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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #232
フェイト タイガーころしあむ アッパー (PSP)

購入金額: 980円箱説付

ゲーム内容
同人創作が元の作品「フェイト」のキャラクターによるパロディアクションゲーム。
「フェイト タイガーころしあむ」の続編で、キャラクターが増え、原作はもちろん、TYPE-MOONの他作品のキャラクターまで使えるようになった。
共闘や鍔迫り合いなど、システム的にも新しい要素が増えている。
ジャンル「コミカルノベルアクション」とあるように、アクションゲームよりもフルボイスのコミカルストーリーに力を入れている。

H.Kuwanoの考察

1.フルボッコを勝ち抜け

本作は、ゲーム的に見るとあまりよくできているとは言えません。
とにかく、ゲームバランスが悪いです。

まず、操作方法が複雑です。
使うボタンは全てで、Rボタンと右側の○×△□のボタンの同時押しで違う効果が出る という、とっつきにくい操作方法になっています。
さらに、アナログパッドも方向ボタンも両方使う というのが難しいです。
一応チュートリアルがあるものの、全てムービーになっており、一番最低の難易度でもCPUが殺しにかかってくる ので、操作に慣れるのに時間がかかります。
加えて攻撃を食らってからでは間に合わないガードの遅さ、MPがないと緊急回避攻撃できない、カメラワークの悪さ、360度回転して相手の正面に戻ってくる回り込みなどで、正直ストレスが溜まります。

操作になれて先に進むと、1対2とか1対3のステージが出てきて、まさに「フルボッコ」状態になります。
と思えば、仲間が増えて楽になったり、ステージによって難易度がまちまちです。
これはストーリーに従ったためでしょう。

でも、たとえ「フルボッコ」状態であっても、何度も再戦しているうちに、アイテムを取得して戦略的に立ち回ることで、勝利を収めることができます。
本作では、アイテムの効力が強く、これによって勝敗が分かれるといっても過言ではありません。
ゲームバランスをランダムに登場するアイテムで補った、という見方もあります。
たとえば、

  • 最初に一人倒して、あとはブーツのアイテムを取ってタイムオーバーまで逃げ回る。
  • 時間ギリギリまで逃げ回ってタイガーボールとMPアイテムを取り、タイムオーバー近くで超必殺技を出して勝つ。
  • アーマーのアイテムを取って敵の一人を集中攻撃。
  • 相手から逃げ回りつつHP回復アイテムを回収し、反撃。

僕はこれらの戦法を使って、最高難易度「リアル」で全キャラクリアを達成しました。
ただ、メンバーから言われた一言。

「こんなげーむに まじになっちゃって どうするの」

 

2.良くぞ守ったA区分

本作で一番関心したのは、原作からするとCとかDとかZとかになってしまいそうな題材にもかかわらず、CEROのA区分を守ったということです。
ネタもギリギリなものもあるし、作中にもそのことを意識したネタがあるのですが、これは良くやったと思います。

僕のゲームの判断基準には、「だれでも楽しめるゲーム」というのがあります。
CEROのレーティングはアテにならない、と思っている人もいるかと多いと思われますが、ゲームそのものと関係ないところでCEROのレーティングを上げてしまうようなゲームは、個人的にはアウトです。

 

3.個人的には良いと思うが

本作は、ゲームバランスは問題がありますが、個人的には良いと思っています。
ワカメ(=最弱キャラ)だって、アイテムを取れば有利になるという、個人的にはこういったランダム要素を持ったバランス調整は好きです。
この意見については意外とKGRさんも賛同してくれました。

本作は対戦前後には漫才デモがあり、プレイ中以外は終始楽しげな雰囲気で進行します。
さらに、全てしゃべります。
中にはネタ的にもヤバイものがありますが。
これらも本作のウリで、ゲームのジャンル「ノベルアクション」の由縁です。

漫才デモの好き嫌いはおいといて、本作はほとんどがギャグになっており、原作を全く知らなくても、ゲームネタやアニメネタを知る人は笑えます。
個人的には、販売元(カプコン)ネタ が、少々無理してて笑えました。
「貴様らにそんな玩具は必要ない」 ストライダー飛竜の名台詞をこのゲームで聞くとは思いもしませんでした。

個人的には、BGMもなかなか頑張った と思います。
なぜか無駄に壮大なオーケストラ風のテーマ曲や、和とテクノが融合したスピーディーな戦闘BGMテレビアニメを意識したファンタスティックなジングルなど、楽しませてもらいました(最近のゲームの音楽を聞いていないせいもあるのかもしれませんが) 。

 

名言

フルボッコ

もともとはネットスラングで「袋叩き」のことだが、本作でも同義で普通に使われている。
本当にそうなるから覚悟しておくこと。

ネコミミ菌

本作に出てくるウィルス。
これに罹るとフェイスウィンドウに猫の耳が生える効果が付き、語尾に「にゃ」がつく。
KGRさんが欲しそうな菌なのだが・・・。

マジカル紙袋

本作の登場キャラクター「マジカルカレン」の別名。
顔を隠すために紙袋を被ったためにそう呼ばれている。
格好は僕らの良く知る「ギルティギアX」のファウスト先生そっくりである。

攻略情報
アイテムは重要
とくにご飯とアーマーは重要なので積極的に取りにいこう。

関連情報

ひぐらしデイブレイクポータブル

人気同人作品「ひぐらしのなく頃に」のキャラクターを使用した、同人制作の対戦アクションゲーム「ひぐらしデイブレイク」をPSPに移植。
同人ゲームの二次制作の同人ゲームを、コンシューマーに移植したという異例なゲームである。
ルーツが同人作品、対戦格闘アクション、1年後にはバージョンアップ版と、本作に似ているところが多い。


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