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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー #201
アイドル雀士 スーチーパイIV (PS2)

購入金額: 6270円(箱説付)

ゲーム内容
美少女麻雀ゲームの人気シリーズ「スーチーパイ」が8年ぶりに復活。
主人公およびキャラクターの半分を一新し、舞台もアキバのメイドカフェが中心となっている。
イカサマ麻雀なのはもちろんのこと、脱衣の代わりに撮影モードのごほうびシーンがついている。

H.Kuwanoの考察

1.「てんほー牌娘」よりはパワーダウン?

僕はまだレビューには掲載していませんが、「ちゅーかな雀士 てんほー牌娘」 (以降、「てんほー牌娘」)はプレイ済みです。
で、「てんほー牌娘」と比較すると、 何だかパワーダウンしたように感じられました。

まず、キャラクターのアニメーションがパワーダウンしたような感じがします。
「てんほー牌娘」では、対局前後のデモでは、ミニキャラが動いていました。
対局中は主人公と仲間がもっと小さなサイズのミニキャラになって、相手の手を心配そうに見つめていたり、こちらがアガるとオーバーリアクション気味な喜びでプレイヤーを称え、とても楽しそうな雰囲気でした。 
しかし本作では。デモではフェイスウィンドウが出るだけで、全身は表示されません。
また、対局中も仲間が最初に選んだ対局者(以降パートナー)しかいなくなっただけではなく、主人公だけがミニキャラで、パートナーはフェイスウィンドウなので、かなり寂しくなった印象を受けました。
仲間が少ないのはともかく、パートナーもミニキャラにした方が良かったと思うのですが(ミニキャラは「てんほー牌娘」のウリの一つでしたっけ)…。

さらに、パートナーの支援技もツミコミ技しかなく、しかもアニメーションは小さい動きがカットインで数秒入る程度なので、これもパワーダウンした印象を受けました。
これだけ個性の強いキャラがいるのですから、支援技も仲間ごとに違っていても面白いと思うのですが・・・。

 

対局後のごほうびシーンもパワーダウンしたような気がします。

本作では、写真撮影モードとして、対局相手にいろんな格好をさせ、その様子を撮影するというものです。
しかし、撮影することが目的なのではなく、ヘンなところにピントを合わせたときなどのキャラクターの反応や声優の演技を楽しむということが目的のように感じました。
背景がないのもそのためではないかと考えてしまいます。

一方、「てんほー牌娘」ではおさわりモードとし、爆発で衣服がボロボロになった対局相手(男性もあり)体を触って、隠し持つ殺生石のかけらを探すというものです。
実際に触っているという設定なので、よりストレートな反応が楽しめます(?)。
しかもこのテのヤバげなモードは「どきどき魔女神判」よりも前だったので、ちょっと話題になりました。

 

パネルマッチは「てんほー牌娘」のスロットマッチより厳しいですが、相手がイカサマ技を使ってこないので(真のラスボスとかは違うかもしれませんが)、幾分かは楽かもしれません。
「てんほー牌娘」では簡単にスロットを止めるタイミング似なれるのですが、後半は相手もイカサマ技を使ってくるので、前半でイカサマ技を貯めておく戦略が必要になるため、意図したイカサマ技をGetするのは必須になります。
本作のパネルマッチは初見は難しそうに見えても、キャラクターによって決まっているパターンを覚えればだいぶ楽になるでしょう(要らないパネルをめくってムダにしたりする可能性も高いのですが)。
ただ、どちらも相手をハコにするよりはスロットマッチやパネルマッチでポイントやイカサマ技を稼ぐ、というプレイスタイルは一緒です。

 

本作ではプレイヤーが「スーチーパイ」なのではなく、彼女が勤める店の新米店長というのもポイントです。
ただそういう設定なだけでゲーム中には登場しないのではなく、実際にデモでも登場しています。
ただ、まるでギャルゲー(ていうか本当にそうなんだけど )のように、主人公は姿を見せず、声も当てられていません。
対局前後のデモだけを見ると、前作まではアニメを見ているような感じでしたが、今回は10年以上前の美少女アドベンチャーゲーム を見ているような感じです。
だからといっても行動を選ぶ選択肢があるわけではなく、たとえば「どっちがかわいい?」と聞かれても、「う〜ん、どっちもどっちだなぁ」 といった感じで勝手に進められてしまいます。
主人公をプレイヤー自身にするのは、ゲームの世界への没入感を楽しむのなら良いのですが、本シリーズのウリは声優やキャラクターによる掛け合いなので、あまり効果はないように感じました。

