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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 164
ヴェイグス (PCエンジン)

購入金額: 210円 (箱説付)

ゲーム内容

ゲームアーツが1988年にPC-8801用に出した、同名のロボットアクションゲームをPCエンジンに移植。
レーザーガン、パンチ、バルカンで武装した人型ロボットを操作し、全10ステージを戦い抜く横スクロールアクションシューティングゲーム。
ステージクリア後には、敵を倒した数に応じてパワーアップをすることができる。
振り向く際には下キーを押さないといけないが、その際の無敵時間をうまく利用することが攻略では重要。

H.Kuwanoの考察

1.テグザーとガングリフォンの架け橋

本作は「テグザー」「シルフィード」で名を上げたゲームアーツがPC-8801用に制作したアクションシューティングゲームの移植版です。
右向きと左向きが対象ではない、腕や頭が無くなる、走るときに砂煙や水煙を上げる、など当時としては芸が細かいです。
設定も細かく、自機のヴェイグスは顔やマニピュレータがない、無骨な格好をしています。
どことなく「ガングリフォン」のHIGH-MACSに似ているような気がするのは気のせいでしょうか?
なぜか武器には原産国や仕組みまで細かく書かれています。
この設定の凝り様はきっとガングリフォンに受け継がれているのだろう、と感じました。

 

2.他のロボットアクションゲームにも影響を与えた?

本作は知名度にかかわらず、いろんなゲームに影響を及ぼしたような気がします。
一般的には「重装機兵レイノス」らしいのですが、個人的には「ウルフファング」っぽいような気がしました。

  • ローラーダッシュ
  • 強制スクロール
  • 向きの固定
  • 遠距離と近距離の使い分け
  • バーニアによるジャンプ
  • 左向きと右向きが左右対称でない
  • 実はジャンプしない方がいい

ジャンプやダッシュがちょっと違いますが、地上を走って敵弾を回避するところや、向きを固定できるところなど、操作感覚が似ています。 

 

3.ゲームアーツのゲームにしては大胆

本作は、時間によって受けたダメージを修復することができます。
ある程度ならダメージ覚悟で突っ込んだりしてもOKということです。
さらに、振り向いている間は無敵になるという仕様なので、敵の弾幕に背を向けて突っ込む という戦い方もあるのです。
少しのミスはすぐに取り戻せる、この仕様は「テグザー」や「シルフィード」を知っている人にとって、ちょっと緩いような気がします。

逆に言えば、ゲームアーツのゲームを初めてプレイする人には向いているゲームかもしれません。

 

4.エンディングはGOOD

ネタバレになりますが、本作の終盤の展開は面白いものがあります。
ベタかもしれませんが、特にエンディングの音楽の使い方が、小技が効いていて良いと感じました(多少ネタバレにつき、見たい人はマウスで選択してみてください)

ボスオンパレードを抜けて、マザーコンピュータらしきものを倒すと、世界に平和が戻ったというデモシーンが、エンディングの平和そうなBGMとともに流れます。
しかしそれは中間デモ、平和が戻ったと思ったら、海底から敵の母船らしき戦艦が宇宙空間に飛び出して(撤退?)います。
そこをロケットのような支援パーツをつけて、ヴェイグスは上空へと追いかけていきます。

その後に戦艦内の本当のコアらしきものを倒すと、ヴェイグスが脱出する1カットが表示され、最後に宇宙空間で戦艦が爆発して、 静寂な宇宙空間が画面に広がるなかで、さっき流れたエンディングのテーマがフルで流れてエンディングです。
つまり、中間デモ(だましエンディング)で小出しにしているのです。

しかも、スタッフロールの後に出てくるデモが見モノです(多少ネタバレにつき、見たい人はマウスで選択してみてください)
味方の宇宙戦艦が地球の司令部と交信し、司令部は「ヴェイグスの信号が途絶えたので生存は絶望的だ。地球に帰れ。」というのですが、戦艦の通信係は、「雑音がひどくて指令内容が聞き取れませんでした。」と、ヴェイグスの回収に向かうのです。

このエンディングのドラマも、もしかすると「ウルフファング」に通じていたりして…。

名言

雑音がひどく指令内容がよく聞き取れませんでした

エンディングの名台詞。
具体的な内容は避けるが、司令部の命令をわざと聞こえないふりをして無視し、自らの意思で行動するときに使われた。

攻略情報

無敵時間の謎
本作は方向転換中は無敵と書かれていますが、実際には無敵になるのは最初の方向転換からしばらくしたあとまでで、方向転換を繰り返せば無敵になれるわけではありません。
2回目以降の方向転換ではダメージを受けてしまいますので、かわす際は直前で方向転換するよう心がけましょう。

●最初はバルカンをパワーアップ
良くこのゲームを紹介しているサイトには「パンチがメインでショットはおまけ」と書かれていますが、実際にはバルカンを使う場面が多いです。
バルカンはパンチやショットと違って、破壊されることがありません。
序盤はショットが弱く、しかも任意でパワーアップできないため、序盤では敵を裁ききれません。
バルカンは最強までパワーアップすると敵を貫通し、威力も倍増します。
敵を倒すとその分パワーアップができるので頑張ってください。

●ジャンプは極力控えよう
ジャンプ中は方向転換ができません。
方向転換中は無敵という特性を利用できないため、ジャンプはあまりしない方がいいです。
ただし、バーニアが最強状態の場合は大ジャンプやホバリングでかわすといったことができます。

●7面序盤の安全地帯
7面(ボスオンパレードの手前の基地の面)の最初には、上から降りてきて誘導ミサイルを撃ってくる敵がたくさん出てきますが、画面右端で左向きにレーザーガンを放っているとダメージを少なくできます。

関連情報

テグザー

ゲームアーツが1985年にPC-8801で出したアクションシューティング。
自動照準のレーザーが撃てるロボット形態と、狭いところに入れる飛行形態を使い分けつつ迷路状の基地を進む。

シルフィード

ゲームアーツが1987年にPC-8801で出した3D風シューティングゲーム。
ポリゴンやワイヤーフレームによる3D処理が大きな特徴。

ガングリフォン

ゲームアーツが1996年にセガサターンで出したロボット3Dシューティング。
セガサターンの能力をフルに発揮した3D処理で、当時セガサターンファンの間で話題となった。

ウルフファング

データイーストが1992年にアーケードで出した横スクロールアクションシューティング。
64機ものロボットから1つを選び、ショットや近接攻撃、チャージ攻撃で敵を倒していく。


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