が教師然としてその様子を見守っていると、丁寧に頭を下げて帰りかけたバスケット部のキャプテンが、ふとふりかえって尋ねた。
「先生。先生はまた中庭ですか?」
 高志はついと視線を向け、口元にちょっと困ったような笑みを浮かべた。もう隠しごととも呼べないほど公然となってしまった自分の行為を、改めて問われて当惑したのだ。
 だが生徒はそんな深い感情など汲み取るべくもなく、屈託なく問いを重ねた。
「いったい中庭になんて、なにしに行くんです? なにか面白いものでもあるんですか?」
 高志は目を細め、薄く笑って首を振った。
「いや、なんにもないさ。なんにも……な」
 生徒は不思議そうな顔をした。高志はすぐにニッコリと笑うと、追い立てるように言った。
「じゃあな、気をつけて帰れよ。ああ、あまり寄り道しないようにみんなに言っとけ。一応、な」
 生徒は明るく返事をすると、踵を返して体育館の方へと走っていった。
 独り残った高志はその場に立って、しばらく生徒らの帰っていく姿を見守っていた。着替えを済ませたり、片付けを終えた者たちが一人二人と姿を消し、辺りはだんだんと静けさの中に包まれていく。グラウンド脇の小道を談笑しながら帰っていく少女たちの声が、遠くにかすれて薄れていった。
 やがて子供たちの姿が見えなくなった頃、高志は校舎とは違う方向に足を向けた。
 そこは先ほどの場所からちょっとだけ奥まった、あまり人目につかない静かな一角であった。彼はその空間を見渡せる場所に立ち、改めて目の前の光景を見つめた。
 体育館の横にひっそりと存在している、あまり人の立ち入ることのない小さな中庭。それが高志の見つめる場所であった。
 猫の額ほどの慎ましやかな空間に、春の日射しが穏やかにふりそそいでいる。低木が何本か植えられ、生徒らの帰り道から程良くそのたたずまいを隠しており、そして隠された空間の中央に、一本の大きな樫の木がそびえていた。
 高志はその木を眺めていた。
 昔から、いったい何度この行為を繰り返してきたことだろう。
 まだここの学生だった頃から、高志にとってこの場所はどうしても立ち寄らねばならないところだった。
 バスケット部の練習を終え皆が着替えに向かう中、彼独りだけはいつもここに立ち寄って、黙ってこの光景を眺めていた。
 別に何があるわけではない。夏にはまぶしい日差しが地面にくっきりと葉影を描き、秋にはハラハラと落ち葉が舞って樫の根元を柔らかく包み込む。冬になるとさすがに厳しく冷え込みもしたが、晴れた日にはポカポカと日溜りをたたえて、暖かな白い光が満ちる。
 そして春になると……、薫る風が優しく吹きすぎて周りの低木を優雅にさざめかせた。
 そんな季節の移り変わりを、高志はずっと目にしてきた。それだけのことだった。
 どうしていつもここに来ては、この光景を確かめずにはおられないのか、それは自分自身にすら得ることの出来ない答えだった。理由なんてわからない。だけどそうせずにはおられない。ここに来ることが大切な誰かとの約束ような気がして、否応もなく心に導かれてしまう。それがいつ誰と交わした約束なのか、まるで覚えてはいないのに。いや、そんな約束を交わした記憶すら、これっぽっちもないというのに。
 ふうとひとつため息が唇からこぼれた。それもいつものこと。来ずにはいられないのに、いざやって来て目にしてみると、何故だかどうしようもない淋しさにとらわれてしまうのだ。何かが足りないような、そんな物悲しさだった。
 だが、いつもならそのまま職員室に戻っていくところだったが、その日は違っていた。
 高志が背を向けかけたその時、突然樫の樹の根元からひとつの人影が立ちあがって現れた。
 それは16、7くらいの、一人の少年であった。
 向陵高校の生徒ではない。制服ではなく白いシャツの私服姿だったし、なにより校内では一度も見かけたことのない顔だった。
 たとえ教師とはいえ、五百人を超える全生徒を覚えている訳はなく、知らない生徒、顔と名前の一致しない生徒なども結構いるのは確かである。しかし今目の前にいる少年は、そういう意味でわからないのではなかった。何故なら、その少年は一度でも目にしたなら決して忘れないであろう姿をしていたから。
 漆黒の細い髪、象牙のように滑らかで白磁のように透き通った肌。そしてそれらに包まれた、目も覚めるような美貌。それはまるで現世のものではないような、不思議な輝きをはなっていた。 
(誰……だ、こいつ……?)
