1.悪乗りしすぎ
本作はPCエンジンで人気だった「超兄貴」シリーズの続編で、初代「超兄貴」の流れを汲んだ横スクロールシューティングゲームです。
しかし、前作にあったような「筋肉への憧れ」とかいったものはなく、クオリティは低めです。
まずはムービーです。
「超クソゲー」を読むと分かりますが、このゲームのムービーはアルバイトの人が遊びで作ったものです。
筋肉ともストーリーとも関係のない、ほんとにラクガキのようなムービー
がオープニングなどで流れています。
(それにしても、こんな適当なムービーに音楽をつけた葉山宏治氏は大変だっただろうなぁ)
続いて実写取り込み。
主人公の二人「イダテン」「ベンテン」はまあ仕方ないとして、「イダテン」のオプションである「アドン」「サムソン」はあまりにもカツラが手製すぎ
て、学芸会レベルでかっこ悪いです。
せっかくのボディービルダーが台無しです。
反面、ボスの「究極無敵銀河最強男」はイメージと合致していてGoodです。
実写取り込みは敵や背景の一部にも使われております。
ムービーで実写をイジっていたのがここにも使われており、 手や顔が伸び縮みしたり、腕や足を組み合わせて奇妙な生物や機械を作り出しています。
特にビルが腹筋や胸板だったりするのはちょっとどうか と思いました。
ボスもかなり奇妙なものが多く、特に最初の方のボスが「これ大丈夫か?」とこちらの方が心配してしまうような暴走っぷり。
しかし、葉山宏治氏の音楽が復活したのが唯一の救いです。
「愛・超兄貴」の岩崎琢氏とタッグをくみ、アジアンテイストただよう曲や、地下鉄の発車状況をそのまま曲にしたような曲など、両者の個性が入り混じった音楽が楽しめます。
このゲームの音楽はマスメディアでも使われており、「笑っていいとも」「ダウンタウンDX」
など、いろいろなテレビ番組で使われています。
僕もテレビ番組でよく聞く、「ぬぅおおっ!(爆発音)」という効果音が本作のラスボス登場の曲の一部であることを初めて知りました。
2.シューティングゲームとしては問題
前作からそうでしたが、本作もシューティングゲームとしてはあまり楽しめません。
まず、キャラクターが大きめで当たり判定が大きいこと。
本作はプロテインをオプションに取らせてパワーアップさせることが攻略のコツなのですが、オプションも当たり判定が大きいので、自分が敵の攻撃を避けてもオプションが受けてしまう
、といったことが良くあります。
また、そのせいかボスの攻撃は比較的単調でかわしやすいのですが、ザコ敵の攻撃はいろんなところから撃たれるので厳しく感じます。
次に、特殊攻撃が使えないということ。
本作のシステムの大きな特徴として、オプションもパワーアップがあり、それに応じて特殊攻撃が使える ということがあります。
しかし特殊攻撃を使うとパワーアップが弱くなってしまいます。
そうすると後述のとおり敵に太刀打ちできなくなってしまうので、実は使わない方が無難 です。
使うならレベルの低い「メンズビーム」程度で十分です。
敵が異様にカタいのも問題です。
本作はプロテインというパワーアップアイテムを取るとショットが強くなるのですが、たいてい自分一人の力ではザコ敵すらもなかなか倒せません。
そこで、上下につくオプションにプロテインを取らせて、オプションのショットもパワーアップさせる必要があります。
しかし、上下のオプションが敵の攻撃を喰らうとパワーダウンし、 しまいにはショットも出なくなります。
プロテインは中型の敵を倒すと出現します。
ということは、終盤以降になると、
敵が固い
↓
敵を倒せない
↓
プロテインが取れない
↓
敵の攻撃が激しく、オプションがパワーダウンしてしまう
という悪循環に陥ってしまいがちです。
敵が固いのはボスも一緒です。
殆どのボスの攻撃は単調でパターン化しており、長時間の作業を繰り返すことになって、辛く感じました。
3.サターン版の方がマシ?
本作は、後にセガサターンにも移植されています。
その名も「超兄貴〜究極…男の逆襲」 。
名前からすると続編のように見えますが、実際には移植版なので注意。
いくつかサターン版とは違いがあり、一番目につくのはムービーの違いです。
PS版 の方がふざけすぎています。
そのほか、画像のクオリティやゲームバランスなど、全体的にはサターン版の方がデキは良いと感じました。
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