1.意外と操作は複雑、内容は大味でシンプルな対戦アクション
本作は、実は、簡単操作で投げ続ければ勝てる、というものではありません。
結構操作は複雑なのです。
基本ルールは落ちているものを敵に投げつけ、敵を全滅させればクリアです。
□ボタンで投げる方向は「いっき」よろしく自動的に近い敵に向かって投げるのですが、逆に言うと
意図した方向に投げられないのです。
爆発物を目の前の敵にぶつけ、自身も爆風に巻き込まれてしまうこともしょっちゅうあります。
さらに、ストーリーモードでは多数でこちらにかかってくるので、適当なプレイではすぐにやられてしまいます。
爆風や敵の投擲物から逃げるには、×ボタンでの高速移動が重要です。
これはマップ上の特定のポイントに大ジャンプで移動するというもので、方向キーで場所を指定できるのですが、これも思った場所に移動できなかったりします。
「究極戦隊ダダンダーン」じゃないけど炎の真っ只中(爆風)に突っ込むこともしばしば。
□ボタンの投げは方向キーで投げ方を変えることができ、投げる方向のキーを押すと、敵を貫通する「ドライブなげ」、投げる方向と逆のキーを押すと、敵に向かって放物線状に投げる「ほうぶつなげ」、何も押さないと「ホーミングなげ」になります。
慣れてくると、この辺りを使い分ける必要が出てくるのですが、慣れないうちは思った投げ方ができません。
さらに混戦状態になるので、逃げながらほうぶつなげとかは難しいです。
△ボタンはモノを近くのモノに投げる「たいぶつなげ」なのですが、これも自動的に近いモノに投げつけるので、自爆する可能性が高いです。
○ボタンはガードなのですが、ガード後一定時間に何も攻撃を受けないと、硬直時間がはっせいします。
攻撃が当たる瞬間に押すと「どんぴしゃカウンター」と言って、投げたものを反射します。
方向キーを押しながら○ボタンを押すと、そのキーの方向に応じて、格闘攻撃などのキャラ固有のアクションが出ます。
この説明があまり詳しく説明書に載っていなく、試行錯誤でやるのですが、たいていは格闘攻撃などの特殊動作になります。
さらに、キャラ固有のコマンド技があり、格闘ゲームのように方向キーをすばやく決まった順序に押してからボタンを押すことで特殊な技が出ます。
ちなみにこの技はプレイヤーの真横に出るのが殆どで、上下方向に出すことが出来ません。
まるで「ダイナマイト刑事」のようなもどかしさを感じます。
これらは主人公達の操作方法です。
キャラによっては、全くボタンの役割が違っているものもあり、モノを拾えないキャラ、モノを持ったまま移動できるキャラなどがいます。
このあたりは、「ガーディアンヒーローズ」に似たのかもしれません。
個性があるといえばそうですが、操作方法が統一されておらず、「ガーディアンヒーローズ」よりもひどい状況となっています。
また、単に×ボタンで逃げ回り、□ボタンを押せば勝てるというものではありません。
それぞれの行動に隙があり、そこを突くのが上級者の戦いというものなのでしょうが、初心者が適当にボタンを押していると、敵に狙われてなすすべもなく連続ダメージを食らってしまいます。
特に難しいのはガードで、「ガーディアンヒーローズ」ではガードボタンを押しっぱなしにしていれば、混戦時も耐えることができますが、本作ではしばらくの間ガードすると硬直状態になる
ので、このようなことができません。
また、爆風はガードできません(たぶん)。
2.内容はアバウトな対戦アクション
本作は、敵にダメージを与えて最後までたっていたものが勝ちというルールです。
キャラクターの固有技でもダメージを与えることができるものがありますが、基本的には落ちているものを相手に投げつけることで攻撃していきます。
落ちているものには、岩やグレネード、ブラックホール弾や誘導弾、ICBMがあります。
投げ方によって軌道が変わるのはもちろんですが、爆発物の爆風の範囲や威力も変化し、ほうぶつなげで威力がアップします。
さらに落ちているものにはスマイリーボール というアイテムがあり、これは着弾してもなくならない特殊なアイテムです。
このボールをドッジボールのように投げ続けていると、やがて光り輝き、これを投げるとキャラクターごとの必殺技が発動します。
