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ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 162
塊魂 (プレイステーション2)

購入金額: 29 80円 (箱説付)

ゲーム内容

ナムコが発売したアクションゲーム。
3D空間のマップを後方視点でプレイし、「バーチャロン」(「アサルト」)のように二つのアナログスティックを使って球を転がし、雪だるまのように周りを巻き込んで大きくし、特定の大きさにすればクリア。
電波系のキャラクターとデモも特徴的。

H.Kuwanoの考察

1.シンプルなルールで分かりやすい

本作のルールは単純、ボール(塊)を転がしてマップ上の物体を巻き込んでボール(塊)を大きくし、制限時間内に特定の大きさ以上にすればクリアというものです。
良く消しゴムのくずや雪だるまでやっていたことをゲームにしたような感じなので、誰でも楽しめます。

ただ転がすだけではダメで、大きいものは塊が大きくならないと巻き込めないので、巻き込む順番を考え、小さいものを巻き込んで稼ぐ必要があります。
特に塊の物体を剥がして妨害する敵キャラは、こちらの塊が大きいと逆に巻き込めるので、下克上のような達成感が感じられます。

また、巻き込み方によっては回転が鈍くなる場合があるので、レベルが上がるとどの方向に物体を巻き込むかを考える必要も出てきます。
たとえば、ノートなどの平面状の物体を巻き込むと、その面が地面に付くたびにブレーキがかかったようになってしまいます。

やりこみ要素もふんだんにあります。
まず、作成した塊のサイズは面ごとにハイスコアとして記録されます。
そして、巻き込んだものはリストに記録されます。
リストを完成させるには、マップに隠された場所を探したり、塊を大きくして巻き込めるようにする必要があります。

このように、本作は「塊を転がす」ことの奥深さを堪能できるゲームになっています。
とはいっても、誰でも気軽に楽しめ、肩を張ってプレイする必要は無いです。

 

2.操作性が難〜どうしてこんなにややこしくしたのか?

ただ、このゲームにもやっぱり難点があります。
それは、ルールが簡単なのにどうしてこんなややこしい操作方法にしたのかということです。
ルールも簡単なら、プレイ方法も簡単にしたほうがいいんじゃないか、と思います。

本作のプレイ方法を簡単に説明すると、

  • アナログスティックを左右両方とも前に倒すと、前進
    (おそらく、後ろに倒すと後退)
  • アナログスティックを左だけ前に倒すと、右に回る。
    この際にアナログスティックの右を後ろに倒すと素早く右に回る。
    同様に右だけ前に倒すと、左に回り、同時に左も後ろに倒すと素早く左に回る。
  • アナログスティックを左右両方とも左に倒すと、左に平行移動。
    同様に左右両方とも右に倒すと、右に平行移動。
  • アナログスティックの左右を同時に押すと塊の後ろに回りこみ、素早く後ろを向く。
  • アナログスティックの左を交互に前、後、前、後、同時に右を交互に後、前、後、前、と素早く動かす(いわゆるレバガチャ)と、ダッシュ。

別にアナログスティック1つで、直感的に分かりやすい操作にした方が良いと思います。
「バーチャロン」とか「アサルト」は、わざと操作を難しくすることで、機体を操縦している感覚を醸し出したり、操作に慣れて自在に動かせるようになった達成感を味わわせようとしているのが感じられます(さらには両作品がアーケードであることもこの操作方法と関係があると思われます)。
しかし、本作においてはプレイヤーは(おそらく)機械ではありません(少なくとも、人が乗って操縦するものではありません)。
操作に慣れる達成感というのは分かりますが、本作では「塊を転がす」ことの奥深さを追求した方が良かったのではないでしょうか。

理想を言えば、本作で一番プレイ感がしっくり来るのは、トラックボールだと思います。
もしアーケードで出るなら、ぜひともトラックボールでプレイしてみたいですね。

また、カメラワークの荒さも難点です。
しょっちゅう背後に壁が入って、画面が壁で隠れてしまうことがあります。
普通のゲームなら壁が消えたり半透明になるのですが、本作ではそれがありません。
しかも画面中央に、「塊」という文字がぼんやり映っているので、おそらく意図して壁を透明にしなかったのだと思われます。
メンバーの中にはその意図を汲み取り、「画面が隠れないようにプレイヤーを回転させることもゲーム性のうち」と言っていたのですが、僕は前述の通り「(ルール、操作などの)とっつきやすさをウリにする」「塊を転がすことの奥深さを追求する」ということをこのゲームに求めたいので、何とかしたかったところです。

関連情報

電脳戦機バーチャロン

セガが出した1対1の3Dロボット対戦シューティングゲーム。
個性の違う8体のロボットから1つを選び、矩形のステージでビームの撃ち合い、ソードの斬り合いを繰り広げる。
ボタンがついた2本のレバーを使った操作が特徴。


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