1.ピュアな気持ちでプレイ
本作は、あるゲーム雑誌の巻末のコメントで気になったこと、店頭で見てネコゲーっぽかったこと、さらに非常に安かったことで買ってみたのですが、インターネットで調べてみると、発売数ヶ月で価格が大暴落とか、不安を抱くような情報がありました。
さらに、○○ゲーの紹介本としても名高い、ある本にも本作が掲載されており、余計な予備知識を仕入れてしまいました。
本作をプレイするにあたり、それらの雑念をリセットし、「夏休みの思い出作り」というパッケージ裏のコンセプトにのっとり、某本でいう「男らしいプレイ」を目指し、プレイすることにしました。
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周回プレイはなし
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やりなおしはなし
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セリフはスキップしない
主人公は小学4年生の女の子、みらい。
彼女は消極的で運動が苦手な女の子で、ようこという運動好きでボーイッシュな親友がいます。
夏休みの宿題が沢山出されたのもありますが、こんな自分を変えたい、という悩みを抱えているようです。
夏休みも始まるというのに、暗いなぁ。
さらにみらいの父親は仕事で単身赴任しており、夏休み中は帰って来られません。
ストーリー上、というよりも、単に男キャラを出したくなかった んじゃ・・・。
ある本にも書かれている通り、男キャラのポリゴンモデルは一切出てきません。
そんな中、おばあちゃんからプレゼントが送られてきます。
それは今時懐かしい、ドールハウスです。
何故か僕は福島県の小野町にあった「リカちゃんキャッスル」を思い出すのでした。
そんな中、ドールハウスから魔女っ子が登場します。
ここで、パートナーとなる魔女っ子を3人の中から選択します。
1人目の「リルテ」は、天然系の黒髪の少女で、魔女らしい格好をしていますが、きっとこのキャラはKGRさんがプレイしているでしょう(ちなみに髪にはウサギのヘアバンドをつけています)。
かぶるので、2人の中から選ぶことにしました。
2人目の「マール」は、元気いっぱいの少女ですが、キャラクターデザインがあの「ハローキティといっしょ!!ブロッククラッシュ1・2・3!!」の超難関ステージ、「水無瀬シズク」と同じ
です。
あの地獄を思い出すのは、もう嫌だな・・・。
ということで、3人目の「シェル」を選択しました。
お嬢様系で一番オトナっぽい、絵を描くことが好きな魔女っ子です。
しかし、モーションが少々オバサンっぽいなぁ。
ある本では「登場キャラが幼女にしか見えない」とあり、確かに母親や先生は年齢相応には見えません。
僕は何故かみらいの母親を見て、「フェイト タイガーころしあむUpper」にでてきた、さくらを思い出してしまいました。
一方、モーションは何か古臭いものがあり、母親の笑い方や先生の話すときなど、これで年齢のバランスを取っているのかな、と思ってしまいました。
そして、魔法を唱えます。
魔法といっても、画面の指示に合わせてコマンドを入力するだけ です。
魔法を唱えるときは、魔女っ子は別の衣装にチェンジしますが、そのときの衣装は別のものに変えることができます。
衣装は週末に成績に応じてもらえるポイントで購入したり、ダウンロードコンテンツでリアルマネーで購入
したりします。
コマンドといってもアナログスティック一回転やボタンを押すなど、そこまで複雑ではないのですが、判定がリーア、もといシビア
で、特にアナログスティックの回転は、最初に斜めに入力したり、回しすぎて余計な方向まで入力すると失敗になります。
僕は何故か「らき☆すた」でアナログスティックの入力に慣れていました。
それが後に「魔術師」という異名となることに。
なぜなんだぁ(なつかしい)。
ここから、ゲームの始まりです。
気分はまるで女の子版「ぼくのなつやすみ」です。
魔女もいっしょだけどね。
ゲームの流れは、平日は一箇所を選択してストーリーを展開し、土日で固定のイベントをこなす、というものです。
平日のストーリーは、魔法で困っている人を助けるものです。
途中で魔法を唱え、その成績が週末のポイントに影響します。
