「甍(いらか)の波」と形容される瓦屋根は重厚感、高級感、ナチュラル感を兼ね備え、見た目の美しさが大きな魅力。 近年では和風・洋風問わず、あらゆる建築物にマッチするラインナップが多彩に充実しています。
何十年も、時には百年以上も雨風・真夏の高温と真冬の寒気にさらされ続ける屋根。 そんな過酷な条件下でも厚さ寒さを遮ってくれる断熱性。そして不燃材としての防火性。または酸性雨にも強く、防音・防露性にも優れ、通気性もよく瓦自体の強度だけでなく、屋根全体としての耐久性を維持します。
粘土瓦(焼瓦)なら塗装などのメンテナンス不要。 しかも、優れた断熱性になり光熱費の制約にもなります。
新潟県産の粘土瓦(焼瓦)
ふるさと新潟(旧・安田町)の良質な粘土を用いた安田瓦は、住まいに重厚な風格を漂わせます。機能面においても、雪国で培われた技術で凍害に強く、耐久性に優れています。
愛知県産の粘土瓦(焼瓦)
愛知県の三河地域(三州)を産地とする三州瓦は、軽量で色・形のバリエーションも多く、 そのシェアは日本一を誇っています。
三州瓦製造各社のホームページ
株式会社鶴弥 >
新東株式会社 >
丸栄陶業株式会社 >
自社製造の高圧セメント瓦
自社で製造から施工、塗装まで行うセメント瓦は、セメント1に対して砂3の割合で調合した モルタルを用いて造られる瓦です。比較的安価で、塗装により多彩な色を表現できます。(上記写真は未塗装のセメント瓦)
軽量金属瓦(デクラ屋根システム)
天然石とガルバリウム鋼板でできたハイブリッド屋根材。粘土瓦の約1/9の重量で取り扱いやすく、台風・強風にも強く、耐震性も強い屋根材です。
1. 施工前
(現地調査、ご提案、着工前あいさつ)
現状の屋根の状態を確認し、お客様に最適なリフォームプランをご提案します。また屋根の工事は「粉塵の飛散」と「騒音」が伴います。施工前に近隣の状況を確認し、周囲のお宅へ着工前のごあいさつをすることで、後のトラブルを防ぎます。
2. 古瓦の撤去
および補修箇所等の確認
既存の瓦を撤去します。瓦をめくることは人間の外科手術と似ています。事前に点検していてもめくって初めてわかる破損箇所もあります。補修が必要な箇所を確認しながら、迅速に撤去いたします。また撤去した瓦は専門の廃棄処分場で破棄いたします。
3. 補修・古桟木の撤去
瓦を引っ掛けていた古桟木を取り外して屋根面全体の清掃を行います。それに合わせてタル木や野地板などが弱っている箇所は補修いたします。
4. 野地施工
(下地ベニヤ板等の施工)
もともとの下地は長きにわたって重さに耐えているため、傷みが出ている場合が多いです。新しく施工する屋根材に合わせて、ベニヤ板やコンパネ合板などを上に重ね張りし、野地の補強を行います。
5. 下葺き材の施工
下葺き材といわれる防水シートを張ります。雨漏りの主要な原因はこの下葺き材の破れによるものが多いです。万が一、瓦の隙間から雨が入り込んでも、樹脂材やゴムアスファルト材などでできたシートを敷き詰めることで、建物を水から守ります。
6. 瓦桟打ちおよび瓦割り
瓦桟、谷板金、軒先板金、捨て板金、強力棟等の施工
瓦を引っ掛けて留めるための桟木を打ちます。この桟木を真っすぐに打つことで、瓦屋根特有のキレイな直線美を保ちます。
7. 瓦上げ・平瓦(桟瓦)葺き
新しい瓦を屋根上に上げます。荷上げにはクレーンや荷上げ機を使用するため、専門の有資格者が安全を最優先に行います。また瓦は一枚一枚微妙に色や形が異なっています。瓦を葺く際には一枚一枚の状態を確認しながら葺き、必要なときは瓦を削り調整します。並んだ時にいかに美しく見えるように葺くかは職人の腕の見せどころです。
8. 棟瓦・土居瓦葺き
棟土は″地産地消″の観点から地元の山砂とセメントを混合したものを使用しています。また棟土を使わない乾式工法もあります。のし瓦は糸を張り直線を出し仕上げます。
9. 完成
最後に屋根上および周辺部を清掃して完成となります。すべての工事が完了しましたらご確認いただき、万が一施工トラブルがありましたら早急に対応いたします。また屋根のメンテナンスなどについてのアドバイスもさせていただきます。
軽い屋根なら安心、重い屋根は心配と考える前に、「瓦を乗せられない家で大丈夫?」「板金などの軽い屋根材しか乗せられない程度の家で本当にイイの?」と考えた方がより現実的なのではないでしょうか。
昭和56年に施行された改正建築基準法による新耐震基準では、屋根の種類によって躯体の強度を決めることになっています。屋根に合わせて柱の太さや壁の量を決めるのがルールです。きちんとした家の設計・施工をすれば耐震性能は問題ないのです。まずは、丈夫な家を建てることが先決です。
しかし、築年数が古く、かつ、建物1階部分の開口比率が高い(例えば、1階が店舗、2階が住宅など住宅躯体構造部が脆弱な)建物や、シロアリ等の被害による住宅基礎部の強度が低下した木造住宅などは、大規模地震時に倒壊の危険性があります。建て替えるのがそれは一番なのですが、金銭的、その他の都合で屋根の葺き替え工事のみを希望のお客様には、「軽量樹脂瓦」などの軽い瓦(一般的な陶器瓦の半分以下の重量)やガルバリウム鋼板の板金屋根もお薦めしています。