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魔晄都市の墓碑銘

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 の星には、魔晄文明が栄えていた。
  魔晄……。
 星の中心部に流れるという生命の源である、ライフストリームと呼ばれる潮流を、人工的に汲み出し加工してエネルギーに転換したものだ。
 その施設を魔晄炉といい、魔晄炉を管理運転するのが、兵器開発会社から戦争を利用して一代でのし上がり星を牛耳るまでに巨大化した、神羅カンパニーであった。
 星に住む人々は、この魔晄エネルギーの恩恵を受け、豊かな生活を神羅カンパニーから約束されていた。
 しかし。
 運転中の魔晄炉の周辺からは緑がなくなり、土地は急速に枯れ果てているという。
 人類の英知を結集して創り出されたエネルギーは、星そのものの生命さえもをむしばみ始めているのだった。
 そんな中、長きに渡って続いた世界的な戦乱は、星全土を統治しようと目論む神羅カンパニーの圧勝に終わった。神羅が誇るソルジャー部隊、とりわけ、会社が祭り上げた若き英雄セフィロスの活躍に依るところは大きかった。
 神がかりな強靱さを誇る英雄セフィロスに憧れた優秀な人材が、各地からソルジャーになるために集まり、神羅軍は最強の名をほしいままにした。
 8基の魔晄炉を抱える要塞のような都市ミッドガル、それが神羅の居城であった。
 ピザのような形をした、プレートと呼ばれる中空都市に暮らす富める者たちと、プレートの下に出来上がった、空の見えないスラムに住む者たちが同居するのが、栄華を極める魔晄都市の実体だった。
 そして7年前、ニブルヘイムという田舎の村から、ソルジャーを目指して家を出た少年が居た。
 クラウド・ミシェール・ストライフ。
 彼は今、偶然知り合った反神羅を唱えるテロリスト集団アバランチに雇われて、魔晄炉を破壊するミッションに加わっていた。
 ソルジャーに憧れて家を出てから、神羅の象徴でもある魔晄炉を破壊するに至るまでの経緯は、未だ語られてはいない……。

 

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