ケンブリッジの午後

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2    触れられぬ夢                      
 
 新学期が始まった。
 俺にとってはまたバイトざんまいの日々である。仕事の合間に学校にきて、休憩時間に授業を受けているようなもの。
 それでも慈悲深い校長は放校にするようなことはなく、ひたすら黙認を決めこんでくれていた。
 校長はグランパの古い友達。きっと俺の世話を頼まれてでもいるんだろう。でなきゃとっくに追い出されていても不思議じゃない。なんせそのくらいひどい素行なんだから。
 だいたい、なぜこうまでして学校にい続けているのか、自分でもよくわからない。
高い授業料は、俺が必死でバイトして稼いだ金を、無情に奪いとってゆく。
 いっそやめちまえと何度も思い、それでも俺はまだやめない。どうしてなのか、俺も知らない。
 提出期限の切れたレポートを持って事務所に行くと、運悪く校長に出くわした。校長はここぞとばかりに俺をつかまえ、説教を始めた。
「まじめにやってるかね、ケイン。ーーなんだ、ちゃんと食べているのか? がりがりの頬をしているぞ」
「食ってますよ、一日二食、しっかりと」
「夏休みには家に帰ったかね? そろそろ先のことについて、家族ともよく話しあっておく頃だよ。大学はどうするんだ?」
「そんな金も暇も、俺にはありません」
「だが君のお母さんは進学を望んでるようだがね」
 俺は深くため息をついた。
 あいつはなんにもわかっちゃいない。自分の理想だけで現実離れした夢を見てる。
 でもって、起きてるときは酒びたりだ。
「学費を気にしているのなら、私が代替してもいいんだよ。奨学金だってあるしね。君はいい素質を持ってる。まあ、むらはあるようだがね。でもこのままつぶしてしまうには惜しい才能だ」
「そりゃどうも」
 珍しいお誉めの言葉だ。だが余計なお世話だ。俺は人に頼ってまで大学なんか行きたくない。
 温情溢れる神のごとき笑顔を受けながら、俺はそっけなく別れを告げ、背をむけた。
 善意なんかいらない。お節介もまっぴらだ。俺はただ欲しいのだ。
 ーーなにを?
 それがわかってりゃ苦労するかよ。くそくらえだ! ああ、いらいらする。
 不機嫌きわまりない顔でロビーに戻ると、アルバートがメモボードの前に立って熱心に見つめていた。
 俺を見つけて小犬のようにとんできては、背中から抱きついて首に腕をからませる。横で電話をかけていた女が目を丸くして見ていた。
「よせよ、暑い。ーーなに見てた?」
「バイトの広告。でもあまり金になりそうなのはないみたいだ」
「ああ、それなら二つほど見つけてきたぞ。フィッシュ&チップスの販売と、ウィークエンドにはディスコの皿洗い。どうだ?」
「いいけど、僕にできるかな?」
「簡単さ。教えてやるよ。皿洗いは俺と一緒だ」
「それは素敵だ。やるよ」
 アルバートはうれしそうにうしろから俺の頬にキスをした。
 こいつの変わりようは不思議なくらいだった。
 俺がほとんど覚えていないくらい真面目でお堅い、箱入りのおぼっちゃまだったはずなのに、今は驚くほどに自由だった。
 意外にしたたかで、人を惑わせる方法をちゃんと知っている。
 俺は奴の金色の髪に手をつっこんで、手荒く愛撫した。
「みんな驚いてたろう?」
「なに? ああ……、ふふ。教師が目をむいてた」
「一番驚いてるのは誰だと思う?」
「さあ。誰?」
「俺さ」
 アルバートはくすくすと笑って俺の脇をすり抜けていった。
 あいつの匂いが鼻をくすぐって、俺は背筋がぞっとする。全身が総毛だつ。
 どうしてこんなにもあいつに魅かれるのだろう、と。
 数え切れないくらい女を抱いて、忘れるほどたくさんの男と寝て、なのにこんなふうに愛したことはいままでなかった。目も離せなくなるほど夢中になったものなど、なにひとつなかったのに。
 俺はあいつを崇拝している。足元にひざまづき、足の指の一本一本にくちづけをしたいほどに。
 そのくせ、手を出すことはできないのだ。餓鬼みたいにキスして、抱きあって、じゃれついて、そこから先が進めない。恐ろしくて後込みし、まるっきりいつもの俺ではないみたいに黙って側にいるだけ。馬鹿みたいだ。
「ケイン!」
 むこうでアルバートが俺を呼んでいる。
 日差しの中、その姿は逆光になって、まるで光の中から舞い降りてくる天上の使者のように見えた。
 俺はぼんやりとつったったまま、長い間見とれていた。 


 最初は危なっかしかったあいつの仕事ぶりも、日を追うごとにすっかり手慣れたものとなった。