必殺技は投げるボタンによって効果が変わります。
必殺技は敵も使えるので、このボールの取り合いが本作の要になります。
このようなゲームシステムで、一対多の戦いを強いられます。
最近出た「超クソゲー3」でCPUが集団でホンキで殺しにかかってくると紹介があった「フェイト たいがーころしあむ
アッパー」ほどではありませんが 、一度攻撃を受けると連続して喰らいがちになっています。
特に酷いのはブラックホール弾 で、この弾が着弾すると一定時間ブラックホールが出来ます。
威力によっては脱出できなくなり、その中に爆発物や必殺技(スーパースマイリー)を投げ込まれると、大ダメージを食らってしまいます。
それならまだしも、スマイリーボールのドライブなげを投げ込まれると、貫通弾のため連続してヒットし、即死級の大ダメージを食らってしまいます。
本作は、プレイヤーの腕(クリアタイムやコンティニュー回数)によって、難易度が3段階に変わっていきます。
難易度は敵キャラクターの種類や数で決まるというものになっており、最高難易度だと多くの敵に囲まれてなすすべもなくやられてしまいがちです。
一方、最低難易度でも強いキャラには手も足も出ないといった状況に陥りやすく、初心者にとってはラスボスが壁になるでしょう。
「ガーディアンヒーローズ」とは逆に、ストレスが溜まるゲームです。
このような状況を見て、メンバーにも「トレジャーにしては奥が浅そうなゲームですね。」と言われてしまいました。
3.子供向けなのか、玄人向けなのか・・・
本作は、極端にお子様向けな内容なのが気になりました。
ラクガキだから仕方ないのかもしれませんが、ベタ塗りのアニメで展開されるムービーは本当に蛇足
だと思います。
説明すれば20秒で分かることを、ダラダラと3分近く見させられます。
「突然マッチョマン見習えよ」 と思ってしまいます。
これは製作者の自己満足なのか・・・。
ミーティングでは遠慮なくムービーは飛ばさせていただきましたが、それでも、先ほどのシルエットミラージュで「ストーリーが全く分からない」と不評をつけたNさんからは文句が出ませんでした。
ラクガキだから仕方がないということでもうひとつ、プレイ中の画面が汚く感じるというのもマイナスポイントです。
ただでもワケがわからない状態になるのに、余計にプレイヤーを見落としやすいです(オプションでマーカー表示もありますが)。
4.ガーディアンヒーローズのプロデューサーが作ったゲーム
これまでにも何回か登場しているように、本作は、「ガーディアンヒーローズ」を作ったプロデューサーのゲームです。
キャラクターデザインをはじめ、ゲーム内容にも随所にそれらしい箇所が見られます。
「ガーディアンヒーローズ」といえば、このゲーム探検倶楽部の前身「ゲーム研究部」で流行ったゲームです。
キャラクターをランダムにして対戦してボコられたり、敵以外全員ニコレにしてばりあーでハメ殺したり、敵の死体をふっとばしてバレーボール?ごっこをやったり・・・。
しかし本作は、メンバーから「やってみたい」という声は上がりませんでした 。
メンバーがオトナになったから、というのもあるでしょうが、敷居が高そうに見えたことと、見栄えが安っぽく底が浅そうに見えてしまったことが問題点にあげられます。
「ガーディアンヒーローズ」も、多少の操作の難しさはありますが、それでもストーリーモードを協力してプレイすることで、初心者だったメンバーに徐々に操作に慣れ親しんでもらうことに成功したように思われました。
また、ストーリーモードを進めていくことで、キャラへの愛着も沸いて来たようでした。
ストーリーモードでも他人数の協力プレイを導入すれば、 たぶん変わっていたのではないかと思われます。
ちなみに、本作で、ゲーム中のキャラクターがプレイヤーに「ちゃんと操作しろよ」とか語りかけるところや、タイミング良く飛び道具をガードするとカウンターで跳ね返して攻撃する「どんぴしゃカウンター」は、「アドバンスドガーディアンヒーローズ」に引き継がれたのではないかと思います。
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