見慣れない、水色とピンク色のラインが入った中央線にのって、1時間半。僕は甲府についた。
この日は、雨だった。
1時間半の時間制限の中、僕は地図を頼りにハードオフを探した。地図は雨でぬれて、インクが染みていた。
大体15分ぐらいで、駅に近いほうのハードオフは見つかった。ここは商店街の中にあるという、めずらしいタイプで、
ビルの3階、4階に店舗があった。
いろいろ探したが、探しているものは見つからなかった。面白いものに、ゲーセンの筐体があり、「警報が鳴りますので、コイン投入口を開けるときは、店員に声をかけてください」というものがあった程度だった。
何も買わないのは何なので、とりあえず「アクロバットミッション」を説明書つきで300円で買った。
もう一つのハードオフは、中央高速道路のインター付近にあった。
予感はしていたが、ここはかなり遠いことが分かった。
結局、途中で捕まえたタクシーで、ここに行くことにした。
タクシーの運ちゃんに地図を見せると、「ここは昔、○○デンキっつったんだ。こんな店なら近くにあるよ。」。たしかに、ノジマ電気とGEOがあった。
本当はよりたいところだが、時間がなかった。
帰りの道を聞くと、「ここからあいっていっても、10〜15分かかるだろうな。店の人にタクシー読んでもらったほうがいいんじゃないの。」と言ってくれた。ちなみに「あいく」は「歩く」のことらしい(本当かどうか定かではないが)。
ようやくハードオフについたが、ここでは買うものもなく、また時間がなくなったので、せっかくタクシーを使ってまで来たのに、すぐに出た。ちなみに1200円ぐらいかかった。
時間に間に合わないと、特急を使わないと帰れない。
僕は、靴の紐がほどけているのにかまわず、雨でかばんがぬれているのにもかまわず、走った。
1kmぐらい走ったあたりで、タクシーを捕まえることができた。向かう先は、甲府駅。
甲府駅について、もう一つの目的である、ワインを見た。
新酒の試飲があったので、飲んでみたが、白も赤も、甘い。
個人的には赤の渋いワインが好きなので、勝沼ワイナリーの「トラディッショナル・オブ・勝沼(赤)」というワインと、サントネージュワインの「酸化防止剤無添加ワイン(白)」を買って、中央線に飛び乗った。
そうして、タクシーは使ったが、特急券を買わずに家路につくことができた。
こうして買ったワインだが、やはり白のほうは甘くてジュースみたいだった。が、これはこれで飲みやすくてよいと思った。
赤の方もよかったが、その2週間後に解禁となるボジョレ・ヌーボーには適わなかった。