 フィッシュ&チップスのスタンドは、あいつ目当ての女の子で大繁盛。ディスコの裏口にも、ときどき女たちが奴を誘いにやってくる。
 優しい顔つきが万人うけするんだろう。俺には近寄ってこなかった真面目なお嬢さまがたまでが、奴の気をひきたくてうずうずしていた。
 しけた店だが、街に二軒だけのディスコとあって結構にぎわっている。
 人手の足りないときにはホールに回されてウェイターをやったりもするのだが、あいつのまわりにはいつも女の子の人垣ができた。
 だが当の本人はまるでその気がなく、誘いを断わる口実に尽きると、いつも俺のもとへとんできては腕にからみつく。だから俺たちの仲はすっかりそう思われていた。
「よう、ケイン。最近御無沙汰だと思ったら、そういうことだったわけだ」
ふりむくと、ホールと洗い場の通路に立って、チーフウェイターのオースティンがにやにやと笑っていた。
 オースティンはヒュー・グラントばりのものすごい美男子だ。
 だが常連の女たちは絶対に彼に声をかけたりはしない。無駄なことを知ってるからだ。
 彼は生粋のゲイ。
 俺のようにどっちもなんて中途半端はしない。よほど気にいった男だけを選んで誘う。
 俺はその内のひとりに入っているらしく、たびたび誘われた。頭もいいし、性格も悪くないので、俺はたいていOKした。
 オースティンはおかしな注文をつけたり乱暴なことはしない。大人だ。繊細で優しい。それに少しだが金もくれる。
 俺は彼と寝るのが好きだった。
「なんだよ。臨時のバイトか、オーズィ」
 それは俺たちの合言葉だった。
「ま、な。だが、返事はノーだな、この様子じゃ。どうやらあの可愛いぼうやに先を越されたらしい」
「そうでもないさ。いいよ、別に」
「へえ……。じゃ、やろうぜ」
「ここで、か?」
「ああ」
オースティンにしては、めずらしくアブノーマルな要求だった。
「立ったままやるのは嫌いだ」
「じゃあ、手でいかせてくれるだけでいいよ。おまえが欲しいんだ。がっついてんだよ、俺は」
 オースティンは妖しい笑みを浮かべながらすり寄ってきた。
 アルバートはホールに回されていて、今はいない。オースティンは俺の首に手をまわし、艶めかしく腰を押しつけた。俺は泡だらけの手でその腰を引き寄せた。
「石鹸、つくぜ。オーズィ」
「かまうなよ。それより……ケイン、はやく」
 壁にもたれて熱烈にディープキス。密着した下半身をうごめかして刺激してやると、彼は女のように喘ぎはじめた。
 オースティンの綺麗な顔が淫らに歪む。膝をわって足を開かせ、ジッパーをさげて手を差し入れた。
 下着はつけてない。いつものことだ。
 愛撫してやると、場所がらもかまわず大きな声をたてた。その口を唇でふさぐ。俺の背中に回したオースティンの手に力が入る。甘ったるい鼻声が、ふさいだ口の奥から漏れた。
 俺は半分冷め、半分熱中して彼を抱いた。久々のセックスだった。
 ふと気がつくと、入口にアルバートが立ってこっちを見ていた。
 俺を見ていた。俺ひとりだけを。
 ーー不思議な色の目だ。グリーンパークの森の色。グランパの家の庭にあった、楡の木の葉の色だ。
 あれはものすごくでっかくって、天にまで届きそうだった。俺はいつも天使に会えると信じて、どこまでも昇っていったんだっけ。
 決局俺は会えたのかな。
 いやーー違う、思いだした。俺は誰にも会えなかった。
 俺はいっつも途中で落っこちたんだ。そしておふくろに叱られた。
アルバートが身をひるがえして駆けていった。その足音にオースティンも気づいてつぶやいた。
「……やばかったかな?」
 俺はもう見えないアルバートのうしろ姿を目で追いながら、首を振った。
「いや……いいんだ。どうってことない……。うしろ向けよ、オーズィ」
「ケイン……」
「欲しいんだろ? やるよ」
 俺は有無を言わさず彼の体を反転させると、乱暴にパンツのベルトをはずした。
 無性に誰かが抱きたかった。
 誰でもいい。男でも女でも、世界中で一番嫌いな奴でもいい。
 アルバート以外ならーー誰でもいい。
 ホールからきこえてくる喧騒、オースティンのあえぐ声。そして俺の荒い息。
 それらに混じって、どこか遠くで、かあさんのヒステリックな叫び声が聞こえた気がした。


 それから何日かたったウィークディの晩、バイトから戻ると、さきに帰っていたアルバートが手紙を持ってやってきた。
 手紙は二通あった。ひとつはとても近いところ。もう一方は遠い海の果てからだ。
 俺は開けもせずに、ひきだしの中に突っ込んだ。そこには封の切らない手紙がいっぱいに溢れていた。
「……読まないのかい?」
