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ゲーマーズマップ 第 321回

石巻〜陸前高田

探検日: 2013年10月14日

冒険前のできごと

皆さんお久しぶりです。
まだ僕は生きています。
・・・って、仕事や諸々の事情で出かけるどころか、ゲームで遊ぶ暇もなかったけど。

今日は再び被災地である陸前高田に行ってみることにしました。
前回も買った「雪っこ」という地酒の新年度版が10月から販売開始ということで、復興支援(になるか分かりませんが)ついでに買いに行こうと思っていました。
本当に雪っこが降ってきたらシャレにならないので、早めに行こうと思ってこのタイミングになりました。

それだけでは物足りないので、まずは石巻に行って、北上しながら陸前高田に向かうことにしました。
あまり事前調査はしませんでしたが、まあいいでしょう。


三陸道を通って、石巻に向かいます。
松島のあたりまでは有料ですが、その先は高速道路のようになっていても無料の国道になっています。
それにあわせて急に渋滞しだすのはやっぱりといった感じでしょうか・・・。

高速道路みたいな国道をはずれ、石巻の市街地に向かいます。

ここ石巻は、漫画家の石ノ森章太郎氏の縁の地ということで、漫画で町興しを実践しているようです。
まずは仮面ライダーが描かれた看板が目に飛び込んできました。

石巻駅前の商店街に入ると、石ノ森章太郎氏のマンガのキャラクターの像が通りに見えました。
仮面ライダーの像の前で記念写真を撮っている子供の姿を見て、ほほえましく感じました。
他にもサイボーグ009とか、ロボコンとかの像がありました。

その先には「石ノ森萬画館」という、氏の作品の博物館がありました。
銀色の宇宙船(UFO?)のような印象的な建物で、中州にあるというその立地がニューヨークのマンハッタンに似ているので「マンガッタン」と称しているようです。
ですが、僕自身はマンガには興味がなかったので、先に進むことにしました。
仮面ライダーぐらいしか知っている作品がなく、「仮面ライダー倶楽部は2〜3日間ファミコンの電源つけっぱなしにして、頑張ってクリアしたなぁ」「ディスクシステムの仮面ライダーブラックはバイクで段差にぶつかった時のマヌケなモーションに笑ったなぁ」「プレイステーションの仮面ライダーは、メンバーとプレイしたっけ」といった、ゲームの思い出しか浮かんできません。
それでも、父と子で共通の話題となる、世代を超えた作品です(他にも「ドラえもん」「アンパンマン」「ハローキティ」「ウルトラマン」と、いろいろありますね。ゲームで言えばドラクエとかですか)。
きっと親子で行くと楽しめるのではないでしょうか。

花より団子、というわけで、「石ノ森萬画館」に近い「復興マルシェ」でお買い物をすることにしました。
この時期はサンマが旬と聞いていたので、サンマを買っていこうと思ったのでした。

車を停めて中に入ると、ここにも仮面ライダーの像が立っていました。
本当はサンマを買いたかったのですが、お魚売り場は営業を休止していました。
残念。
他の売店をのぞいて見ても、サンマの缶詰はありますが、生のサンマはありません。
今話題のサバの缶詰を買いつつ、生の魚を売っているお店を店員に教えてもらいました。
ちなみにこの近くで旬の時期に取れたサバを「金華サバ」というブランドで売っているようで、9月〜10月ぐらいの時期が旬のようです。
この缶詰も金華サバを使用しています。
さらにちなみに石巻で売られている缶詰では、鯨の缶詰が一番の名物のようです。
しかし、鯨となると外国人観光客なんかはいい顔をしないように思うのですが・・・。

しばらく高速道路を走っていておなかがすいたので、ここで昼食をとることにしました。
食堂に入ると、爽やかな感じの男性店員が出迎えてくれました。

ここでは、B級グルメの「石巻焼きそば」を注文しました。
地元の海産物を使った海鮮丼と迷ったのですが、そこまで空腹ではなかったので、
600円と、ちょっと高い感じもしましたが、あら汁とお新香がついていて、価格には納得しました。
目玉焼きが載っており、後からソースをかけて食べるのが特徴です。
置いてあったソースには石巻焼きそばのマスコットキャラ(ゆるキャラ)が描かれています。
でも、ソースは地元産じゃない・・・。