 高志はそう考える一方で、胸の奥にしめつけられるような懐かしさを感じた。なんと表現すれば良いのか。せつなくて苦しくて、だけど燃えるように熱いなにかがこみあげてくる。我知らず目頭が熱くなり、唇が小さく小刻みに震えた。
(こいつ……こいつは……)
 何かを思い出そうとしても、それは無理だった。この少年に会ったことなどない。それは間違いないのだ。今目の前に立っているのは、初めて出会う知らない誰かだ。見たこともない少年なのだ。なのにどうしてこれほどにも胸が苦しいのだろうか。
 泣きたくなるような懐かしさだ。
 まるで長の別れをしていた友人に会えたような……、いや、違う。もっと近しく、もっと愛しいものだ。恋人、家族、それ以上のもの。ずっと失っていた我が身の半身。誰よりも誰よりも愛し、大切に思っていた存在……。
 それなのに、まったくの見知らぬ他人。いったいこれは、どういう感情なのだろう。
 高志は言葉もなく、茫然とその少年を見つめていた。
 そして少年もまた、じっと高志を凝視していた。
 黒曜石のような濡れた瞳が、同じように戸惑い、困惑するように揺れていた。高志の存在に驚き、その姿を目にして沸きあがった己の想いに心乱れて、愕然としている……そんな感じであった。
 薄い唇がなにかを語りたげにうっすらと開くが、しかし言葉を見つけられずにまた静かに閉じられていった。
 先に口を開いたのは、高志の教師としての責任感からだったのかもしれない。
「きみ……は?」
 高志が静かに尋ねると、少年は少しためらったすえに遠慮がちに応えた。
「あの……明日から、ここに……転校する予定で」
「ああ、転校生か」
 高志は少年の口からもれた現実味溢れる言葉に少しだけホッとして、口元に笑みを浮かべてみせた。
「今日は手続きに来たのかな?」
「……はい」
 少年は不安そうな表情を浮かべてうなづいた。質問ばかりの会話に警戒したのかもしれない。高志はそんな不安を取り除こうと、朗らかに笑って自己紹介してみせた。
「あ、俺はここの教師なんだ。体育を教えてる上原……」
 そこまで言いかけて、高志はふと不思議な感覚に陥った。普段なら、こんな場面で生徒に対して名乗るのに名前までは言いはしない。苗字だけでことは足りる。しかし今は何故か、それだけでは足りない気がした。
 だって昔誰かが、名前で呼んでた。とても良く通る美しい声で、呼んでくれた、自分の名前を。
「上原……高志。高志と……言うんだ」
 少年はなにも応えず、黙って聞いていた。それから、やがておずおずと口を開いた。
「僕は珠……珠梨。東条珠梨、です」
 それは乾いた大地に水が染む如く、心に深く浸透した。
「珠梨……か。いい名だな」
 高志は目を細めてその言葉に聞き入った。
 それは信じられぬほど自然と唇から流れ出た。まるで何年もその名と触れ合ってきたかのように、なんの抵抗もなく呼ぶことができる。そして、口にした途端、またぎゅっと胸が痛んで瞳がじわりと潤んだ。
 思わず口を閉ざした高志に、少年はおずおずと話しかけてきた。
「あの……申し訳ありません。こんなところにまで入りこんでしまって……」
 黙ってしまったのは、高志が何かに怒っているかとでも思ったのだろうか。少年の口調はしっかりとしていたが、どこか淋しげで哀しみを帯びていた。高志は笑みを浮かべて応えて返した。
「そいつは別にかまわないが……」
 少年を見つめ、優しく尋ねる。
「だけど、なんでこんな場所に? こんな所何もないし、それに何気なくやってくるような場所でもないだろ? 迷ったのか?」
「いえ……」
 少年はちょっと惑って瞳を伏せ、そのまま遠い瞳をして独り言のようにつぶやいた。
「なぜだか、わからないけど……ここに来なければいけない気がして。ここで、誰かが、待っている気がして……」
 一言一言、自分自身に確かめるように口にする。それはまた、高志の心にも深く響いて、琴線を震わせた。高志はかすれた声で尋ねた。
「……誰、が? 誰が、待ってるんだ?」
 少年は悲しそうに首を振った。
「わかりません……」
 顔をあげて向けてくる瞳が、どうしようもなく淋しげだった。
 高志は思わず駆け寄って抱きしめたい衝動に駈られた。昔誰かにそうしたように、孤独に震える魂を、抱き寄せて包み込んでやりたくなった。一人じゃないからと慰めてやりたい。あの時、古い神社の境内でそうしたように……。
(神社? なんだそれ? なんで急に、そんな子供の頃のことを……)
 確かに昔、家の近くに神社があった。でももう随分前に取り壊されてしまったはずで、その存在を思い出すことすらなかったというのに。
 その時、校舎でチャイムの音が鳴り響いた。それは遠い過去にあった高志の思考を現実に引き戻した。高志は我に帰り、ぼんやりとしていた自分を隠すように、慌てて話しかけた。
「ああ、えーと、転校生って言ってたよな。何年なんだ?」
「二年です」
「そうか。俺、担任は1年D組だけど、授業は1年から三年まで見てるからそこで会えるな。よろしく頼むぜ」