先ほどキャラのモーションが古臭いと書きましたが、キャラクターは3Dモデルで構成されており、会話の内容に合わせて表情を変えたり、仕草をとったりします。
モーションの継ぎ目は雑ですが、 それぞれのモーションはなかなか生き生きとしていて良いと感じました。
また、画面上のキャラクターは全て声が当てられているのですが、主人公のみらいには声はなく、画面上にも出ないため、まるでギャルゲーの主人公のようです。
少々ネタバレになりますが、夏休みの最後を待たずして、魔女っ子とは最後の週の日曜日にお別れとなってしまいます。
これも昔の魔法少女モノの王道 といったところでしょうか。
立場は逆ですが「魔法の少女 シルキーリップ」を思い出しました。
そうして魔女っ子が魔法の国に帰ってエンディングと生るのですが、エンディングは、選択した魔女っ子がどこかに向かって歩いているのを右側に映し、左側にスタッフロールが流れます。
オープニングと違い、歌詞が出ません。
途中で魔法服に着替えるので、初代「ロックマン」のエンディングに似た感じを受けました。
しかし惜しいなぁ。ゲームのコンセプトが「魔女っ子と夏休みの思い出作り」だったら、これまでの名シーンみたいなものを出した方が良かったんじゃないか、と思いました。
僕が到達したのはグッドエンドだったようです。
夏休みが終わり、部屋で考え事をしているみらいの元に魔女っ子が戻ってきました。
・・・
このままの方がストーリー的には良かったんじゃないのかな。
2.業界破壊ゲー
とまあ、僕は比較的マジになってプレイしていましたが、KGRさんは途中で萎えたようです。
12月現在、リアルタイムで8月15日、ゲーム内の時間で7月20日ぐらいで止まっていました。
何でも格ゲーするのにベストスコアを取らないといけないと思っていたようです。
それでも、本作を「どこが面白いのか分からない」と切り捨てていました。
ミーティングの中では、誤って僕がセーブデータを上記データで上書きしてしまい、KGRさんのデータを僕が進めることにしました。
時間が無いこともあって、全ての会話をスキップしてプレイすることになりました。
まあ、ストーリーも特筆すべき点はありませんが・・・。
キャラクターの動きとか画面とかは見てもらったのですが、「背景は素材集のものだろう」とか「ひぐらしの効果音流せー!」という野次が飛び交いました。
本作のお話の内容は、たいていが何か壊れたものを魔法を使って直す、というものです。
そのためか、魔法で商売をダメにする「タクシー業界破壊ゲー」「病院破壊ゲー」などという、不本意な呼び名がつけられてしまいました。
3.ターゲットが不明
よく書かれることですが、このゲームは本当にターゲットが分かりません。
まず、本作は小学生ぐらいの「お子様」向けではありません。
時代考証からして、携帯電話やパソコン、コンビニなどといった、現代のものがありません。
また、今時の女の子は、魔法少女モノならば悪い敵がいて、仲間と協力してそいつを必殺技でやっつける ような、そんな男の子向けのアニメっぽいような展開に慣れています。
本作のように、ひたすら地味に困っている人を魔法で助ける、という内容には興味を示さないのでは、と思います。
また、このゲームのダウンロードコンテンツで、1980年代の魔法少女のアニメのキャラの服装が有償でダウンロードできるようになっています。
このことからも、対象が子供ではないことが見られます。
そして、この有償ダウンロードですが、一着450円で、全部ダウンロードするとソフトの定価を上回るほどの金額になります(前に紹介したテイルズオブエクシリアとは違い、全員分の衣装があります、っていうか、体全員一緒じゃない?)。
これはある本でも指摘があるとおりです。
ですが、果たして、全部の衣装を着せたいと思う人がそんなにいるのかなあ。
この値段設定は、あまり多く見込めなかったためにこの価格になったんじゃないかと思います。
そのため、ある本ではこのゲームのターゲットが30代後半としていました。
確かにダウンロードコンテンツやゲーム内の時代考証が80年代っぽいし、財力はあるし、全部ダウンロードする人も出てくると思います。
しかし、「夏休みの思い出作り」という本作のコンセプトが、このターゲットにマッチしているのでしょうか?