まるでラーメンの麺を炒めたように色があっさりしていますが、これはソースがかかっていない?ためのようです。
でも麺は香ばしいというか、まろやかな感じがしました。
それでもそのままでは味が薄いので、流儀どおりソースをかけておいしくいただきました。

車に戻り、さっき教えてもらった店に行こうと思ったのですが、思わず通り過ぎてしまいました。
Uターンしようと何かの船着場に入ったのですが、停泊している船の壁面にマンガ調の人魚のイラストが描かれていました。
この船は、ネコの島とも言われている「田代島」を結ぶフェリーです。
さすが、マンガの街!と思わず感心してしまいました。
ネコと来ると反応するメンバーがいますが、そういったものは期待できなさそうだし、時間も少ないので今回はパスしました。
(ちなみに近くには兎島というのもあるようです)。

教えてもらった店は、街の魚屋さんでした。
せっかくだから、 ここで特大のサンマを買いました。
観光客がこんなところで生魚を買うなんて、ヘンな客だと思われてしまったかもしれません。
他にも金華サバについて聞いてみましたが、今は加工品しかないということでした。

 

他の場所にも行くことだし、あまり長居もできないな。
ということで、次の都市にいくことにしました。
三陸道らしい国道に戻り、北に進みました。


三陸道らしき国道を進んでいくと、どんどん山の中に入っていき、最終的には別の国道とT字路になっていました。
そこを東に曲がっていくと、テレビなどでもたびたび出てくる、南三陸町 につきました。
このあたりは集落が分散しているのか、復興商店街なども各地に分散しているようでした。
そして、海岸線近くには集落があったであろう地に、荒野が広がっています。

結局車を降りて買い物をすることができませんでした。
南三陸町の皆さん、ごめんなさい。

海岸沿いの国道を北にすすみ、山道と被害を受けた集落の街道を繰り返すうちに、気仙沼市に入っていきました。
気仙沼では、ぜひともB級グルメの「気仙沼ホルモン」を食べてみたい、と思い、近くにあった大谷海岸という道の駅に入りました。

大谷海岸の道の駅は、小さい道の駅ではありますが、軽食や売店があり、県外から来た観光客が休憩していました。
海藻やほやの加工品を中心とした土産品があり、変わったものでは「塩サイダー」「ふかひれソフト」なんてのがありましたが、気仙沼ホルモンはやってなさそうでした。
ちなみにBRTの大谷海岸駅でもあったりします。

ここでは前回も買ったおつまみ昆布が売っていたので3つほど買いました。
パッケージも陸に打ち上げられた船の写真から、震災前の街の写真になっており、明るさを取り戻そうとしている印象を受けました。
ただここでは120円で売られており、値上げしたのかな、と思ってしまいました。
まあ、それでも買うけどね。

あまり時間がありません。
通り道で気仙沼ホルモンのありそうなところを探しましたが、結局見つかりませんでした。


車を走らせ、岩手県の陸前高田市に入りました。

前回来たときよりも瓦礫が整理されたように感じました。
それにしても、休みだというのにいたるところでパワーショベルが動いています。
僕もこんなことしている場合じゃないのかなぁ。

しばらく走っていると、奇跡の一本松が見えてきました。

奇跡の一本松」の入り口の駐車場に到着しました。


駐車場には県外ナンバーの車が多数見られ、観光バスも通っています。
駐車場の脇には売店があり、まずは陸前高田の名物「マスカットサイダー(無果汁)」で少量ながらエネルギー補給。
思わず自転車を引き出して一本松に向かおうとしたのですが、駐輪場もなく車両乗り入れ禁止だったので、結局徒歩で向かうことになりました。