 アルバートがおずおずとたずねる。俺は手を伸ばして奴の腕をつかむと、そのままふたりでベッドの上に倒れこんだ。
 アルバートは少しだけ身を堅くしたが、抵抗はしなかった。すぐに自分から腕をまわし、ぴったりとくっついてきた。
 あいつの髪が鼻をくすぐる。葉っぱの匂いがする。俺はその香に酔いながら、耳もとでささやいた。
「中身はわかってるよ。おふくろと……それにニュージーランドの叔父からだ。羊を飼ってる。手伝いにこないかってさ」
「ふうん。……行くの?」
「行かない、多分。いや……、どうかな。わからないな」
「行きたいって顔してる」
「ふふん、まさか。行かないよ」
「君が行ってしまったら寂しい」
「だから行かないって。それに……行きたくったって行けない。俺はこの街を、離れられない……」
 そうだ。出ていけるものなら、とっくにそうしてる。
ニュージーランドだって、インドだって、いや、たとえそれが隣町のロンドンだって、俺を縛りつけるものから逃げられるのなら、どこへだって行く。
 二年前家を飛び出したあの時、俺は遠くへいきたかった。
 うるさくつきまとう酒びたりの母や、私生児の俺を冷たい目でにらみ続ける田舎の住人たち。
 それらすべてを捨てて、なにもかもから自由になりたかった。
なのにどうだ。
 俺の行き着いたところは、田舎から何マイルと離れていない、この街だ。
 そして俺はこの街で、たったひとり、誰にも頼らず、勝手にやってる。自分で金を稼ぎ、自分で使い、思うままに生きている。
 生きている……はずなのに、どうしてこんなに息がつまるのか。
 まるでなにかの呪縛をかけられているかのよう。
 俺にまとわりつくものはなんだろう。誰が鎖を握っているんだ? おふくろか? それとももっと別のなにかか?
 俺はどうすれば出てゆけるんだ?
 この街から。この場所から……。
 黙りこんだ俺の胸の中で、アルバートはじっと俺を見あげていた。やがて聞き取れないくらい小さな声で、ひとことぽつりと呟いた。
「君と寝たい……」
彼は突然飛び起きて、むしゃぶりつくようにキスしてきた。
 シャツのボタンをはずすのももどかしく、はだけた胸に唇を這わせてくる。
「よせよ、アルバート」
だが奴は俺の制止を無視して、めったやたらにキスの雨を降らした。俺は両手で彼の体を押し返した。
「やめろ。おまえとはやりたくない」
「なぜ?」
 アルバートは怒ったような眼差しをむけて叫んだ。
「僕相手じゃいやなのか? あの男とならあんな場所ででもやるくせに!」
 一瞬返す言葉を失った。
 思わず口をつぐんだ俺を、彼は責めるようににらみつけた。
 長い時間無言のまま見つめあい、やがてアルバートは冷たい笑みを浮かべ、低く笑った。
「ーーそう。つまり僕の勝手な思い込みだったというわけだ。僕は誤解していたんだ。君に愛されていると思ってた。とんだ早とちりだったらしいな。すまなかった」
 そう言うとアルバートは唇を震わせながら立ちあがった。いまにも泣きだしそうな顔をしている。
 背を向け部屋を出ていこうとするのを、俺はとっさに腕をつかんでひきとめた。
「待てよ、アルバート」
「離せよ」
「待てってば。ーー愛してるよ。おまえが好きだ」
「嘘は聞きたくない」
「嘘じゃない。本当だ。だから、行くな、頼む」
 アルバートはためらい、うつむいた。しばらくしてから、すねたように問いかけた。
「じゃあ……どうして僕を拒むんだ?」
「それは……」
 返答に窮してしまう。アルバートはやはりという目をして、嘲るように鼻で笑い、腕を振り払ってドアにむかって歩きだした。
「アルバート!」
 俺ははじけるように立ちあがって、彼の肩をつかんだ。
 アルバートは抵抗した。だが強引にそれを押さえつけ、力づくで引き寄せる。そのまま乱暴にベッドにひきずって押し倒した。
 思わず頬をひっぱたいた。
 奴ははっとしたように硬直し、抵抗をやめた。俺自身もまた、我にかえって愕然とした。
 体の下で、アルバートが物問いたげに俺を見あげていた。
 緑の目が俺をとらえる。
 その目だ……。
 その目が俺は怖いんだ。
 俺はすがるように彼の体におおいかぶさった。
「ごめん。ごめん、アルバート。ごめん」
「ケイン……」
「好きだ、アルバート。愛してる」
 くちづけした。
 アルバートはもうあらがわず、優しく受け入れ、俺の首に手をまわしてそっと体を抱きよせた。
 ふたりの舌がからみあう。せつなく、甘い味がする。
耳の奥がしびれたようにじーんとし、閉じた瞼の裏が熱くなった。
 唇はそのまま頬を伝い、そっと耳たぶを咬み、彼の首すじのすべてを這いまわった。
 耳元で彼の吐息が聞こえた。
「ケイン……、ケイン……」
 俺の名を呼ぶのは誰だ?