 教師の顔をしてそう言うと、少年は慌ててかしこまった様子で頭を下げた。
「あ、いえ、こちらこそ……よろしくお願いします」
 そんな時には、きちんとした生徒の顔に戻っている。だけどやっぱりどこか無理矢理つっぱってる感じがして、高志は少年の心を解きほぐそうと、気さくな笑みを満面に浮かべて言った。
「まあ、どうせ体育だし、それにほら、この通り俺若いしさ、あまり気構えずにお互い気楽にやろうぜ。友達みたいに、楽しく一緒に遊ぼ……」
 最後の一言を口にした途端、なにかがはじけて飛び散った。
 頭の中に真っ白な閃光が走り、一瞬すべての時間が止まる。
「……一緒に……あそ、ぼう……」
 高志はおずおずとつぶやいた。それはまるで何かのキーワードのようだった。
 いつか、どこかで、同じことを口にした。確かに覚えがある。いつだったか、誰かにそう言ったのだ。誰か大切なものに、愛しくてたまらない存在にそう告げたのだ。
 いや……やはり違う。そんな思い出は一度だってない。それは間違った記憶だということだけば、不思議なほど確信が持てた。ではこの想いは、胸が苦しくなるほどのせつない感情はなんだろう。夢の中の出来事だったのだろうか。いったい、いつそんな哀しい夢を見たのだろうか。
 ふと少年を見ると、少年は大きな目をいっそう大きく見開いて、じっと高志を見つめていた。
 ふいに、その黒い瞳からポロリと涙が零れ落ちた。ひとしずくだけ、白い頬の上を伝ってついと流れていく。
 そんな涙は、一度だけ目にしたことがある。昔、誰かがそんな風に泣いていた。それは初めて見た涙で、最後に見た涙だった。とても哀しくて、とても切ない涙だった。
(あ……)
 高志は眉をひそめた。
 違う。そんな記憶はない。こんな風に哀しく泣くものになんて、今まで出会ったことはない。こんな涙、一度だって見たことはない。なのにどうしようもなく心が騒ぐ。なぜ?
 ――そうだ。
 あの時、自分は腕を上げて、その涙をぬぐってやりたかった。泣くなと一言、言ってやりたかった。だけどそうできなくて、気がついたらそんな記憶はなくなっていて、ただなにかをなくしてしまった喪失感だけが残っていた。そしてわけもなく泣いて、看護婦を困らせたのだ。
 いつ、どこで、誰が泣いていたのだろう。そんな哀しい思い出は、持ってはいないはずなのに。
 高志はゆっくりと近づきながら尋ねた。
「どうして……泣くんだ?」
 少年はゆっくりと首を振った。
「……わからない。なにも、わからない。だけど……」
 ぽとぽとと、涙があとを追って続けて零れ落ちた。
 少年は透き通ったしずくを幾つもこぼしながら、独り言のようにつぶやいた。
「……夢を、自分自身で夢を紡げと、そう言われて……、ここに来た。だけど……なにかが足りない気がして……誰かを探してた……」
 言葉はまるで、一片の詩篇のように心に響いた。高志は少年の語る声を聞きながら、1歩1歩近づいていった。
「ずっと……ずっと誰かを探してた……。一緒に遊ぼうと、言ってくれた誰かを……僕を望んでくれた誰かを……僕は、探して……」
 いまはもう、腕を伸ばせば触れそうなほど傍に立って、高志は少年を見つめた。少年もまた、溢れる涙でいっぱいに潤んだ瞳を向け、一心に高志を見つめていた。
 手を上げ、濡れた少年の頬にそっと触れた。大きな手で、その華奢で美しい頬を優しく包み込む。こぼれる涙が高志の甲を濡らした。
 高志はそっとささやきかけた。
「ああ……そうだな。そうだ……」
 胸が騒いだ。
 語れ、告げよと心が命じた。
 あの時告げきれなかった言葉を、なくなってしまった記憶とともに埋もれていた深い想いを、今もう一度言葉にせよとなにかが突き動かす。
 たとえそれが二度とは帰って来ない夢でも、お互いなにもかもなくしてしまった後だとしても。
 無に戻ったのなら、もう一度はじめればよい。最初から、今こうして会ったこの時から、一つ一つ積み重ねていけばよい。遠い昔、誰かと誰かがそうしたように……。
 高志はゆっくりと語った。一言一言、少年に、そして自分自身に言い聞かせるように言葉を紡いだ。真正面から少年の瞳を熱く見つめて。
「一緒に、遊ぼうぜ。……俺たち、ずっと一緒に遊ぼう。今度こそ離れることなく、一緒に生きよう。ずっと……。俺たちの夢が終わるまで」
 親指を動かし、頬を流れ落ちる涙を優しくぬぐってやった。あの時したくてできなかったその行為をようやく叶えられて、高志の唇に笑みが浮かんだ。
「泣くなよ……珠梨」
 少年はぽろぽろと涙を流した。


 五月の風が、優しく吹き過ぎた。芽吹き出した若葉の匂いを、いっぱいにその腕にたたえて。
 はじまりを告げるように……。


                                          ≪終≫

ちょいとあとがき
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