奇跡の一本松までの道は、アスファルトで舗装された歩道になっています。
工事中の建物を迂回するように進み、整地された中を通って、柵に囲まれた一本松に向かいます。

奇跡の一本松に着きました。
木の周りはきれいに舗装され、花壇のようにブロックに囲まれた中に一本松が立っていました。
花を手向ける祭壇のような石段が手前にあり、花が一束だけ供えられてい
ました。
奇跡の一本松は、地元の人たち、いや、世界中の多くの支援者によって、きれいに保存されています。
しかし、その背景に残された全壊の建物は、その津波の傷跡を今も残しています。


その前にもあった観光案内の看板では、接木により苗木を育成し、一本松自身はモニュメントとして整備します、とも書かれていました。
苗木育成って、何だかド根性大根みたいですが、この松のド根性も負けてはいません。

(後日、やなせたかし氏の陸前高田のイラストに、奇跡の一本松の隣に数本の小さな松?の木が並んでいる
絵を見つけましたが、それがこの苗木なんでしょうか・・・)
そんな中、観光客のおばさんが急に僕に話しかけてきて、「枯れたって聞いたけどまだあるんだねぇ」なんて言っていました。
なぜか僕は、ちょっと複雑な思いになってしまいました。

車に戻り、前回も見た陸前高田物産センターに来ました。
その向かいにはファミリーマートが出来ており、復興が進んできたという実感が沸いてきました。

前よりも売り場が広がったような気がしますが、気のせいでしょうか。
売り場に合わせて商品の種類が増えたような気がしますが、それでも地元産の商品を取り扱っているのは変わりがありません。
あの萌えキャラとマスコットキャラが描かれたクリアファイルも、やなせたかし氏が製作したCDやマスコットキャラのグッズも健在でした。

ここで無事、最近発売になった地酒「雪っこ」を買いました。
ワンカップ、4合瓶、一升瓶とありましたが、一升瓶は一本しかなかったので遠慮して4合瓶の方を買いました。
ついでにしょう油アイスのリベンジと思いましたが、シュークリームしかなかったのと、さっきのマスカットサイダーの甘さが口に残っていたので、パスしました。

余裕があれば釜石とか宮古とか久慈とか行ってみたかったのですが、時間がないのでまた今度。
僕は東に車を走らせて長い山道をひたすら進み、東北道で帰路につきました。


冒険の終わりに

今日は三陸でB級グルメと名産物の探訪の旅をしてきました。
なんかゲームの話題がほとんどなくて申し訳ないのですが、勘弁ください。
本当は現在の被災地の情況として、もっと写真を掲載したいのですが、あまりいい写真が取れなかったり(写真といっても実はドライブレコーダーの画像なのですが)、著作権に触れそうなものばっかりで、あまり掲載できませんでした。
(特に石巻は泣く泣く全部カットしました。石巻の皆さんすみません。)

石巻は、特に石ノ森章太郎氏の縁の地ということで、マンガ好きだったらきっと楽しめると思います。
特に40〜50代の、お子さんが仮面ライダーを見ている家庭だったら楽しめると思います。
そうでなくても、サンマやサバといった海産物や、ご当地焼きそばなどがあり、楽しめると思います。

南三陸町、気仙沼は今回はほとんど通り過ぎてしまいましたが、また時間があるときにゆっくり見てみたいと思っています。
早く三陸道が整備されると良いですね。

陸前高田は、前回と比べて復興が進んでいるのを感じました。
奇跡の一本松の下に実際に来て見て、陸前高田の人々の想いというと大げさですが、何かを受け取ったような感じがしました。
奇跡の一本松の保存には反対の意見を持つ方もいらっしゃると思いますが、きっといつかは保存してよかったと思える日が来るのではないか、と思いました。
一方、奇跡の一本松以外にもいいものはたくさんある、と改めて感じました。
奇跡の一本松に来たら、ぜひ物産センターにも立ち寄ってもらいたいですね。

帰ってから数日後、アンパンマンの作者のやなせたかし氏の訃報を聞きました。
陸前高田物産センターで氏が製作に携わったマスコットキャラクターやCDを見ており(しょうゆアイスのイラストも氏のものです)、今回の冒険が意味深に思えてきました。
ご冥福をお祈りします。


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