よく考えてみると、本作の主人公は魔女っ子ではなく、あくまでも普通の女の子です。
ゲーム中も声や姿が出てこないことから、いわゆる「ギャルゲー」のように感情移入してもらうことを狙っているのではないでしょうか。
個人的には、30代後半の女性がこのゲームをプレイしたときの感想が気になります。
「昔こんな感じの魔法少女アニメあったな」 と、懐かしむ人もいたりするのではないでしょうか。
さらに、本作のおばあちゃんみたいに、自分の子供と一緒にプレイして、子供に当時の魔女っ子を伝えるという使い方もできるかもしれないし。
そして殺伐としていないほのぼのした雰囲気なので、「癒し」効果もあるかもしれません。
とは言っても、僕も当時の魔法少女モノのアニメは知りませんし、男の子とのほのかな恋愛とかがない(小学4年生なのでムリかもしれませんが)ので女性から見てもどうかと感じるかもしれませんが・・・。
4.おまけの格闘ゲームはガチ
本作の購入理由の一つに、あるゲーム誌の巻末のコメントで、おまけの格闘ゲームがガチで、ゲーム本編の内容とはかけ離れているというものがあったため、興味を持ったということがありました。
さらに、いろいろ調べると衣装にうさ耳やねこ耳があるようだったので、KGRさんとAKFさんでガチンコ対決してもらおう、と考えたためです。
そのため、僕は本作を2本買い、それぞれ二人に渡しました。
まあ・・・その・・・本編は僕がプレイしましたが・・・。
本作の格闘ゲームはアドホック通信で対戦ができ、ロビーを作ったり、対戦を申し入れることが出来るようになっています。
そこでマッチングして対戦開始となります。
ゲームの内容ですが、まずプレイヤーキャラは魔女っ子の3人の中から選び、さらに衣装の選択ができます。
相手も魔女っ子3人しかいません。
ちなみに一人プレイでは3キャラと3回対戦し、全て勝つと終了です。
操作は、弱パンチ、弱キック、強パンチ、強キックの4ボタンで、必殺技も波動拳コマンドや昇竜拳コマンドのようなシンプルな出し方で1キャラ4種類はあります。
ただし必殺技は「龍虎の拳」みたいに魔力ゲージを消耗し、ゲージがないと出せません。
魔力ゲージは時間の経過や攻撃を当てると回復しますが、意図的に溜めることはできないようです。
また、画面下にExゲージがあり、攻撃を受けたり必殺技を出したりすると溜まっていきます。
フルになると、一定時間攻撃力アップ、防御力アップ、魔力ゲージ回復量増加などの特典がありますが、さらに超必殺技を使えるようになります(出した時点で上記特典は終了します。コマンドは難しくありません)。
おまけなのでそんなに要素は多くないのですが、必殺技の制限やEXゲージなどがあり、対戦の駆け引きが楽しめます。
ミーティング内で、XBOX360でも発売が決定した、「うみねこのなく頃に」の同人格闘ゲームをプレイしたとき、KGRさんが「(ブレイブルーなどと違い)ガチャガチャしていない、初代ストII世代のシンプルな格ゲー」と言っていたので、「シンプルな格ゲーというのはこういうものだ」というのを示したかったので本作を挙げた、という意図もあります(シンプルな格ゲーと言えば、シンプル2000シリーズのオールスター格闘祭なんてのもありましたが)。
対戦が終わり、「本当は魔法少女の格闘ゲームを作りたかったのだが、キャラクターが3人しか作れず、アドベンチャーゲームにした」という説が浮上してきました。
ゲーム内の魔法を唱えるミニゲーム(コマンド入力)は、格闘ゲームのコマンド入力の布石だということです。
なかなか面白い考察です。
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