 

あまりないないづくしだとかわいそうなので、本作の方が上回っている点を挙げてみます。
それはやっぱり、マニアックさでしょう。
アキバのメイド喫茶が舞台だったり、キャラクターがデフォルトでメイド服だったり、撮影シーンの服装がヤバかったり 、舞台が明治大正の「てんほー牌娘」と比べ、今風のマニアックな要素を積み込んでいます。
また、ゲスト漫画家(?)として、本作では「ぽよよん ろっく」さん(名前の間にはハートマークが入ります)という方が服装等の携わったそうです。
そのためか一部のキャラクターが園田氏の絵柄っぽくないように感じられた のですが、そのテ(萌え系)の方面ではそこそこ有名な漫画家(?)だったと思います。
ヘタするとこの人が描いたゲームの方がヒットしたりして…。

また、発売当初は秋葉原のメイドカフェを借りてイベントを行ったり、声優によるライブを行ったようです。
特に声優によるライブは、キャラ毎のエンディングテーマを担当している声優に歌わせているぐらいですから、なぜこれまでなかったのか不思議なぐらいです。
多分これまではここまで大きなことはできなかったでしょうから、ファンにとっては相当嬉しかったのではないでしょうか。

 

そう考えると、このような差は、製作時の意気込みの違いによるものかもしれません。
「てんほー牌娘」は本シリーズのスタッフが、別の会社で製作したものです(おそらく企画は元の会社の混乱の後からだと思いますが)。
「コレを売らないと会社が持たない。」という危機感、「長い間作れなかった「スーチーパイ」のような麻雀ゲームを製作したい。」という創作意欲、「元の会社に戻りたい(「スーチーパイ」の続編が作りたい)。」という希望、 そのようなものを、プレイしていて感じ取ることができました。
しかし、本作では(多分元の会社に戻ったことを記念して、なるべく早く、しかも、「III」や「てんほー牌娘」のDS,PSP版の開発も進めながら製作されたような気がしますので)、制作期間(もしかすると資金も?) は「てんほー牌娘」ほどはかけられなかったんだろうと思います。
逆に、復活したことのアピールや根強いファンに対するお詫び等で、このように盛大なイベントを催す方に力を注いだのでしょう(僕はこの方向は間違いだとは思っていません(むしろ商業的には正しい方向だと思います)。別に否定するわけではありません)。
このような熱烈なファンとスタッフがいる限り、これからも「スーチーパイ」シリーズは続いていくことでしょう(なんだか訳の分からないまとめ方ですが)。

 

総評しますと、前作をプレイして気に入った人、今風の萌え系ファッションのアニメキャラが好きな人なら本作はオススメですが、初めてジャレコマージャン(KGR談)をプレイしてみたいという人には、僕だったら「てんほー牌娘」をオススメします。
ただし、どちらも普通の麻雀ゲームとは違いますので、麻雀部分に過度に期待してはいけません。
誤解を恐れずに言うと、平たく言ってしまえば、本作は「キャラゲー」「アニメゲー」「声優ゲー」です(別に悪意があるわけではありません)。

名言

むっきゅ〜ん

本作に登場するネコ耳コスプレ娘「まり」の口癖。
頭の悪そうな喋り方に、KGRさんも頭を痛めていた

これ、なんてエロゲー?

本作の撮影シーンで露骨に狙いすぎなシチュエーションを見てAKFさんが漏らした一言。
本来18禁ゲームではないのに、それに近いような描写がされているゲームに対して言う言葉。
本当にエロゲーの場合には使わない。

攻略情報
点数よりパネルマッチの回数を重視
本作を攻略するにはポイントやイカサマ技の使用回数がモノを言うので、高い役でアガって相手をハコにするよりも、パネルマッチの回数を増やすことを考えましょう。
全部めくってパネルクリアで勝つことを目指しましょう。

関連情報

ちゅーかな雀士 てんほー牌娘

本作の前に出た麻雀ゲーム。
「スーチーパイ」の流れを組んでおり、一部のキャラクターが本作にも登場する。
最初のPS2は別の会社から発売されたが、その後に出たPSP,DS版では元の会社名で販売されている。


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