 邪魔しないでくれ。俺はいま、夢を見ているのだ。
 最高の夢だ。
 楡の木のてっぺんに登った夢。天使にやっと会えた夢。  
天使を抱く夢……。
ーー天使を?
ーー抱く?
「う、はぅ……」
彼のうめき声に幻想がぱんとはじけ、俺は突然現実にひきもどされた。
 気がつくと眼前にむきだしになった彼の分身があり、俺はそれに唇をあて、接吻していた。
体が凍りついた。
 見あげるとアルバートの顔があった。
 俺の初めて見る奴の顔。苦悶とも快楽ともつかぬ、奇妙に歪んだ表情。艶めかしく開いた半開きの唇、緑の目。
 淫らなため息。淫らな瞳の色。
 俺は全身が地の底にひきずりこまれるような錯覚におちいった。
 もうたまらなかった。血の気が失せ、胸がむかついた。鼓動は爆発しそうにうち、息が荒くなって、冷汗がにじみでた。
 俺はよろよろと奴の体から離れると、すべり落ちるようにベッドを降りた。
「……ケイン?」 
 俺の異常に気づき、ベッドの上でアルバートは半身を起こし、いぶかしげな眼差しをむけた。
「どう……したの? ケイン?」
 もう彼の声は聞こえなかった。
 俺は口を押さえ、よろめきながら、もうろうとして窓辺により、我慢しきれずに窓から吐いた。夕食をとっていなかった胃からは、苦い胃液だけが絞り出されるように吐きだされた。
「ケイン!」
 うしろでアルバートが驚いたように叫ぶ。あわてて走り寄ってきた。
「だいじょうぶ? ケ……」
「来るなよ!」
 俺は窓の枠にすがりつき、背中を向けたまま絶叫した。
「側に寄るな! 触らないでくれ!」
「ケイン……」
「……頼むから……」
力が抜け、窓にすがったままひざまづいた。
子供みたいにぼろぼろと涙がこぼれる。堰をきって溢れだす。
 懺悔のように喋りまくった。
「……なぜだよ、どうしてなんだ? なんでおまえが抱けないんだよ? こんなにおまえが好きなのに。こんなに愛してるってのに!……ああ、アルバート……、助けてくれ。助けてくれよ。おまえが好きなんだ、アルバート、愛してる……」
 しゃくりあげ、泣きながらわめいた。どうにもならなかった。
 これ以上はないくらい惨めな姿をさらけだし、恥ずかしくて、情けなくて、羞恥に胸のしめつけられるような感情をいだきながらも、それでも俺は自分を押さえることができなかった。
 いったい俺を縛りつけているものはなんだろう。なにが俺からアルバートを奪うのか。
 こんなに熱く触れあっていながら、こんなにひとつにとけあっていながら、なぜ俺は彼を受け入れられない? なにが、怖いんだ、こんなに……。
靜かすぎるほどの夜の部屋の中、俺のすすり泣く声だけが響いていた。それだけがここにあった。
アルバートは当惑し、立ちつくしていた。
ずいぶん長い間泣いていたように思える。
 ようやく激情も去り、泣きやんだ俺のもとへ、アルバートが寄ってきて声をかけた。
「ケイン」
 返事をしなかった。
彼はしばしためらうようにたたずみ、やがて恐る恐る手を伸ばして俺に肩に触れた。俺が拒絶しないのを見て、そのまま優しく背中から抱きしめた。
 彼は謝罪した。彼にはなにひとつ罪はないのに。
「……ごめん、ケイン。僕は、不安だったんだ。きみが他の奴を抱くのがくやしかった。でも、もういい。もう……。悪かった」
密着した背中から奴の温もりが伝わってくる。暖かな彼の体温。
「……好きだ、信じてくれ、アルバート」
「ああ、わかってる。僕もきみが好きだよ」
「行くな。側にいてくれ」
「行かない。どこにも。ずっときみの側にいるよ。ケイン」
「アルバート……」
 だがその優しい愛の言葉とは裏腹に、深いわだかまりをまんなかに挟んで、俺たちは抱きあった。
 その晩、ふたりで猫のように身を寄せあって眠った。
 翌朝目が覚めたときには、側には彼はいなかった。
 
     
                                            ≪続く≫
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