Prev Back  Next

ゲーム探検倶楽部ゲームレビュー # 158
東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング (ニンテンドーDS)

購入金額: 2580円 (箱説付)

ゲーム内容

ミニゲームを遊びながら脳を鍛えられるという、知的なミニゲーム集。
繰り返しプレイして、高得点を得ることを目的とする。
脳年齢を検定する他、トレーニングの結果を記録して成長の過程を見ることもできる。
ペンによる手書き入力やマイクを使った音声入力など、DSの機能をふんだんに利用している。
名前の通り大人の間でヒットし、社会現象にもなった。

H.Kuwanoの考察

1.ゲーム脳への報い

ゲーム脳に対するCESAの調査書を見ていると、川島氏が「ゲームが脳に悪影響を及ぼす」ということを最初に言った人物であるように書かれています。
というより、「ゲームをしている間は前頭前野の働きが停止する」ということを検証したということです。

しかし調査書にあるとおり、この研究結果からして「ゲームをやることが脳に悪い」とは言えない、ということなのです。
これは調査書の川島氏のインタビューでも、「前頭前野の働きが停止するからといって、脳に悪いということではない」と言っています。
それが、マスコミ等に歪曲され、やがて森氏の著書から「ゲーム脳」という言葉が誕生したということです。

そして、まだ「ゲーム脳」という言葉が完全には忘れ去られていない時期に、本作は登場しました。
ターゲットを大人としたことや、DSを縦にしてプレイする仕様や音声認識など、様々な常識を覆した本作は、幅広い世代に売れ、ヒットしました。
本作のヒットにより、「ゲームが脳に悪影響を及ぼす」ということも覆されたように思えます。

本作は、「ゲーム脳」という誤った情報の流布を、不本意ながら手助けしてしまった川島氏の「報い」なのかもしれませんね。

 

2.これはゲームと呼べるのか?

ここで、僕らゲーム探検倶楽部の間では、このゲームが流行ることがいいことなのか、疑問視する声も出ました。
そもそもこれをゲームと呼べるのか、このようなソフトが流行ったらゲームらしいゲームが売れなくなるのではないか、という意見がありました。

僕個人の意見では、このゲームのヒットは大変良いことだと思います。
先ほども触れましたが、「ゲームは悪いものだ」という悪説を覆すものでありますし、より広い世代がゲームというものに対して興味や理解を持ってくれると期待できるためです。
そして映画やマンガと同様、ゲームも文化の一員に入れてもらえる日も近くなります。

もちろん、本作はれっきとしたゲームである、と僕は思います。

関連情報

ことばのパズルもじぴったん

ナムコが出した、言葉を使ったクロスワードパズルゲーム。
ひらがなの書かれたパネルをマスに入れ、辞書などに載っている言葉を完成つつクリア条件を達成する。
頭が良くなるパズルとしてヒットになったが、本作ほどではなかった。


Prev Back  Next